唱えろ、OOな呪文!
受験で更新できなかったのだよ。
ここに、やっと書ける喜びを。
それではどうぞ
「世界の精霊よ、全てを癒せ―――デッド!デストロイ!ブレイク!バルス!!」
足の折れた屋台は時間を巻戻すかのように元に戻っていく。
「おお、スゲー……そんでもって何で呪文の中身が破壊の言葉ばっかりなんだよおお!!」
「ほほほ……不思議なモンじゃのう……」
ルイを感心(?)の目で見る2人。
「あれ?まだおじいさんいたのか」
「ほほほ……おでんを1ついただいていくとするかのう?」
そんな中、勇者の呪文は状態固定の文へと入る。
「ZAGI、ZAGIZAGI、ZAGIZAGIZAGI……」
「一撃必殺の呪文!?しかもあたらずイラついてるのか!?」
「……世界の精霊に感謝を―――ZAGI」
「精霊が死んでる気がするよ!!」
そんなこんなで屋台も直り、やっと開店できそうだった。
「よし、おじいさんサービスするよ!何がいい?」
「そうじゃのう……牛スジと卵でももらうかのう?」
「よし、ちょっと待ってくださいね」
発泡スチロールの器を取り出し、お玉で卵をすくい、牛スジを引き出す。
汁とともに器に入れ、からしを隅につけてやれば注文の品は完了だ。
「はい、おまちどお!」
「おお、すまんの」
おじいさんは割り箸で1口、卵を食べる。
「おう、おうおうおう、おうおうおうおうおうおうおうおうおう……」
「!?」
席からおじいさんはらしからぬ勢いで立ち上がる。
「おうわおうわ、おうわいわいわい♪」
そのままおじいさんは去って行く。
たまごから
したたりおちる
夢の味 byおじいさん
「……ルイ、何かしただろ、しただろ!したな!したんだな!!」
「ちょっと、え?何もしてないよ?冤罪だ、僕に罪はない!」
「うおおおおおお!!!!おじいさんの仇ぃ!!」
「ちょおおおおおおおい!!!!だから僕は無実だあああ!!」
そして、この日2回目のリアル鬼ごっこが始まる。
……リアル鬼ごっこは、日に30分じゃなかったっけかな?
天に近いおじいさんの意識はそんなことを思っていたそうな。
さあ、みんなで唱えよう!
「デッド!デストロイ!ブレイク!バルス!
ZAGIZAGIZAGIZAGIZAGI…」