アナザーストーリー:ユイVS咲夜
レミ嬢と謎の人物(作者)の気まぐれで戦うことになったユイ君と咲夜さん。
現実逃避なんて口が裂けても言えねえぜ!
紅魔館のホールでユイと咲夜が向き合っている。
ユイは両手に陰と陽を持ち、咲夜はナイフを片手に3本まとめて持っている。
「用意、はじめ!」
パチュリーの合図で試合が始まる。
しかし、2人は動かない。
「お前さん、こんな我儘なお嬢に付き合って苦労しないのか?」
「えぇまあ、多少は苦労しますよ。ほかにも門番を起こしたり、妹様の様子を見たり、あなたと戦うことになったり…」
それどころか世話話を始める始末だ。
「よくやってられるぜ。寿命が短いとあっという間にあの吸血鬼とお別れすることになるぜ。」
「えぇ、でもご安心ください。あなたのの試合はこの次の瞬間に終わるんですから。時間は0秒です。」
咲夜がそういった瞬間、ユイの周りにおびただしい数のナイフが現れた。
「陰、陽。」
ユイはその一言だけを言って剣を投げる。
投げた剣からは付喪神の陰と陽が現れナイフを弾き飛ばす。
「なるほどな。確かに使う時間は0秒だ。だが、それはあくまで準備の時間じゃないのか?」
「くっ! 《奇術「ミスディレクション」》!」
大量のナイフとクナイ弾がユイに降りかかる。
しかしユイは、軽く身を傾けて弾幕を避けた。
「素晴らしい弾幕だ。だが、少しばかり軌道がきれいすぎるな。《神骸「八岐大蛇」》!」
ユイもお返しとばかりにスペルカードを発動させる。
8つの軌道を描いて大玉、クナイ弾、蝶弾が咲夜の周りを囲う。
「時よ止まれ!」
咲夜は懐中時計を取り出すと時を止める。
ユイがその一瞬後に見た光景は大量のナイフと炎弾だった。
「《幻世「ザ・ワールド」》」
咲夜が無感情にスペルを唱える。
「スペカの詠唱が遅すぎるんだよ!」
ユイは焦ったようにナイフを避ける。
「陰、陽!」
ユイは呼びかけると2振りはユイの手元に戻っていた。
「さて、おたくの能力の方はばっちり見させてもらったし、こっちも能力を使うとしますかね。」
そういうとユイは初めて空中に飛びあがった。
「ようやく空中まで来てくれましたか。できればフェアに戦いのが私のモットーですから。」
「すまん、俺にはそういった『ふぇあ』だとか『もっとー』だとかそういった言葉の意味は分からん。」
ユイの周りに文字が現れる。
「さてと、《古書「古の竜人文字」》!」
文字が魔法陣へと変化し、レーザーを放つ。
「《幻符「殺人ドール」》!」
不意打ちの弾幕に咲夜は焦った様子でスペカを唱える。
「すまん。それ、ただの囮だ。」
上からユイの声が響く。
見ると頭を逆さにしたユイが咲夜を見下ろしていた。
「まさか囮弾幕で被弾しかけているなんてことはないよな?《魔天演武「堕天剣 氷柱落とし」》」
ユイの周りに文字が現れる。
次の瞬間、文字たちは氷の剣となって咲夜に降り注いだ。
「まさか…そんな…!?《時符「プライベートスクウェア」》」
次の瞬間、時間が凍り付く。
止まった時間の中で咲夜は荒い息を吐いた。
「まずい…」
簡単に息を整えてからゆっくりと氷柱を避ける。
「こんな化け物…能力がないと碌に戦えませんよ…」
そんな愚痴を呟きながらユイの上を取る。
「少し卑怯になってしまいますがお許しください。」
咲夜はナイフをユイの背中、丁度心臓部に突き立てた。
「そして時は動き出す。」
その言葉と共に時間が解凍される。
「グッ!」
突然の痛みにユイは呻くが、それを無視してユイは空中で回転すると踵で咲夜を蹴る。
「なっ!?」
驚いた咲夜は受け身も取らずにそのまま壁に叩きつけられた。
