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傭兵(学生)王子は修練中2

ハチミツ祭りにクリサがハチミツ戦士で出る。

しかもソラリス・ジエルキスと一緒に…。


鍛練場に恋慕わしいクリサの姿がありました。

ハチミツ戦士の鍛練に金属の柄杓を振り回しているようです。


振り回されてるのはクリサのほうですよね。


「ギーデルさん、それじゃ転ぶよ。」

ジエルキスがさりげなくクリサを支えた。

「ごめんね。」

クリサがかわいく謝った。


だめです、クリサ、男はみんな狼です。

私を含めて。


「クリサ、手伝いましょうか?」

私はそっとクリサの反対側に立った。

必死でクリサは柄杓を持ち上げようとしている。

「グーレラーシャ先輩、邪魔です。」

ジエルキスが私を鋭く見つめて言った。

「ジエルキス君、私はただ、クリサが怪我をしないように…。」

私はあまりのジエルキスの目のするどさに言葉をつまらせた。

「ギーデルさんは闘神様から試練を与えられました、先輩が手伝えるのは、王族としてしっかりと見ることと傭兵学校の生徒として樽輿を担ぐことだけです。」

ジエルキスがそういって私を引き離した。


筋は通っている。

通っているのですが感情は別です。


「リオレウス先輩、私、大丈夫です!」

気合いだけは充分でクリサは私を見上げた。


ああ、あの桜色の唇が私を煽る。


抱き上げてどこかに囲いこみたい。

誰にも見せずにあの唇を堪能したい。

こんなこと思ってるなんて知ったらクリサは逃げるでしょうね?


再び柄杓をふるいだしてクリサはまた柄杓に振り回された。


鍛練用の短いズボンから見える足が眩しい。


「リオレウス、樽輿担ぎの打ち合わせだ。」

傭兵学校ハチミツ祭り実行委員会のエルティウス・ヤミィールが迎えにきた。

槍学科の親友で身長が高い。

「…仕方ないですね。」

クリサの魅力的な足がよろけるのを見ながらため息をついてあるきだした。


「エルティウスの伯母上も傭兵ギルドハチミツ祭実行委員会に入ってらっしゃるのでしたね。」

私は廊下を歩きながらエルティウスを見上げて言った。

「サイシャさんのことか?伯母上とか言うと三俣槍(トライデント)でつかれるぞ。」

エルティウスがそういいながら会議室の扉を開けた。


なかには手練れな雰囲気の傭兵ギルドメンバーとまだまだな傭兵学校メンバーが集まっている。


あの特に長身なエルティウスによくにた女性が伯母上なのだろうか?


「あら、若い子が増えたわ。」

エルティウスの伯母上が微笑んだ。

「いいわね、若い子は。」

隣に居るのも楚々としたでも隙のない女性だ。

「学生を襲わないでくださいよ、サイシャさん、イリディアさん。」

傭兵らしい体格の良い男性が言った。

「大丈夫、見てるだけだから。」

サイシャさんがそう言いながら他の学生たちを見回した。

「いくら男日照りだからって若い子を…。」

さっきの男性が言ったところで小刀が飛んでテーブルに刺さった。

「手が滑っちゃったわ、ごめんなさい。」

イリディアさんが微笑んだ…目は笑ってないですね。


女性は怒らせない方がいいみたいです。


「…ま、まあ、今年のハチミツ祭りですが、ランダーネフ花国からのハチミツは出来が良いとのことです、ラーキャの花の蜜の順調に採取がすすんでいるそうです…樽輿のほうは…。」

気を取り戻して男性が大型通信機に情報を映した。


ハチミツ祭りの樽輿は全部で三台でる。

若年組は傭兵学生が成人組は傭兵ギルドの本職の傭兵が、ランダーネフ産のハチミツを満載した樽とハチミツ戦士男女二名を乗せて午前午後と練り歩く、乗ったハチミツ戦士は例の柄杓よりもっと装飾されたもので集まった人にハチミツをかけて健康と幸運をばらまく。


最後の一台は神官が担ぐ、乗るハチミツ戦士は王族の未婚の男女で樽の中身は貴重なラーキャの花の蜜だ。

それを闘神レファルト・ディレウスの神殿にばらまいたり守護の女神トゥーセリアの祠にばらまいたりその他神々の祠や神殿でばらまくのでそのあたりはもちろん見物客が多いけど…朝早いので起きるのが大変なんです。


「こちらのハチミツ戦士はコルディウス・ゲルアシュアゼとサイシャ・ヤミィールです、学生の方は特訓中だそうですが…大丈夫ですか?」

傭兵ギルドの男性シレネイアスさんが言った。

「…微妙です…まだ、クリサ・ギーデルの方が振り回されてます。」

エルティウスが腕組みした。

「あら、そうなの?ギーデル飴店の娘さんよね。」

イリディアさんが言うと女性陣があの飴屋が美味しいだのこのハチミツ菓子がいいだの雑談しだした。


どうでもいいんですよ、私は。

それよりはやく打ち合わせをおわらせてクリサのところにもどりたいんです。

ソラリスと二人っきりなんて危なくてしかたないです。


クリサは可愛いですから、ソラリスの理性が切れたら…。


フフフ、もちろんそんな事になったらこの世からソラリス君を完膚無きまでに消し去ってみせますよ。


「おい、リオレウス、お前、今なにを想像した?こわいぞ?」

エルティウスが振るえた。

「特に何も。」

私はしらばっくれた。


エルティウス…侮れないですね。

表情に出したつもりはないのに…。


クリサ、すぐ助けに行きます。

まっていてください。

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