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第一王子はモテない  作者: 東野 千介
敵か味方か
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ドラゴン騎士団②

 同じ頃、シャルル陣営でもドラゴン騎士団の話になっていた。


 「ドラゴンはいったいどういうつもりなのか。しかもベテルギウス殿自ら来られるとは・・・」


 ベテルギウスの病状が良くないことを知っているウインは自問するように言っているが、シャルルがそれに答えてくる。


 「もちろん、我らの味方をするために決まっている。そのための使者を余が自ら出したのだからな」


 確信めいた言い方をするシャルルにウインは

 「ずいぶんとはっきり言われますが何か根拠があるのですか?」


 「ある」


 これまた自信たっぷりにシャルルは答えている。


 「知っての通りドラゴンは利にうるさい。破格の恩賞を約束している。あのグズの領地をはじめ近衛騎士団の領地の大半を与えるとしてやったわ。少々もったいないが、それだけの価値のある男よ」


 (確かに思い切った恩賞を約束されたものよ。それならばドラゴンも恩賞に関しては得心するだろう。けちけちするよりは良い考えだ)


 シャルルの言葉にウインは納得するが、エクセルが口をはさんでくる。


 「そんなにも与えるつもりなのですか?それはやりすぎなのではありませんか。つけあがることになりましょう!」

 

 エクセルは自分の取り分が減るのを危惧しているのか露骨に嫌そうな顔をする。せっかくシャルルという勝ち馬に乗っているのに、分け前が減るのが嫌なのだ。


 「そうか?ウインはどう思う?」


 「ウイン殿とて同じ考えのはず!どう考えても恩賞が多すぎです。いかにドラゴンがすごかろうとやりすぎです。そうですよね?ウイン殿?」


 考えの浅い発言を繰り返すエクセルにウインは頭が痛い。


 (また、バカがバカな事を・・・。こんな奴がシャルル殿下の側近だとはな。少しは女以外の事に頭を使うようにして欲しいものだ)


 「恩賞に関してはそれでよいと思います。しかし、確かにドラゴンは欲深い者だとは思いますが、それだけで確実に味方になるとは限らないのでは?」


 ウインはドラゴンを世上の噂のように利だけで動くとは思っていない。

 強欲ではあるがそれを得るだけの戦功は立てているし、戦場での自軍の強奪行為なども固く禁止している。ただの欲深い男ではないのだ。


 「・・・それだけではないのだよ」


 シャルルはやけにもったいぶった言い方をする。


 「ドラゴンには余に味方する、いや、兄上には絶対に味方しない理由があるのだよ。まあ、これは一部の王族しか知らないことだがな。あはははははは!」


 「さすがはシャルル様!そのような事があったとは!いやー、それならもう少し恩賞減らしてもこちらにお味方するのでは!」


 「はっはっは。余はそんなケチではないぞ!」


 高笑いをするシャルルと愛想笑いをして追従するエクセルを冷ややかな目で見るウインだったが、


 (まあ、確かにドラゴンがレスタークス殿下を嫌っているという情報はある。その二人の息子に至ってはそれを隠す気もないような態度をとることがあるとも聞いているからな)


 今までシャルル達の甘い見積もりに散々振り回されてきたウインだったが、今回は自分の情報とも一致しているので間違いないと思うようにしたのだった。

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