15
リベルトside
ソイツに狙いを定めた。
そして攻撃をこちらから仕掛けた。
一向に体勢を崩さねぇからだ。
だが、何一つ傷をつけることは出来なかった。
全て避けられているのは分かったが、
何故だ。見落としていることがあるのか?
「あぁ、楽しかったぞ。リベルト。お前とはあちらの世界の住人だったなら…きっと手を取り合っていただろうな。」
突然、訳の分からないことを言ってきやがった。
「あ?意味わからねぇことをゴチャゴチャ言うんじゃねぇ!」
「そうだ…俺を楽しませてくれた御礼として餞別を渡そう。」
「あ…!?」
ソイツは、俺の腕を容赦なく切り落とした。
どうやって切り落としたのか分からねぇ。
見えなかったからだ。
「ぐぁああ”あ”あ”あ”あ”あ”っ!!」
痛みに声をあげた。
なんだコイツ。俺と同じ人種か?いやそれ以上なのか?
何一つ分からねぇ。
「その武器が餞別だ。お前にしか扱えない…第2の剣となるだろう。そうだな…その剣の名は…漆赤の龍神とでも名付けておこうか。」
漆赤の龍神だと…?
俺の足元に龍が描かれた刀…日本刀が落ちていた。
そして、腕の痛みも消え…元に戻る。
「さらばだ。」
ソイツがそう言った時には
餓鬼に、瞳が戻っていた。
「はは…リベルトさん。どうもありがとう。克服出来たよ。」
「さっきからなんだテメェは!!」
「さぁ、これで最後にしよっか!!」
餓鬼は、
黒い漆黒の剣を携え真上に飛び上がった。
「ウォラァァァァァ!!!!!」
餓鬼は、赤い何かを纏わせ殺してやるという目をしていた。
そうだ。俺はこれを待ってたんだよ。
アイツのことは気にかかるが今は気にする場合でもねぇ。
「次こそは生かさねぇ!」
足元から刀を拾い、足に力をこめ、上へと跳躍する。
俺の全てをその一撃に───。
───────
────
アレンside
”怖いか?死ぬのが怖いのか?”
あぁ、怖い…死にたくない。
”何故だ?前のお前なら死ぬ事なんて怖くなかっただろう?1度死んでいるのだから”
そうだ。だけど、怖いんだよ。
死にたくないんだ。
俺…今がほんとに幸せなんだ。
友人なんて出来なかったけど、親友と思える仲間が出来て…
前の俺にはなかったモノが手に入ったんだ。
失いたくない…というより、死んでしまったら…
”それはただの欲だ。己の欲しいものを手に入れたいという欲だ。”
あぁ、そっか。これは欲か。確かにそうだ。
俺に欲なんてものがあったんだ。
”お前の力は覚醒していない。まだその時ではないからな。”
力…?覚醒?
”だが、今回だけは…手を貸してやる。”
誰かは分からないけれど君が?
”そうだ。怖いものなどない。俺が助けてやるんだ。全力で闘え。己の成したいことの為に。死を恐れるな。お前の力は不安定であり絶対的存在だ。”
でも怖いものは…
”怖いか?別にそれで構わない。怖いものは怖いでいい。ただ、諦められるものなのか?お前のその欲は。”
諦めたくない。
”そうだろう?何もせず諦めるより、やるだけやる。それがお前だろ?俺はお前から学んだんだ。”
あぁ、そうだね…こっちに来てから、そうだった。
やれるだけやらないと。
ありがとう。誰だか分からないけれど…。
”さぁ、行け。時間は稼いだ。次で決めろ。”
─────
───
長い間…夢を見ていた気がする。
でも、不思議と怖くなかった。なぜだか分からないけど。
自然とこんな言葉が出ていた。
「はは…リベルトさん。どうもありがとう。克服…出来たよ。」
「さっきからなんだテメェは!!」
分かっていないけれど、わかっている。
矛盾しているけれど…俺の心が何かを覚えている。
さぁ、終わらせようか。
俺の全身全霊をかけて───この一撃で終わらせる。
「さぁ、これで最後にしよっか!!」
俺は、真上に飛び上がった。
「ウォラァァァァァ!!!!!」
「次こそは生かさねぇ!」
リベルトさんは、手に刀を持ち…雷を纏わせる。
いつの間に…あんな刀を…まぁどうでもいいか。
彼は高い身体能力を使って、俺へと向かってくる。
俺は拳に赤い何かを纏ってそこへ、力を最大限に注ぐ。
これで全ての勝敗がつく。
俺とリベルトさんの拳が交わった瞬間──。
ドガァァァァァン!!!!
ビリビリビリビリ!!!!!
シュゥイイィンン!!!
「「ぐふっ…!」」
鈍い音ともに、俺もリベルトさんも、
ゆっくり…スローモーションのように倒れる。
なんとも呆気ないものだ。
あぁ…あちこちが痛い。
色々骨折しているようだ。
「リベルト…さん…やっぱ…り強い…ねぇ…」
「ま…さか…こんな…ことに…なる…とは……な…」
こんなに冷静な会話をすると思わなかった。
「俺……リベルト…さ…と…戦え…て…よかっ…た…」
「……テメェ…の…強さ…認め…てやらなく…もねぇ…」
あのリベルトさんが、俺を認めてくれた?
そんな嬉しいことある?
