第二十二話 降り立つ姫
両軍は動きを止め、現れたスペランツァリヒトとヴェルトムートを見つめる。
「ハイド軍クルード軍の方々、私はハイド皇国皇女アウル・ハイド」
「私はクルード帝国皇帝の妹、ジェミー・クルード」
戦場にいる全員のモニターに二人の姿が映し出された。
「私達はこの戦いを止めに来ました。
長きに渡り争ってきた私達は自らの過ちと向き合う時なのです!」
「私とアウルの様に言葉を交わし友となる事ができるはず。
皆さんの中に憎しみがある方もいるでしょう。
しかし、自分の大切な者を自分が繋げた憎しみの連鎖で奪わせてよいのでしょうか。
忘れるのは無理でしょう…でも、失ったものより残されたもの、これから現れるかもしれない大切なものに目を向けてください!」
「私達は皆さんの憎しみや悲しみを受け止め平和な未来へと導きます!
だからもう戦いは終わりにしてください」
戦場に静寂が流れ、モニターを見ていたネスタが立ち上がる。
「全軍に告ぐ…ハイド軍並びにアンノウンに総攻撃!」
「ネスタ…これよりメスト隊はあの戦艦を叩く!」
メストはダジボーグを残し去っていく。
「ダジボーグ様、どうしますか?」
「シーマス艦長、全軍に回線を繋いでもらえますか」
「分かりました…どうぞ」
「こちらダジボーグ。
全軍、クルード軍とアンノウンを討て!」
「ダジボーグ…本気かい?」
「すまないペルーン。
邪魔される訳にはいかないんだ」
「…分かったよ」
ダジボーグ達もアウル達へと進軍する。
「やっぱり分かってくれない…」
「大丈夫よアウル。
今の私達には力がある!」
「そうね。
全軍出撃してください!」
戦艦から次々とウォーアーマーが発進していく。
「親父達と戦闘か…」
「怖いなら下がっていていいぞアルファ。
私が相手をしてきてやる」
「うるせぇ!
ブレイド、お前の獲物は全部俺が貰う!」
「頼もしいな」
二人は宇宙へと飛び立つ。
「アウル、必ず生きてまた会いましょう」
「もちろんよ!
必ず成し遂げてみせる」
ジェミーとアウルはそれぞれの機体に乗り込み出撃した。




