↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『盾を捨てろ、ぶっ飛ばせ! ~不遇スキル「シールドバッシュ」の無双英雄譚~』  作者: まーサンタ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/20

第十九話:圧倒的な格差と、冷徹な分析

「……決闘か。いいだろう、受けてやる」

激昂し、剣を剥き出しにして迫るレオンに対し、シードは驚くほど落ち着いた低い声で答えた。怒りや動揺の色は微塵もなく、その瞳にはかつての気弱なサラリーマンの面影は一切なかった。ただ静かに、圧倒的な実力差を理解した者の冷徹な余裕だけが宿っている。

「おい、マジかよ……」 「相手はあの特級だぞ。レオンの野郎、正気かよ……」

周囲の冒険者たちがどよめきながら、面白半分、あるいは呆れたような目を向けながら、地下の訓練場へと移動する人の波ができた。

地下の広大な石造りの訓練場。 その中央で、レオンとシードが向かい合って対峙した。

「ふざけやがって……! 運よくいい装備を手に入れたからって、調子に乗りやがってぇっ!!」

レオンは金切り声を上げながら、怒りに任せて無茶苦茶な乱撃を叩き込んできた。剣閃が乱れ飛び、鋭い斬撃の嵐がシードへと殺到する。 だが――。

カーン! カンッ! ガァンッ!!

シードは一歩も引かず、背負っていた漆黒の魔楯『オーガ・ガーディアン』を軽く構えただけだった。レオンの必死の連撃は、まるで子供が木の枝で叩いているかのように、すべて完璧に受け止められ、いなされていく。隙だらけの軌道は、シードの卓越した戦闘センスによって難なくすべて捌かれてしまった。

「はぁ、はぁっ……! な、なんでだ……! 当たらねぇ……っ!」

息を切らせるレオンの動きを、シードは冷ややかな目で値踏みするように見つめ、淡々と口を開いた。

「レオン。お前の悪い癖は、相変わらず自分の実力を客観視できないことだ」 「なっ……なにを……!」 「お前はリーダーでありながら戦術眼がゼロだ。アイリスの魔法の射線も考えず突撃し、ガルドの力任せの我流をいなしもせず、リネットの索敵報告も気分で無視する。パーティーが崩壊したのは俺が抜けたからじゃない。お前自身の指導力のなさが原因だ」

図星を突かれたレオンの顔が、怒りと屈辱で真っ赤に染まる。 「だ、黙れ……! 黙れ黙れ黙れぇっ!! お前ごときに何がわかる!」

怒号とともに、レオンは持てるすべての魔力を全開にした。 「うおぉぉぉおっ! スキル発動――『身体強化』、『スラッシュ』ッ!!」

レオンの全身が闘気で包まれ、渾身の力を込めた必殺の縦斬りがシードの頭上から容赦なく振り下ろされる。かつてのパーティーなら、この一撃を避けるか、シードが身を挺して受け止めるしかなかった技だ。

しかし、シードは動じない。 今のシードにとって、レベル82の肉体からすれば、レオンの全力攻撃などスローモーションのように遅かった。

(……手加減、しとくか)

シードはほんの1割程度の力だけを右腕に込め、ただ静かに、最小限の動作で魔楯を突き出した。

ガァンッ!!!

激しい衝撃音とともに、レオンの必殺の『スラッシュ』は、一瞬で完全に相殺された。いや、それどころか、シードの楯から放たれた圧倒的な反発力が、レオンの身体ごと剣を丸ごと盛大に弾き飛ばした。

「ぐわぁっ……!?」

派手な音を立てて、レオンは地面を何回転も転がり、訓練場の端の壁に激しく激突して崩れ落ちた。

「がはっ……!」

起き上がろうとするが、手元の剣は折れ、全身の気持が完全にへし折られている。 レオンは信じられないものを見る目で目を見開き、悔し涙と混じった絶望の表情で叫んだ。

「な、舐めてるのか……! なんでだ……お前ごときが……! 本気でこいよ、このクソ野郎……っ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。