リットル聖教聖戦軍 6
処変わって皇帝と聖女率いる精鋭部隊が城塞都市を目指し進行していた頃
皇帝と聖女が載っている馬車の戸がノックされる。
「失礼致します。皇帝陛下、聖女様現在城塞都市ミルドの方角に大量の煙が立ち上っております。斥候はすでに出し確認を急いでおりますが、何かあったのは必須。如何致しましょう。」
「ふむ。とりあえず急ぎ向かうとしよう。聖女もよいな?」
「わかりました。急ぎ向かいましょう」
「わかりました。これから揺れがましますのでご注意ください。では、失礼します」
異常を知らせに来た兵士がさり馬車の中は少しの間沈黙が訪れる。すぐに馬車の速度があがり揺れがひどくなる。
不意に皇帝が言葉を発する。
「どう見る?」
「城塞都市ミルドからの煙とは異常事態かと。オルド王国側であれば何も問題ないのですが。攻められたと見てもいいかもしれませんね。オルド側には前回辛辣を舐めた将軍がおりますし、あの者が出張って来たら何かあっても不思議ではないかと」
「ふむ・・・。我は1年ほど前に同じようなことがあって一度ミルドが機能不全になったことがあった。そやつがまた事を成したと考えておるのだが。まぁ、ただの憶測でしかないな。どちらにしてももうよい。匙は投げられておる。此度の戦ですべてが終わり、始まる」
「えぇ、そうでございますね・・・。長かった。本当に長かった。これから私達の楽園が・・・。主様との未来がまっています」
再び馬車の戸を叩く音が響く。
「斥候が戻ってきまして報告を、現在ミルドは魔物の襲撃を受けている様子。如何致しましょう」
「何んと間が悪い。我と聖女は神輿に上がる。号令を受け次第、魔物を殲滅しろ」
「御意。準備いたします」
兵士は馬車から遠ざかっていった。
皇帝と聖女は馬車の外に出てミルドを視界に移しながらしゃべる。
「なぜ魔物がミルドに入れる?あそこは低級の魔物しか出ないはず・・・」
「想像がつきませんね。ただ、これでは予想よりも早く事が進みそうですわね」
「確かにそうだな。いくつの命が消えたのか・・・」
兵士が近づき膝をつき頭を垂れる。
「神輿の準備が整いました」
「わかった」
皇帝と聖女は準備された神輿の上に立つ。
「これよりミルドを奪還する!魔物共を殲滅!住民の救助を行う!これより聖女様の祈りで聖なる力を宿し!魔の眷属を撃ち滅ぼすのだ!・・・聖女様よろしくお願いします」
皇帝の隣に立つ聖女は静かに頷き、その場で胸の前で手を組み祈りだした。すぐに変化が訪れた。聖女の身体が光を纏い、組んでいた両手を放し、天に向け広げると、聖女の神々しい姿に見とれていた兵士達の上から光の粒が降り注いだ。その光が兵士達に当たるとはじけ幻想的な光景を生み出した。兵士達の身体がボンヤリと光を帯びている。ただ、その顔は無であった。
「さぁ行きなさい。あなた達は神の祝福を得た聖戦士。敵を打ち滅ぼしなさい」
聖女がそう言葉にしたとたん目にも止まらぬ速さでミルドへと駆けだしていった。
「相変わらずの能力だ。熱心な教徒をより強力な自我の無い人形にする権能」
「あら?あなたの権能だってなかなかの物じゃない?今はまだその時じゃないけど」




