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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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93話


とりあえずなんか肯定してくれてそうな気がしたので、にこりと笑みを受かべておいた。

遊佐さんの視線がちょっと痛かったけど、山吉さんの目がちょっと潤んでたし、多分問題ないあるよ。



それから本とか全部購入済みって訳じゃないので、全て用意するのは明日になる。

山吉さん達は一晩この町に留まって貰うことになる……という訳でちょっとした歓迎の宴を開催した。


とは言っても山吉さんだけなんだけどねえ。他の人は入れるか分からんし、何より町の人らの反応が怖い。

なのでほぼ完成したけどまだ人が住んでいない家に押し込んで、一晩明かして貰うことにしたよ。

ああ、ちゃんと食事は用意するのでそこは心配しなくても良い。お酒はつかんけどねえ!

何せ越後の人らだし、どんだけ飲むか分からんもん。




「越後の方は酒が強いと聞いていましたが……さすがですね。どうぞ」


そんな俺の心配は正しかったらしい。

盃にたっぷり注いだ酒を山吉さん一気に飲み干しちゃったよ。

しかもむせたりもしていないし、よほどうまかったのか恍惚とした表情を浮かべている。


とりあえずおかわり注いでみよう。

どんだけ飲むのかちょっと気になってきた。


「ありがたき幸せ……このような美味い酒がこの世にあるとは」


「私が造りました」


いえーいとピースしてみたけれど、果たして通じているのだろうか。

まあ、とりあえず目をかっぴろげるぐらい驚いてくれたようではあるけども。


「……我が身のすべては報われたり、もはやいつ果てるとも悔いなし」


ぐっと顎をあげて天井を見つめる山吉さんの頬をつーっと涙が伝っていく。

どんだけ酒好きなの。

遊佐さんも頷くんじゃありません。



「何を言っているんですか……お酒の造り方も広めますから、この先もっと色んな美味しいお酒が出てきますよ?」


「……今この瞬間より、我が命、すべては御子神様の御ために!」


また酒なんかで大げさな……と思ったら、割とガチな目をしていてちょっと引いたのは秘密だ。

もう酒渡しておけばなんとかなるんじゃないかなあっ!




「酒が……」


「年末までに仕込んでおきますってばー」


あのあと山吉さん結局一人で3升飲み干したよ……一人でこんだけ飲むとか、お酒いくら渡してもたりないですねえ……。

お土産に5本渡しておいたけど、自分だけで飲んでしまわないか不安である。


昨日、今日で酒が一気に10本も消費してしまった。

残りの酒も心もとないし、お米収穫したらお酒仕込まないとだねえ……今年も豊作だよ良いけれど。

はたしてどうなることやら。




減った酒瓶をみてむせび泣く遊佐さんを慰めてからしばらく。

もうすぐ収穫だーという秋の昼下がり。三郎が俺のもとを訪ねてきた。


「三郎? なに、お腹空いたの?」


ふんふんと鼻を鳴らしながら、俺のおやつである蒸しパンに興味津々といったようす。

ホットケーキミックスで作ったやつだけど、結構いけるんだよね。


「遊佐さんからダイエット中って聞いているから、少な目だよー」


ちょっとだけちぎってあげると、三郎はその丸い体から想像できない速さ……でもないな。

のたのた。ぽよぽよ? そんな感じで近づいてはぐはぐと蒸しパンを平らげる。


「お腹空いてたぬきはもうダメです。みたいな顔してもダメだよまずお腹ひっこめなきゃ」


普通に遊佐さんからご飯貰ってるでしょーに。

これ以上太ると病気になりかねないし、今までみたいにひょいひょいと食べ物を上げる訳にはいかない。


その辺は遊佐さんも認識していて、遊佐さんも三郎の食事には気を使っているのだ。

今日はちょっと甘やかしてしまったけれど、今後は心を鬼にしておやつを上げるのは止めないとだねえ。


ま、ある程度やせたら頑張ったねーってことで、何かあげようか。

それぐらい飴があっても良いだろう。





「おかしいな。前より丸くなっているぞ?」


「そ、某はちゃんと量を減らしておるぞっ」


お主、やりおったな? と視線を向けると、慌てた様子で首をブルブルと振り身の潔白を訴える遊佐さん。


あやしい。




「……町のみんなからご飯貰いまくってるじゃん」


「ぬう」


あんまり否定するもんだからちょっと三郎の行動を確認してみます? と追跡を開始してみると、道行く人みんなから貰ってるんじゃないかってぐらい食い物をねだっては食べまくっている。


ごめん、遊佐さんのせいじゃなかったね!

そりゃ痩せるどころか太るに決まってるよ。



「しゃーない。しばらくこれ首掛けておきなさい」


イヤイヤする三郎の首にかけたのは『減量中につきおやつをあげないください。遊佐、御子神』と書かれた大きめのネームプレートだ。

三郎は割と頭は良いので、外したらご飯抜き取だよと言っておけば外すことはないだろう。


これで一月もすれば多少痩せるんでないかなー。




「変わってないー! というかちょっと丸み増してる!」


「むう」


結局『内緒だよ?』とか言っておやつあげる人が増えただけで意味なかったねえ!

……こうしてしばらく三郎のダイエット経過は続くのであった。


まあ平和でなにより!

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― 新着の感想 ―
動物のお医者さんで首輪抜けしてご飯もらいに行く犬の話思い出した、寄生虫入ると痩せるけど健康的ではないからなー
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