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剣帝と呼ばれた一兵卒  作者: もやひと
アグムルーベ平原戦
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筋書き

 素人集団による長槍隊との正面衝突。これはパウルスが想定していた状況のうちにあり、このケースにおいては、『衝撃(ショック)』にて懐へ飛び込み、近接戦闘にて対応する。これが最も安全で、すなわち生存率の高い立ち回りだろう――。

 これがパウルスの事前に描いた筋書きであり、果たして事はその通りに運ばれた。

 かくして左翼の防衛隊を失ったリーベルタ軍は、正面での戦闘に加えて、側面からもテオドルス率いる実力派の剣術小隊に叩かれ、瞬く間にひとつ、またひとつと、部隊は崩壊していった。

 ちなみに安全と生存が第一のパウルスだが、長槍隊を撃破した後は、言ってしまえばサボっていた。

 彼はテオドルス小隊に付いていき、弱そうな敵兵を見つけてはつば競り合いを仕掛け、手負いの味方を見つけては大丈夫かと声を掛け、まあ何となく色々やっている風を装いながら、安全そうな場所を行ったり来たりしていた。

 さて、全局へ目を向けると、ブラナテラ軍は左翼側でも健闘していたらしく、その包囲作戦は絵に描いたような成功を見せていた。

 そして間もなく、リーベルタ軍は降伏した。

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