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転生先は戦国時代でした。ただそろきゃんして、おいしくウィンナー食べたいだけだったのに  作者: 熊ごろう


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15話「お米がないなら作ればいいじゃない」

もらったお金を持て余していると、こちらをじっと見つめる遊佐さんの視線に気が付いた。

こう、凄く何か言いたいことあるけど、うまく切り出せないとかそんな感じの視線だ。


「遊佐様も何か用事が?」


「あ、いや……うむ。実はな」


そんなに見られたら聞かぬ訳にはいかない。

すると遊佐さんは周りをちらちらと気にしながら、ごにょごにょと話し始めた。



「え、あれもう全部食べたんです?? あ、でも10日もあれば無くなるか……」


遊佐さんの話を要約すると、この前もらったお米おいしかった。

いっぱい食べたらなくなってしまったので、売ってくれないだろうか。以前の米も決してまずいと言う訳ではないのだが、あれを一度味わってしまうと……と言うことだった。


いっぱい食べたらそりゃなくなるよ。

という突っ込みはおいといて5kgはあったから結構持つかなって思ったけど、それって俺基準で考えたらだった。

俺の場合は毎食お米を食べる訳ではなく、パンや麺類も食べる。


それに対して遊佐さんは毎食お米……雑穀も食べるだろうけど基本はお米だろうし、そりゃなくなるわな。


……と思ったんだけど。


「一族郎党にふるまったら1食でなくなったと。そりゃそうですよ……」


あたりまえじゃろがい。

遊佐さん一人でもそんなに持たないだろうに……まあ、そんなこんなでお米がなくなり暫く我慢はしていたものの、ここに来て次は何時また会えるか分からない! となり今に至ると。


お米ねえ……少し安くなってきてはいるけれど、それでも結構高くてねえ。

少量ならともかく、結構な量が必要となるだろう。そんな量確保するとなると俺の生活がまともに送れなくなるので、遊佐さんには申し訳ないが食う分を買って渡すのは無理だな。


「遊佐様一人分なら何とかなりますが、そういう訳にもいかないですよね?」


「やはり難しいか」


いや、そんなしょんぼりされましても……。


うーん……いずれやろうかなってと思っていたけど、いきなりは無理だなと選択肢から外していた事があるんだよね。

それをやれば米については何とかなるんじゃないかなと思う。

自分が食う分もきっちり確保できる……はず。


ただなあ、うまく行くか分からないし、自分の食べる分だけならともかく大量にとなると……ひとりじゃ厳しいよなあ。


「……米作りは本格的にやるつもりじゃなかったからなあ」


「……人手があれば可能なのだろうか? 御子神殿が良ければこちらで全て手配いたすが」


ぼそっとつぶやいたつもりが、しっかり聞こえていたらしい。

遊佐さんが手配してくれるのならとても助かるけど……それでも色々課題は残ってるんだ。


「種もみはこちらで用意できますが、おそらく作り方自体を変えないとあの味になるかは……」


実はね種もみって買えるらしいのだ。

しかも消毒済みのやつ。


値段もそこまで高くないし……本当は苗を買ったほうが良いんだろうけど、あっちはお値段がちょっと厳しい。

なので種もみ多めに購入して育ててお米をがっつり確保しちゃおう。と、そんな甘い考えである。


課題としては、肥料も用意しないといけないだろうということ。

あとは田んぼの形とか、何かね現代とやりかた色々違うらしくて……この時代の農家さんがそれを受け入れてくれるかというと、疑問符が浮かんじゃうね。


出来たとしても、こちらでお金を出すからと人手をかりて、小規模で試しに作ってみる……ぐらいじゃないかなあ。


いろいろ難しそう。

遊佐さんも何か察したのか、あ~……って感じの表情浮かべてる。



「……近いうちにまた顔を出すので、その時にまた詳しく話させてほしい」


先送り、良し!

今日だけで決めるのは難しいから、それが良いと思います。

色んなところで話を聞いて、それからやらんと上手く行かないだろう。


……いや、ここは戦国時代だ。

こう、偉い人の権限を持って……ダメだ、下手にやって一揆の引き金でもひいたら洒落にならん。

やはりここは穏便にいかねばなるまい。


遊佐さんとはあとでよおっく話合おう。そうしよう。



それはそうと、結構な時間経ってしまったな。

全員泊めた上で食わすほどの食材はないので、お土産もたして帰ってもらうことにしよう。


とりあえずお米炊いてっと……一人2合で計10合かな。

一気に米がなくなるねえ。


炊いている間に冷蔵庫から具材を取ってこよう。

ちょいちょい買いだめしたのでいくつかあるのだ。


「む、にぎりめしか?」


「ええ、皆さんの帰り道用にと」


「かたじけない!」


お握り作ると分かった途端に元気になりおったよこの人。

まあ美味しいからしかたないね!


具は鮭フレークと昆布の佃煮、あと梅干しだよ。

どれも美味しいよね。



てか、あれだな。

キャンピングカーに出入りしているところ見ているはずなのに、みんなキャンピングカーについて聞いてこないのは何でなんだろう。

めっちゃちら見しているから気になっているのは確かだけどさ。


でも、こっちから話をふるのはそれはそれでめんど……いや、手間なので。

これだと意味変わらんな。


まあ、説明しないで済むなら良しとする。

たぶん変わった家ぐらいの認識でしょ。おそらく。



「そんな訳で、おみやげのお握りです。一応皆さんの分……外の人の分はありませんねどうしましょ」


外の人のこととかすっかり忘れていたね。

ここに近寄れない人らだから、忘れていなくても作らなかったかもだけど。


ただこの5人はおにぎり食べてて、それを他の人がどう思うかとか色々と問題起きそうな予感もする。

どうしたもんか。



「……ここで食べてしまえば良いのではなかろうか?」


悩んでいると遊佐さんがそれでいいのかって感じの意見を出してきた。

でも周りの人も『それは確かに』とか『良い考えですな』とか反対する人は皆無だった。


なんだろう。実は仲が悪いとかなんだろか。

なんか楽しくなってきたからお味噌汁もつけてあげよう。インスタントのだけど。


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