脅威
かくして、カエロヌ大公国は滅亡し、その領地はスクドゥマ王国が支配するところとなった。
ときに、スクドゥマ王国とカエロヌ大公国の戦争、そこにはあるひとつの背景があった。
それは、遥か遠方にて勃興し、各地を侵略、日々その勢力を増大させる、ある国の存在――。
――名は、ウェナジオ帝国。
それは、圧倒的武力にて、その近隣諸国を瞬く間に壊滅へと至らし、それらの領土を吸収、拡大。
その侵略の手は、近く、スクドゥマやカエロヌまで及ぶであろうことは、想像に難くない状況であった。
そのため、スクドゥマ王国、そして今は亡きカエロヌ大公国――彼らは、その脅威に備え、自国の勢力圏を、無理気味にでも拡大しようとした。
それが先の戦争であり、また、ブラナテラ王国がスクドゥマ王国に積極的な支援を行ったのも、その事情を意識してのことだった。
ところで、過日、ブラナテラと戦争状態にあったリーベルタ。
そこでは、この四年間で内情が大きく変化していた。
民衆はリーベルタ王室の統治へ不満を募らせ、革命が勃発。それにより、王族、貴族はその身を追われ没落。
さらにはその国の体制も刷新され、リーベルタは、君主制から共和制へと――つまり、リーベルタ王国は、リーベルタ共和国へと、その形を変えていた。
そんなある日、ブラナテラ王国へ、リーベルタ共和国からの使者が訪れた。
――それが、すべての始まりだった。
■あとがき
いつも本作をお読みいただき、ありがとうございます。
これにて第七章『ナゥラ攻城戦』編は完結。
次回より新章に入ります。
次章から、いよいよ強大な敵が登場します。
それにどう立ち向かって行くのか。
引き続き、お楽しみいただけますと幸いです。