「はは…それはう…れし…な…また…殺りあおうね…?」
またなんて、ないかもしれないけど。
「…………ちっ…酒…と葉巻…がほしい…な…」
「おじさん…みたい…」
「まち…がってねぇ…」
貴方に出会えて、俺は…少し変われた気がする。
「ふっ…あり…がと…リベルト…ん…。ランプ…まじん…元ある…べき…姿に…戻せ…」
俺は最後の力を振り絞って呟いた。
そこで 、俺とリベルトさん2人揃って同時に気を失った。
手にはそれぞれの愛刀となる武器を携えて。
─────
───
ネロside
「アレン!!嫌ッ!!そんな!!」
リベルトさんと戦い始め暫くしてから、
アレンの様子がおかしくなったのです…。
そうして今…殺されようとしている。
また…そんな…嫌よ。もう、もう!!これ以上は!!
そしてリベルトさんが武器を彼の心臓へ突き刺そうとしました。
私は絶望と恐怖に…陥りました。
けれど。
「あれ…は…」
そう私は、知っている彼を。
あの無表情で感情を伴っていない彼を。
「ネロ!!」
「はい?!」
突然、ラッセルに声をかけられ思考が止まりました。
「なんで泣いてんの?」
「え?」
いつの間にか涙を流していたみたいです。
「なんでもありません。」
「何でもないわけないやろ?」
「いえ、本当に何も無いんです。」
「そう…か…悪かった。」
「なぜ謝るんですか?心配して下さってありがとうございます。」
そんなやり取りをしていたら、
「あ!!私の王子様が勝つんだから!!」
その言葉が耳に入ってきて目の前を見てみれば…
いつの間にか、2人は大技を繰り出していました。
そして、私たちは無の空間に閉じ込められていました。
あぁ、この力は…彼のモノ…。そんな考えを振り払うほどの光景が目に飛び込んできました。
とても幻想的と言いますか、
そう…二人の拳が交わった瞬間─────
爆音、爆風、光が合わさり…目も開けれないほどでした。
全てが無となった時…やっとの思いで目を開けてみれば…
2人は向かい合い立っていました。
その数秒後、2人は同時にパタリと倒れ…約1分も経たないうちに───何かがモコモコと出て来てこう言いました。
「最後の願い叶えてしんぜよう。」
私達は、皆光に包まれ暖かい何かに包み込まれるような感覚と共に意識は、穏やかに落ちていきました。
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〖番外編 コウside ~リベルト達が遺跡探索中の頃~〗
アレン達が空からやってきて驚いたのもつかの間、
ドクターは、アレン達を部屋へ案内した。
「ねぇねぇ、コウその可愛い…男の子は誰?」
席に座った直後、アレンはボクの隣にピッタリとひっいている
小さな男の子に釘付け。
「えっと…この子は…リオン…。」
「へぇ……」
アレンはニヤニヤと顔を歪ませている。
気持ち悪い。
「何が言いたいの。」
「んー?懐かれたんだなぁ?って。」
「…………」
あえて答えない。
「まぁ、そんなに綺麗な子がいるんだね。」
そう…彼は…真っ白な長髪で…耳は
ペタンと垂れ下がっている。
「真っ白な可愛い兎さんだ。瞳の色もピンクがかったムラサキ…とても綺麗だ。男に対して…綺麗って言いすぎかな?」
「……そ、そんなことはない…」
「それは良かった。」
にこりと微笑むアレン。
……なんなんだこの空気…。
そうボクは分かっていなかった。
最後まで知ることは無かった。
そんな気まずいような、甘いような謎の空気になったとき
ラッセルが、ある物に目をつけた。
「あれ、なんや??」
「あ、オリガミのこと?」
「オ…リガミ…??」
「うん!オリガミ。あれ、リオンが作ったんだよ。凄いよね。手先も器用だし…機械の修理だって出来ちゃうんだ。」
「あぁ…そうだね。優秀な子さ。」
ドクターも絶賛している。
「へぇ……それはエジンと気が合いそうだなぁ。助手兼…こ…ゲフンゲフン…になりそうだね。」
こ??こってなんだ??
「まぁ悪魔で俺の想像と妄想と1つの道に過ぎないしね。」
なんて独り言を呟いている。
そう、その後…彼がエジンという少年と意気投合することを
ボクは後々、知ることになるのだった。
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アレンside
「うっ……」
俺は目を覚ました。
あれ?なんでこんな所で倒れてるんだ…??
そうそう、トラップに引っかかって…俺達バラバラに
なったんだった。
そこで何か、違和感を覚える。
「なんか…大事なことを忘れているような…。」
でもなんだろ…この温かいというか、
さっぱりというか、満足な気持ちは。
よく分からないけど…そう、唯一の戦友に
会えた事があるみたいな。
感情??
いや俺…前世でそんな人に出会ったことすらないし、
そもそも他人と関わるのが嫌だった時点で
そんな思いなんて分かるはずもないんだけど。
とりあえず…
覚えてはいないけど…心の奥底でちゃんと覚えている…
感じがする…。何をとは言えないけど…。
さてと…張り切って探索行きますか…!
みんな無事なハズなんだ。この目で見たんだから。
ん?この目で見た?よ、よくわかんないな…見たことないのに。
あ…っ?!
「…リ…ベ……」
名前ももう…思い出せないけれど…確かに俺は
別の世界で色んな人に出会って…
何かを見つけたんだ。
何かは……俺の心が知っている。
さぁ…改めてこの世界を全力で生きようじゃないか。
〖コラボ完〗




