第3話
side・楠木秀正
着替えると言ってその場を後にした。いきなり戦国時代に飛ばされたと聞かされて、頭は混乱しているが彼らが嘘をつく理由もない。ネットやその他のライフラインが停止しているのだからおそらく真実なのであろう。そう言うことならばあれを着ても問題なさそうだ。
side・剣丞隊(剣丞、ひよ)
秀正が少しすると出てきたのだが俺はとても驚いた。なぜなら、軍服を着ているからだ。しかも胸もとには勲章が付けられている。それに軍刀も持ってるし、あのホルスターには拳銃が入ってるはずだ。
「どうだろうか、中々良いだろう?」
「似合ってるな、ところでその軍服とかはどうしたんだ?」
「屋敷の元の持ち主が保管していたものを私が着れるように調整したんだ。これで、私もドイツ軍将校みたいだろう?」
「俺と秀正ってサイズ大して変わらないよな?出来れば俺も来てみたいかも。」
「安心しろ、まだ他にもあるからな。だが、それよりも今は挨拶に行くのが先じゃないか?」
「確かに、遅くなったら久遠とか怒りそうだからな。良し、行くか。」
「案内は頼むぞ。」
「任せてくれよ!!」
俺は秀正を久遠のところへと連れていく。清州の街では秀正の恰好などから町人らの視線をものすごく集めていた。城に入ってからもそれは同じだった。
「久遠、今帰ったよ。」
「お帰り剣丞、そっちの者は何者だ?」
「あの屋敷に住んでいる人、名前は楠木秀正って言う。」
「楠木秀正と申します。どうぞ、よろしくお願いします。」
「ふむ、見たことをない恰好をしておるが楠木と言うことはそなたは楠木氏の一族の者か?」
「いえ、おそらくは同姓なだけかと。」
その後も久遠は秀正に容赦ない質問攻めを浴びせかけていた。服の話や生まれたところ、住んでいたところなど色々だ。話が終わると秀正も剣丞隊の一員に組み込むと久遠が言ってきた。反対する理由もないし、秀正もそれでいいと言ってきたので喜んで迎え入れることになった。
side帰蝶
「本当に大丈夫なの?」
居候の剣丞が突然屋敷を出ていくと言った。住むあてはあるのかと聞いたところ秀正の屋敷に行くよと言った。秀正って誰よと思ったが、どうやら剣丞と同じ未来から来た人らしく楠木秀正と言うらしい。清州の街の外れに突如現れた屋敷を持っている、私はあったことがないけれど。そう言えばさっきから屋敷の外が騒がしいけど何かあったのかしら?
「剣丞、荷造りは終わったか?」
「わざわざありがとう秀正。だけど、何もないんだ。」
「え?何もない?家具とか服もか?」
「ない。俺が持ってるのは刀だけなんだ。」
「あー、なるほど。それじゃあ、車で来た俺が馬鹿だった。」
「え、車で!?」
「そうだぞ、どうせ来るんだから乗っていくか?」
「勿論だよ!!」
さっきから剣丞と親しそうに話しているのが噂の楠木秀正ね。確かに、どことなく日ノ本の人ではない感じがするわね。それに剣丞と同じで変わった服を着ているわね。後、車って何のかしら?
「あ、紹介するよ。彼は楠木秀正、剣丞隊の新しい一員さ。彼女は久遠の妻の帰蝶。」
「楠木秀正です、以後お見知りおきを。」
「こちらこそ、よろしく。」
あら、話していたら久遠まで出てきたわね。秀正はなぜか先に出て行ったわね。一緒に帰るはずなのに。
「・・・またな、かな?」
「うむ、またな。」
「たまには遊びに来なさいよ。」
そう言うと剣丞は出ていくのだが、それと同時轟音が響いていた。何事かと驚いて外に出て見ればそこにはなんと表せばいいかわからない乗り物みたいなものがあったわ。
「すごいな、これ!!」
「ドイツ軍が使ってたキューベルワーゲンだからな。安心していいぞ、運転には慣れてるから。」
「さすが秀正だな!!じゃあ、久遠またね。」
「う、うむ・・・」
久遠や私が困惑しているのをよそに剣丞達は行ってしまったけど、あれは何なのかしら?




