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決戦準備

「親父!親父はいるか!」

「どうしたんだ、ツクモ。そんなに怒って」

執務室をノックもせずに勢いよく入り、机に乗って仕事に戻っていた親父の首もとを掴みかかる。

リリンを医務室の医者に頼んだ後、今回の作戦において利用しなければならない駒たちを調達しに来たのだ。

「ど、どうなされましたか!?」

「『失せろ!』そして『扉を閉じろ!』」

「……畏まりました」

部屋で親父の仕事を手伝っていたゼパルが俺を排除しようとしてきたため命令を出して部屋の外に出して扉を閉めさせる。

これでもう、誰にも聞かれる事はない。

「ツクモ、その力は……」

「今はそんな事どうだって良い。要件だけ話す。……ブリストが誘拐された」

「なっ!?」

「下手人は暗殺者ギルド残党。明日の零時に暗殺者ギルド支部(・・・・・・・・)で取り引きされる。救い出すために兵を出させろ」

驚きを隠せないでいる親父の首もとを離して机から降りて説明する。

今回の作戦で必要になってくるのは人員だ。親父に嘘をついてでも(・・・・・・・)作戦に参加させる(・・・・・・・・)

「暗殺者ギルド……!潰れてなお、我らの首もとに刃を当ててくるか……!」

「暗殺者ギルドの連中を拷問した際に言っていたがこの都市の暗殺者ギルドは支部だ。そのため、暗殺者ギルドの本拠地はどこにあるか不明だ」

「拷問だと……?一体、何をして……」

「時間が無かったから体を紐で拘束して体の端から少しずつナイフで皮を削いでいった。その際、出血しないように皮膚を焼いていく。拷問したら汚い涙を流しながら答えてくれたよ」

「……………」

「ふん!」

「なっ!?」

再び机に登り、俺の言葉に唖然とする親父の顔面を拳で殴り付ける。

「一々驚くな。今はそんな事をしている暇はない。それで、答えはどうする」

「……分かった。城の兵士を総動員して事に当たる」

「ありがとう」

俺の思惑通りに事を進ませて貰って。

実のところを言うと、俺は既に暗殺者ギルドの本拠地を知っている(・・・・・)。だが、それを利用するためには、親父らは外に出てもらわないと困るのだ。

何せ、いざとなれば暗殺者たちは城内の人間全員を殺すことが出来るからだ。それだけは回避しなければならない。

「だが、ここまでツクモが本気になるとは……」

「俺はあいつを護ると誓った。なら、俺は誓いを果たさなければならない」

そう言い終えると俺は部屋から外に出る。

さて、次は武器の調達だ。武器がなければ俺はあいつらに勝つことが出来ない。


「(失礼する)」

俺は小声で言いながら兵士たちの武器庫に入っていく。

ここには兵士たちの武器がある他、戦争で相手から奪った武器が放置されている。ここから武器を盗んだほうがその後の効率が良い。

「……取り敢えず、使えそうな物を装備していくか」

適当に放置されていた体にナイフ、針などの暗器を仕込んでいく。

何故暗器ばかりを持つかと言うと、この体では重い物を持つことは可能だが、相手の方が力が強い以上体よくあしらわれるのが落ちだ。そのため、暗器のような軽い物のほうが使い易くて手数を多くできる。

「うん、これは……」

暗器を袋に積めていくなか、俺は一つの武器としては似つかわしくない物を持つ。

使い方は……成る程、勇者どもの知恵か。だが、となると相手は……。

「いや、そんな事を考えている暇はないか」

それを懐にしまい、武器庫から出ていく。

これらを使えるように整備をしなければならない以上、時間は足りなくなるだろう。


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