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第一王子はモテない  作者: 東野 千介
敵か味方か
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ドラゴン騎士団④

「プロキオン。お前は少し黙っていろ」


 ベテルギウス・ドラゴンはプロキオンをにらみつけると、静かに、しかし迫力のある声でシリウスに問いかける。


 「両陣営の状況はどうなっている?」


 「現状ではシャルル殿下が優位に立っているようです。しかし、未だに中立を保っている者も多く その者達次第でどちらが勝つかわからない状況です。また、中立を宣言していますがザムザ将軍とナターシア将軍の真意もはっきりしてないのが気になるところです」


 シリウスはさすがに情報収集を怠っていない。領地に居ながらにして王宮の状況を正確に把握している。


 「それで、お前らはどちらにつくというのだ」


 ベテルギウスの問いにシリウスは躊躇する。


 今までのシリウスなら迷うことなく「シャルルにつく」と言っていただろうが、先ほどまでのベテルギウスの態度に即答できないでいると、それまでの流れを知らないプロキオンが勢い込んで答える。


 「何を迷うことがあるのです!当然シャルル殿に決まっておるでしょう。シャルル殿はグズ殿と違って聡明で勇気あふれるお方だとききます。あのグズ殿がリサリアを継ぐことになったらどうなることかとおもっていましたが、シャルル殿なら安心です。もっともシャルル殿が暗愚であっても、恨み重なるグズ殿に我らが加担する事などありえませんが」


 ベテルギウスは大げさにため息をつくと


 「プロキオン。お前には黙れと言ったはずだか?」


 「黙りません!グズをグズと批判して何が悪いのです!」


 さきほどの『ドラゴンの咆哮』を聞いていないプロキオンはまだ強気だ。


 「・・・グズはお前たちの方よ。レスタークス殿下に比べたらお前たちはなんと愚鈍なつまらぬ者共に育ったことよ。もう少しまともに育てたつもりだったが、図体ばかり大きくなりおって・・・まったく情けないことだ」


 「父上!聞き捨てならないことを言われましたな。あのグズ殿に我らが劣るとでは言われるのか!」


 プロキオンは顔を赤くしてベテルギウスに詰め寄るが、それをうるさそうに見ると、


 「劣るも劣る、大劣りよ。お前たちは物事の表面しか見えぬ、まったくの愚か者よ」


 「父上、ご説明してくださいませんか?我らは今までレスタークス殿下を不俱戴天の仇と思ってきましたが違うのですか?」


 憤るプロキオンを抑えながらもシリウスは冷静に(と言ってもベテルギウスの侮辱に怒りで身体を震わせていたが)問いかける。


 「そもそもなぜお前たちはレスタークス殿下の事を仇だと思っているのだ?個人的になにかされたのか?そうだとしてもつまらぬ私怨で国の大事を判断するのは愚かなことだぞ」


 「私怨ではございません!あのグズ殿はこのドラゴン領にとって重大な事件をおこされたではありませんか!」


 「いったいなんのことを言っているのだ?」


 「父上はレスタークス殿下がしでかした事を我らが知らないとでもおもっておられるのか?」


 声を荒げるシリウスに続いてベテルギウスも


 「そうです!父上はお隠しなっておられるようですが、あの事件は明らかに顛末が不自然でした。それはグズ殿が絡んでいたからでしょう!」


 「あの事件とは何のことだ」


 兄弟が口々に言ってくる『あの事件』にベテルギウスは覚えがあったが、あえて自らは語ろうとはしない。

 ベテルギウスにとって『あの事件』はそんな軽々しく語れるものではないのだ。  

 しかし、真の事情を知らない双子にとっては『あの事件』こそレスタークスを敵視する原因となったものだ。


 「父上が言われないのであれば私が言わせていただく。あのグズ殿はよりにもよってあの凶作の年に我らが領内の穀物庫に遊びで火をつけたではありませんか」


 「しかもそれすらも盗賊のせいにして隠しているではありませんか」


 シリウスとプロキオンは口々に言い募る。

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