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後編
骨粗しょう症の真紀子ばあの骨折はなかなかよくならない。
今までのように家での一人暮らしは無理、ということになり施設に入った。
タカシがつきっきりというわけにはいかない。仕事がある。
施設でもアイちゃんは一緒だ。
真紀子ばあの話し相手になり、
「元気になったら、海に行きましょうね。」
などと言って励ます。
すっかりおとなしくなった真紀子ばあは、最近はあまりしゃべらない。
前みたいに人の悪口も言わない。
アイちゃんを取られるかと、近づく人を警戒していたのが嘘のようだ。
おとなしすぎる。
認知症が進んだみたいだ。
それでもアイちゃんは、真紀子ばあの肩に乗っていろいろな話をする。
真紀子ばあもときどき笑っている。
アイちゃんをなでながら。
真紀子ばあとアイちゃんは、今日も窓際の景色を眺めながらゆっくりとした時間を過ごしている。
そんな穏やかな時間も終わりが来る。
真紀子ばあの容体は急に悪化した。
タカシが病室に駆けつける。
だが息子のことはもう認識できない。
「この人だれ?アイちゃん?」
真紀子ばあは、冬の寒い日に天に召されていった。
アイちゃんは、センターに報告する。
「ご契約者野田真紀子様、ご逝去です。
活動を停止します。」
アイちゃんは、今真紀子ばあの写真の横に動作を止めて置かれている。
いつまでも真紀子ばあの隣にいる。




