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穴を掘ってみたら、ダンジョンに着いた  作者: コネ:ケミ
第五章 ふたりダンジョン
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 二宮邸からの帰り道、二宮さんにメッセージを送ろうとしたら、逆に届いていた。


『うん。元気がないのは知ってる。』


 そうだよな。二宮さんの家に居着いている猫だもんな。俺も報告メッセージを送る。


『無事帰ってきて、二人に報告をしました。長くなるので、今度会ったときに話します。二匹の猫、心配です』


 すぐに返事が帰ってきた。


『無事でよかったです。夕飯時に祖父母から聞くので、たぶん大丈夫』


 すぐの返信ってことは、俺の一人ダンジョンを思った以上に心配していたのかな。


 たしかに口伝のこともあって、ダンジョンには一緒に行くようにじいさんから言われていたのだから、今日俺から聞いた話も夕飯時の話題になるよな。




 猫のことは心配だったが、その日の俺の寝つきはめちゃくちゃよかった。


 それはそうだ、地上の五倍量近くの活動をダンジョン内でしたのだから。疲れていたんだ。身体に嘘はつけません。





 翌木曜日。今日も天気がよさそうだ。


 学校から帰宅して、ジャージに着替えて二宮邸に行く。

 メッセージでは今日は行けるという話だったので、二宮さんと一緒にダンジョンにもぐる予定だ。


 門をくぐると、二宮さんはすでににジャージに着替えて待っていた。意外だったが、俺はできる男、すぐにこの状況に対応できる。


「ごめん、遅かったかな。待たせちゃった?」

「ちょうど私も準備ができたところ、ピッタリ、って集合時間決めていた?」

「いや、決めてないけど、学校から帰って、なんとなくこの時間ってあるじゃん」

「たしかにそうね。昨日の話は祖父母から大体聞いたから、大丈夫よ」


 二人は息ピッタリか? それにじいさんばあさんと仲がいいんだな。


 と思っていたら、二宮さんは少し浮かない顔をした。


「猫なんだけど……実はあの二匹、ミケからチカラをもらっていて、二匹で分け合っていたみたいなの。それってあの子たちにとっては呪いのように作用するんだけど、ミケが生きているときは抑制が効いていたみたいなんだ。だけど、いなくなってコントロールが効かなくなっちゃったのよ……どうにかしてあげようと思っていて……それで、取り除くことができそうなんだ……」


 そんな事情があったのか。二宮さんは猫のチカラがあるから、きっとそれで解決できるアテがあるのだろう。


「よかったよ。サバトラと茶トラ、なんかグッタリ気味で心配してたんだ。まさか、ミケのせいで具合が悪くなっているとは思ってもみなかったよ」


「まだちょっと予断を許さないんだけど……どうにかなるかな」

 少し不安そうな表情だ。


「二宮さんならきっとうまくことが運べるさ。大丈夫」

 俺の二宮さんへの信頼は大きい。だって、俺より強いからね。


「そうだね。みやじくんがそう言うんならいいかな」

 俺のことばで元気が出てきたようだ。よかったよかった。


 二宮さんがプレハブの鍵を開けて、梯子を降りる。俺も続いて降りると、使わないであろう短刀を肩からハスに掛ける。


「スライムは朝の運動でもう片付けたのでもういないから。転移陣は確認済み。こっちよ」

 二宮さんがズンズン歩いて行く。


 迷路は日によって変わるのに、走り回ったんだ……

 俺の頭のマップももうお役御免になっている……悲しい……


「今日はスライム何匹いたの?」


「三匹だからメダルは三枚増えた」


「俺が、メダル、持っておくよ」

 俺はできる男、こんなところでも気を遣う。


「ダメ。持たせると一人で行こうとするから。これからは必ず私も行く。だからメダルは私が管理する」


 えっ? 一人ダンジョン禁止?






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