表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

×千寿ー04(順応)

「あ、そうだ。聞こう聞こうと思って、ついつい忘れていたんですが、」


「んー?」

ダルそうに、机に突っ伏す千寿さん。完全に俯いてしまっている、聞いても大丈夫なんだろうか。


「あの、聞いてもいいですか?」


「ちゃんと聞いてるから大丈夫よー。」

手を頭の上でひらひらしながら言う。



「あのですね、最初はそんな感じじゃなかったですよね?」


「何て?」

のそりと顔を上げる千寿さん。


「いえ、ですから、最初はそんな風じゃなかったですよね?」


「何が?どういう風に?いろいろ略しすぎよ?」


「………最初は、何ていうか、もっとしっかりしてたというか、喋り方も今とは違いましたよね?」




僕がそう聞いても、しばらくボーっとしていたが、やがて思いついたように言った。

「あーあれね。あれは、まぁ色々理由はあるんだけど。一番大きいのは実験ね。」


「実験?」


「そう、実験よ。」



「…………………」

「…………………」



「あのですね、これも前から言おうと思ってたんですが、会話を区切る場所がおかしくないですか?」


「おかしくは無いわ。きっと。」


「…………それで、実験っていうのは具体的には?」


「営業する時の、話し方の。」


「あ、本気で将来占い師を目指すんですか。」


「…………………喧嘩売ってるのね?それは。」



「いえ、そういう事では。………そ、それより、いくつかって言ってましたが、他にも何か理由があるんですか?」


「そういう話の逸らし方は………まぁいいわ。他には、ちょっとした遊びだとか、あと……」


変な遊びをしないで欲しい。

それより、何でそこで言いよどむんだろう?


「あと?」


「………恥ずかしかったから。」


「恥ずかしい?」


「何で聞き返すのよ!!貴方は!!だから、まだあの頃は、人とどういう風に話していいか分からなかったからよ!!分かった!?」


「あ、はい。」

まだよく分からないです。


「不愉快だわ。出て行って!!」

気のせいだと思うけど、少し顔が赤い。

今のを言うのは、恥ずかしかったのだろうか。



「…………いや、僕はまだ英知に用が―――」


「出てけ!!」





「…………」

追い出されてしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