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潜伏
開戦からの様子は、先に述べたとおりである。
ブラナテラ軍の布陣にパウルスの姿は当然見られず、パウルスが配置された小隊の面々だけは彼の居ないことに気付いたが、どうせ新米が一人、間違えて別の隊にでも紛れているのだろうと、気に留めなかった。
そしてパウルスの目論見どおり、両軍は彼の眼前で衝突した。彼は横穴にうずくまり、その気配を感じ取っていた。
そのうち戦いが進むにつれ、ブラナテラ軍は後退していく羽目になり、戦地は次第に彼から遠のいていった。
やがてパウルスは戦地が離れたことを悟ると、その身を横穴から窪みへ移し、息を殺して覗き穴から外の様子を伺っていた。
そこへ通りがかったのがリーベルタ軍の大将と親衛隊が四名。
その者が敵軍の大将であることは、その装いと立ち振る舞いから察することができた。
パウルスは、危険を冒すことなく敵軍大将を討ち取ることができるであろうか、考えを巡らせた。




