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束の間の休息と賭博

「ちっ……まだ体が痛いな」

翌日、俺は庭で体を少し動かして体の僅かな痛みに少し顔をしかめる。

兵士たちに聞いた所、俺が去った後に火は衛兵たちに消し止められたらしく、俺が殺した奴等以外に死者は出なかったらしい。

だが、俺は完全に犯罪組織に喧嘩を売った。

これは俺個人の闘いだから周りを巻き込みたくないが、恐らく相手は周りを巻き込んでいくだろうな。

ちっ……相手が動く前に殲滅しないといけないようだ。傷が治り次第再びスラムに入って犯罪組織を潰しに行こう。手を出される前に潰せば問題ない。

『まだ仕事はありますよ』

『ぎゃあ~~~~~~~!』

あの悲鳴は親父だな。親父は執務室で火事の後処理をしているし、多分ゼパルに飛んでもない量の仕事を任されてしまっているのだろう。

本も読みきってしまったし何か暇潰しが出来れば良いのだが……この世界、そう言った娯楽の類いが元の世界に比べて多く無いんだよな。俺の知っている遊びは基本的にパーティーゲームだから一人では遊べ無いんだよな……。

「そうだ!無いのなら創ればいいんだ!」

名案とばかりに声をあげ、衛兵たちの詰め所に向かって走っていく。

無いのなら創れば良い。そして、そう言った道具は衛兵たちが持っているもんだ。暇潰しの道具としては中々良いじゃんか!


「お、皇子何を作っているのですか?」

兵士に簡単な作業着を借りて資材置き場から木を借りて道具箱から幾つもの道具を取り出す。

「ちょっとした遊びを作ろうと思ってね」

見守る兵士に笑みを返すと、木を薄く切っていく。

この体、手先も極めて良い。思ったように手先が動いて創造通りの物が作れる。

「ほ、本当に何を作っているのですか?」

「トランプだよ」

二時間ほど経過して、均等に切られた五十四枚のカードを作り出すと、見守る兵士の質問に答える。

トランプなら俺でも簡単に作れるし、遊び方を複数ある。使い方によっては賭け事にも使える。紙で作っても良かったが……紙では耐久性に欠けるからな。

それに、木の方が真っ直ぐだからな。こっちの方がやり易い。

「トランプとはどんな遊びですか?」

「うーん……基本は柄会わせだよ。四つの柄ごとに一から十三の数を割り振ってその柄や数で競うんだ」

「賭け事に使えそうですね」

「そう言った遊び方も出来なくはない」

ブラックジャックにポーカー、バカラと賭け事に使われる遊び方も多い。

「―――と、こんな感じの遊びが出来る」

「それでは、少しこれで遊んできてもよろしいでしょうか」

「……構わない」

遊び方を教えると、兵士はカードを持って他の部屋に行ってしまう。

さて、トランプ以外にも遊びを作りますか。時間も多くあるし、今なら色々作れそうだ。


「「「「いょっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」」」

「「「「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」

……隣、楽しそうだな。少し見に行くか。

「お前らちゃんと遊んでいるか?」

「お、皇子!この遊び、皇子が考えたのですか!?」

「そうだが?」

「最っ高に面白いです!」

作業を止め、隣の部屋を覗くと兵士たちが俺が教えたポーカーで大にぎわいしていた。

良くみると遊んでいる奴等以外にもどっちが勝つか賭けをしているようだし、バカラとポーカーの遊びを混ぜたような遊びをしているようだな。

「それなら良いが……こう言った賭け事は無かったのか?」

「カードを使った遊びはありませんね。基本的にダイスを使った丁半ですね」

ダイス……サイコロを使った遊びか。それなら、こう言った遊びもあるぞ?てか、丁半があるのか。少し変わっているな。

「それなら『クラップス』と言う遊び方も出来るな」

「何ですかそれは」

「丁半と似て非なる遊びだよ」

丁半も偶数か奇数かを賭けるが、クラップスは更にそれを高度化、複雑化させたような物だ。

「―――――と、こんな感じだな」

「ダイスでもこんなに複雑に出来るのか……!」

クラップスの内容を説明すると、兵士たちが尊敬の眼差しでこちらを見てくる。

悪い気はしないが……まあ、遊ぶのはこいつらだし、俺が関わるのはこれくらいにしないとな。

「それじゃ、俺はもう一つの遊びを作るのに取りかかるから戻らせてもらう」

「「「「ありがとうございます!!」」」」

隣の部屋に戻るだけでそこまで深く敬礼されては困るのだが……。

「……久し振りですね、皇子」

「えっと……確か前に私に組み手で負かされた人」

「ホルンです!ホルン・サントノレですよ!」

俺の肩を涙目で掴んで上下に揺らす。

目ーがーまーわーるー。

「それで、何のようだ」

「……その怪我は何でしょうか」

涙を拭い、跪きながら話すホルンの言葉に僅かに動揺する。

こいつ、俺が痛みが無いように振る舞っていたのに気がついたのか……!?朝来た親父やブリストでも気がつかなかったのに!?

「どうかしたのか?私には怪我は」

「いえ、私は生まれつき相手の体の不調が分かるのです」

「……少し木にぶつけてな。それで怪我をしてしまったのだ」

「分かりました。では、私は部下たちと共に賭けをしようと思います」

息を吐くように嘘をつくと、あっさりと騙されて賭博が行われている部屋に入っていく。

さて、俺はちょっと頭を使う遊びを作ろっと。


「ツーペアだ!」

「ふっふっふっ……私はロイヤルストレートフラッシュだ!」

「「「「ちくしょおおおおおおおおおお!」」」」

「「「「やっぱ凄いです、姐さん!」」」」



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