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連絡係
初め、エンリクス小隊の前には立ち塞がる敵の姿も無く、進軍は順調だった。
が、パウルスはどうにも嫌な予感を覚えていた。
ところどころで、建物の上に人が見え隠れしている――そして恐らくは、こちらの動きを観察している――。
それが気のせいでなければ、つまるところ、それは、連絡係の存在――いずれ極めて高い確率で、何かしらの仕掛けがある――。
そんなパウルスの胸中をよそに進軍は続けられ、ある曲がり角に差し掛かろうかというとき、エンリクス小隊は、そこで初めて敵の部隊と相対した。
槍と魔術の混成部隊。数はそれぞれ10名の、計20名。
「詠唱ッ!」
魔術士の一人が声を上げた。
なるほど、敵は剣術小隊の先遣を予測しており、槍で牽制しつつ魔法による撃退を試みようと、そういう肚か。
だが、効果が高い魔法ほど、長い呪文の詠唱を必要とする。
そしてリーベルタの槍兵10名に対して、エンリクス小隊は17名。
相対する槍使いが余程優秀でもない限り、詠唱完了より早く、数に任せて押し切れる――。
隊長エンリクスと隊員全員の見解は、言葉にせずとも一致しており、エンリクスは声高に号令を掛けた。
「突撃ぃッ!」




