58話「お城見学」
本日の更新お休みです(´・ω・`)仕事オワラン
遊佐さんのそんな顔はじめてみたな。
兄君がめっちゃ笑うのこらえてますよ。
「ちょっとした冗談にて候」
「御子神殿ぉ!??」
遊佐さんの反応がつぼにはいったのか兄君は顔を伏せたまま震え、そのまましばらく顔を上げる事はなかった。
兄弟仲良さそうでなにより。この時代だと割と珍しいんでなかろうか。
まあ遊佐さんはこの通りの性格だし、兄君もたぶん……たぶん良い人。
腹黒そうなところがちょっとあるけど弟には甘そうな気がするねえ。
「さて、本来であれば道中大変だったでしょうしゆっくりお休み頂いて……と考えておりましたが」
数分後。
復活した兄君は何事もなかったかのようにそう話すと、顎に手をあて俺と遊佐さんを交互にみて軽く首を傾げた。
「元気そうですね」
「一刻もかからずに着いたのでな」
遊佐さん前半死んでたけどな。
俺も運転してはいたけれど短時間なので疲れてはいない。
なのでぶんぶんと頭を縦にふっておく。
「それでは予定を変更して……そうですね。少し城を見て回りましょうか」
「……良いのですか?」
これは地味に嬉しい提案だぞ……七尾城ってかなり有名どころな城だよな。
今は城跡しかないけれど、上杉謙信が攻めきれなかったとか、確か眺めがすっごい良いとかなんとか見た覚えがある。
城って軍事機密とかありそうだから、あちこち歩き回るのは……キャンピングカーで突撃しておいてなんだけど、無理だと思ってたからさ。
本当にいいんかな。リップサービスとかじゃないよね??
「勿論です」
兄君はそういって笑みを浮かべる。
ちょっと目が細いからうさん臭いけど、とりあえず言質とったぞー!
とりあえず遊佐屋敷の探検とー、隣のなんか広場っぽいところチラ見して。
キャンピングカーで突撃しようとしていた温井屋敷だっけ? あそこは……ちょっと入れてくれないかもだな。
本丸? もっとダメじゃないかな。
「その代わりと言ってはなんですが」
むむ?
やったぜと喜んでいたら油断してた。そうだ、この兄君は腹黒かも知れんのだ。
なんだろう……一体何を要求されるんだ。
「あの不思議な乗り物を少し拝見してもよろしいですかな?」
「勿論です」
なんだーそんなことか。
腹黒いとか言ってすまねえ……キャンピングカーで良かったらぜひ見ておくれ。
なんなら兄君乗せて山駆けまわっちゃうぞ?
遊佐さんは屋根かな。
そんな訳で屋敷に外に三人で出てきたのだけど。
「眺めがすご……素晴らしいですね」
うっかり素が出そうになった。
来た当初は人に囲まれてたし、城壁に登るわけにもいかないしで、景色楽しむことなんて出来なかったんだけど……眺めかなり良いな。
本丸からではないけど、遊佐屋敷からの眺めも十分すごいと思う。
ちなみに今俺がどこにいるかというと、遊佐屋敷の壁の上だったりする。
ほら、なるべく高いほうが眺めは良いし許可もくれたしね? なら登るっきゃないよねと。
まあ……ちょっと四方から視線を感じるけど、そこは気にしないでおこう。
「本丸からの眺めはもっと素晴らしいですよ。ぜひ一度見て頂きたいものです」
「……登ってみても良いんです?」
屋根の上に乗ったらもっと景色良いかなーとか考えたら、兄君からぜひ本丸からの景色を眺めてほしいと提案? があった。
本丸に登っても良いのだろうか。
あの高いところなら、現代の写真でみた景色より凄いのがみれそうだけど……。
許可くれるとうれしいけどなあ?
屋根登ってみたいなあ。
「ええ、少しなら構いません……ああ、ただ今日は建物内には入れませんので、そこはご承知おきください」
登りたいと視線で訴えたら許可貰えた。
やったぜ! 建物内には入らないから安心してほしい。
「ありがとうございます!」
ひょいっと城壁から飛び降りて、本丸のほうに視線を向けるが……これ一度外にでて遠回りしないといけないか?
…………まあ飛び越えればいいか。
「ではちょっと登ってきますねー」
遊佐屋敷から本丸までは結構な高低差がある。近寄って見上げるとちょっとした崖みたいになっている……これぐらいなら問題なさそうだ。
とりあえず崖に向かい走り、ある程度近寄ったところでしゃがみこんで、猫の様にバネをためて……一気に跳ぶ。
景色が一気に変わり、本丸の屋根が足元に見えた。




