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剣帝と呼ばれた一兵卒  作者: もやひと
アグムルーベ街道戦
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工作

 さて、作業はそれなりに大変だったが、そのうちに人が一人、余裕を持って入れる窪みが出来上がった。

 彼はさらに、そこから横穴を掘りだし、窪みと続く横穴とで人が二人入れる空間をつくった。

 結果から言えばこの横穴は必要なかったが、彼は、戦の中で誰かが崖に激突することを想定し、窪みが露呈した場合も横穴に潜んでいれば見つかるまいと、そういう魂胆だった。

 横穴まで掘り終えた彼は、自身の隠れる窪みを埋めたあとが不自然に映らぬよう、左右の崖を適当に荒らしたり、石をねじ込んだりしておいた。

 また彼は、窪みの対面に位置する自然の岩場へ侵入し、身を潜められる場所が複数あることを認めると、石を拾い、土を集め、窪みの中へ運び込んだ。

 彼はこの石と土を巧みに使い、窪みの内側から壁をつくり、ふたをした。

 壁には覗き穴として、僅かな隙間をいくつか残しておいた。

 こうして彼は、未来の戦地のド真ん中に身を潜め、浅い眠りについた。

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