「なんで…!?」
「逆になんで最初からこれをしないのか不思議だぜ。その気になりゃあ俺の首を0秒で掻き切ることも可能なのにな。」
ユイは器用にナイフを抜くと放り投げる。
「戦いに美しいもくそもあるか。勝負とは言ったが弾幕勝負とは言われとらんよ。」
そういうとユイは手に持った陰と陽を咲夜に向かって投げた。
双剣は咲夜の頭の横ぎりぎりに突き刺さる。
「さて、お前さんには3つの選択肢がある。1、ご主人に泣きつく。2、負けを認める。3、まだ戦う。さて、どれを選ぶかな?」
ユイは咲夜に選択肢を用意した。
「…そうですね、今の私では時を止めてもあなたを倒すことは出来ないでしょう。この際2番を選びたいところですが残念ながらお嬢様がそれを許しはしないでしょう。」
「ふむ、それで?」
「結果的に私には3番しか選択肢がないんですよ。1番を選べばお嬢様に何をされるか分かったものではないので。」
「そうかい。」
それを聞くとユイは大量の文字を出現させた。
「それじゃあ、お前さんの為にさっさと終わらせてやろう。」
文字がナイフに変わる。
「さしずめ《欺符「ザ・ワールド」》といったところかな?」
ユイはそういうと指を鳴らした。
ナイフが咲夜に向かって飛び出す。
「《幻象「ルナクロック」》!!」
ナイフに被弾する寸前で咲夜は叫んだ。
波紋状に広がった米弾がユイのナイフと相殺する。
次の瞬間、ユイが見たのは青と緑のナイフだった。
「ほう、だが…無駄だ。《竜麟「Absolute shield」》!」
鱗弾がユイの周りを桜のように舞い、ナイフと相殺する。
咲夜は少し離れたところで片手を庇いながら立っていた。
「左腕が折れたか…あとで治してやるよ。」
「苦し紛れのスペルでしたが…まだ戦えます。」
「そりゃ結構。」
そういうとユイは一瞬で咲夜との間合いを詰める。
「ッ! 時よ止まれ!」
再び咲夜の周りで時が止まる。
しかし、後ろを向くと黒い刃が咲夜を待っていた。
前には黄金色の刃、更に足は咲夜に膝蹴りを喰らわせようとすぐそばまで接近していた。
「……。」
咲夜は諦めたように目を閉じると時を再生した。
「チェックメイトね。」
レミリアの声が響く。
咲夜はぐったりとその場に崩れ落ちた。
「お疲れさん、ほれ。」
ユイは咲夜の左腕を取る。
その瞬間、さっきまでの痛々しい腕が何事もなかったかのように元の位置に戻った。
「…ありがとうございます。」
「いいってことよ。」
ユイはそういうと何処からか瓢箪を取り出すとそれを一息に煽った。
「うん、やっぱり日本酒だとか吟醸だとか焼酎だとかそういうのが俺的にはしっくりくるな。」
そんなことを1人呟きながら納得しているとレミリアがユイのそばに降り立った。
「私の秘蔵のワインは貴方の口には合わなかったかしら?」
「いんや、あれはあれで美味しかったぜ。でもそんな上品な柄じゃないってことだ。」
「そうね。上品じゃないならうちのメイドをあそこまでコテンパンにはしないものね。」
「そうだな、上品な奴は自分では戦わず常に部下にそういうものをやらせたがる。」
レミリアの皮肉にユイも同じように皮肉で返した。
それが気に食わなかったのかレミリアが目を細める。
「何が言いたいのかしら?」
「いい趣味してるなって思っただけさ。」
「それは自殺願望かしら?」
「彼女持ちである以上まだ死ぬ気にはなれないな。」
「そう? すぐに殺してくれと懇願するようにしてあげるわ。」
レミリアが異様に長い爪をユイの喉元に沿わせる。
第二幕が始まろうとしていた。
多少ジョジョっぽかったかな?
サウザンドナイフ…だが無駄だッ!




