温かいピザ
月の軌道の内側に入り段々と影響が出始めてきた。
地球の管制との通信も不安定となり、地球からのナビゲーションはもはや期待できない状況だ。Ⅱのエネルギー値も1~2%の変動が発生している。
「ビー、調子はどう?電子頭脳に影響は?出てない?」
「ニャウ、ウナー」
(あったりまえ。ボクは優秀なんだから。)
「お父さん。手筈は整った?」
「おう。任せときな。全ての手順マクロ化したぞい。後はタイミングに合わせてボタンを押すだけじゃ」
「そう。二人ともここまでよく付いてきてくれて、ありがとうね。」
「もう今しかタイミングが無いわ。脱出船に移動してちょうだい。」
「ウナウア、ニャン」
(うん、じゃあねライザ。)
「あいよ、じゃワシャ行くぞい。」
二歩進んだところで、振り向く二人。
「ニャーム、ニャニャ」
(って、んなわけあるかーい)
「お前さん気は確かかい。」
「ニャムニャム」
(ボクがいなくてどうするつもり?)
「ライザ一人じゃ操作しきれんじゃろ」
「二人ともありがと!実は一人で操船して、ガイドパイプの操作して、ってどうしようかと思ってた。」
ペロッと舌を出す。
「もうこうなったら一蓮托生じゃな」
「ニャンニャン」
(ボクがここに居るのもライザのおかげ!)
切羽詰まった状況でも笑い合う3人。
Pi-Pi-Pi-地球から入電。
「お母さん。レオです。シローが計らってくれて、Ⅱ局で状況を見ています。さっきギルバート博士とも話ができました。お互い同じようなことを考えているみたいです。」
「レオ…」
「…お母さん。政府や軍に阿らず僕達の意見を信じてくれて、感謝しています。お母さん。地球から応援しています…。」
「レオ、もうすぐ帰れるわ。また一緒に温かいピザを食べましょう。」
「うん、待ってるよ。お母さん。」
温かいピザが食べられるのは、間もなく、か。




