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信長英雄記〜かつて第六天魔王と呼ばれた男の転生〜  作者: 揚惇命
3章 タルカ侵攻作戦

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38話 蠢く者

 ロー・レイヴァンド率いるタルカ攻略軍が行動を開始して直ぐ、サブロー・ハインリッヒの元にアヤメが報告に訪れる。


 アヤメ「サブローの読み通り、敵に動きがあったようだよ!トガクシの皆んなが各自で好戦を開始したって、おっとうじゃなかった頭領から連絡が」


 サブロー「であるか」


 マリーを母に強奪された直後、モリトキの妻であるチヨメがアヤメを護衛に推薦してきたのだが。

 やれやれ、ワシと気安い仲とはいえ、部下の前で呼び捨てにされるのはな。

 まぁ、これでもこの通り普段は気配を消せるだけ、有能ではあるがな。


 サブロー「してアヤメよ。密猟者の腕はどの程度じゃ?それもワシの読み通りか?」


 アヤメ「えーっとね。それはサブローの読み違いかな」


 ワシが読み違える程の敵か……ふむ思いのほかモリトキが苦戦しているというところか?

 ならば、こちらからも応援を送るべきところか。


 ジャガ「なぁ、シノビのねぇちゃん?それはどっちの方の読み違えだ?サブロー様のことを知る俺としちゃ読み間違えるなんて早々無いと思うんだが」


 テキーラ「うむ。殿はここまで一つも読み間違えたことはない。それほどの手練れが向こうに?」


 アヤメ「あ!違う違う!サブローの読みよりも相手が馬鹿だったというか。協力してくれたドワーフのおっちゃんを見ただけで、何の警戒もせずに突撃してきたみたいで、あまりの馬鹿馬鹿しさに全員お縄にしたみたい。アハハ。流石、おっとうだよね」


 ん?

 それは、良いことだな。

 何だ神妙な顔をするから敵に手練れがいるのかと思ったではないか。

 しかし、アヤメは一益と蘭を足して2で割ったようであるな。

 甲賀で育った一益は、甲賀の国人衆の1人であり、諜報活動に一日の長があった。

 あぁ、一益というのは、ワシが本能寺で死ぬまで仕えておった滝川一益たきがわかずますのことじゃ。

 あやつとの出会いはな。

 尾張にて有能なのを募兵していた時に出会った。

 滝川の姓は尾張では珍しくなかったゆえな。

 生まれを聞けば言葉を濁しながら尾張の海西郡だと言い切りよる。

 これは何か裏があると思って独自に調べてみたら甲賀の国人衆だったわけじゃ。

 やれやれとあの時は肝を冷やしたが一益自身は有能であったどころか武士として生きたいというのがその目から伝わってきてな思いを汲んでやった。

 恩を感じたのか諜報活動では、ワシに有利な情報をもたらし、鉄砲の扱いを伝授してくれた。

 ワシが心配ないと言うのに権六の動きを見張るために妹を嫁にもらったりとかな。

 ワシが信忠の次は孫の三法師じゃと言うと率先して、世話を焼いた。

 あやつが居れば孫は無事じゃろう。

 まぁ、虎視眈々と禿げ鼠に利用されないならばじゃが。

 まぁ、ワシが死んだ時まだ2歳の赤子には気の遠くなるような話じゃろうて。

 まぁ、信忠の後をしっかり継げるとワシが目をかけた孫ゆえな。

 ちなみにワシの跡は信忠以外には無理じゃ。

 皆、利用されて潰されるのが目に見えておる。

 ふむ。

 もう少し、従軍させてせめて身を守る術ぐらいは教えてやるべきじゃったか。

 まぁ、死んだ後に考えても仕方のないことじゃ。


 アヤメ「そうだよねサブロー。うんうん。わかる。ごめんね。読み間違いさせちゃって。でも、それは頭領として完全復帰したおっとうが優秀なだけだから!そう気を落とさないで」


 ふむ。

 何やら、アヤメに励まされているようじゃがモリトキが優秀なのは言うまでもないこと。

 ワシは、何かに秀でている優秀な者が好きじゃからな。

 しかし、この短時間で簡単に釣られるとは。

 ドワーフから逃げ足の速い1人を囮役として借りていて良かった。

 そのお陰で、奴らの足は潰れた。

 後は、森を燃やしてエルフを炙り出そうとしてる馬鹿を止めれば、防衛は完了じゃな。

 母よ。

 この勝負、ワシがもらった。

 と思っていたのは今より10日前の話じゃ。

 あれから敵の動きが全く無い。

 よもやこちらの動きがバレたとでも言うのか?

 どうやら、向こうの頭は馬鹿ではなかったと褒めてやるべきか。


 レックス「サブローの旦那。この敵の動きは何か匂うぜ。俺がマジカル王国に居た時のデビルファイアの動きじゃねぇ。まるで、こちらの粗を探してるかのような不気味さがある」


 リリー「レックスの言う通りね。ひょっとしたら1人も密猟者を戻らせなかったことが何かを感じさせたのかも知れないわ」


 2人の言うことも最もじゃな。

 やれやれ、1人や2人見逃しておくべきであったか。

 いや、こちらはドワーフという切り札を切った後じゃ。

 危険が及ぶような賭けはできんな。

 やれやれ、あまりの馬鹿さ加減に処理を命じたがこれが奴らの作戦だったとしたら厄介じゃな。


 ジャガ「なぁ、サブロー様。一つ提案なんだが。向こうの動きはこちらから筒抜けなわけだ。それが全然動かないってことは、アイツらもしかしてタルカにいる仲間の動きを気にしてんじゃねぇか?だとしたらこちらから仕掛けてみるのも面白いかも知れねぇと思ってよ」


 ふむイモの言うことにも一理あるか。

 流石、バッカス卿が騎士爵から男爵に推薦する程の出世頭じゃな。

 まぁ、ワシも貴族制度が悪いとは思わぬ。

 それを悪用する屑どもが悪いだけでな。

 にしても、タルカの動きを警戒しているとは、まさか奴らの思う通りの動きではないと言うことか?

 ふむ、危ない橋を渡って、こちらが甚大な被害を受けるのは避けたいが、ここはイモの提案に乗って奴らを釣るのも良いか。


 サブロー「であるか。イモよ。思う通りにやってみよ。このサブロー・ハインリッヒが許可しよう」


 ジャガ「お、おぉ」


 驚いた返事にバッカス卿だけでなくアヤメやレックスたちもちゃちゃを入れておったな。

 ここまでお読みくださりありがとうございます。

 ブックマーク・良いね・評価してくださいますと執筆活動の励みとなりますので、宜しくお願いします。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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