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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第12石_アクアマリン

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第75話_初めての討伐パーティー

 リリスールさんとライマインさん、プレシャスと一緒に街を出て森へ向かった。道沿いの畑や田んぼ周辺は街の警備隊に任せるみたいで、ハンターは森の中で魔物退治すると、リリスールさんが話してくれた。


「ライマインが魔物を引きつけている間に、あたいとアイちゃんで魔物を倒すよ。ただアイちゃんは自分の身を一番に考えておくれ。無理しなくても平気だよ」


 リリスールさんは私を緊張させないためか、いつもと同じ話し方で接してくれていた。でも視線は周囲を警戒していてハンターの顔をしている。手には杖を持っていていつでも対応できるようにしているみたい。


「できる範囲で頑張るね」


 宝石魔図鑑をしっかり抱えながら答える。


「アイちゃんは軽装だけれど平気かい」


 リリスールさんの顔が心配そうな表情に変わった。そういえば魔法ばかり考えていて、服装までは頭が回らなかったけれど不安にはさせたくない。


「遠くから魔法で倒すから大丈夫だし、プレシャスもいるから心配ないよ」


「アイ様はわたしが守ります」


「頼もしい使い魔でうらやましいさ。さっそく魔物が来たよ。ライマイン」


 私に話しかけながらもリリスールさんは周囲を把握していたみたい。私には分からないけれど、近くに魔物がいるようだった。


「俺にも確認できた。リーフウルフが5匹と少し多いが、アイは近づいた魔物のみに対応してくれ」


 ライマインさんが両手剣を構えて歩き出す。


「練習の成果を見せるね。水剣アクア、矢車サファイア」


 宝石魔図鑑から基本ルースが出現して、そこから現れた剣と盾を手に取った。剣は水の渦が先端に向かっていて、針のように先端が尖っている。剣を振ると飛び散った氷の粒が残像のように残っていた。


 ライマインさんがリーフウルフの群れに突入して、両手剣を素早く振った。1匹が消滅して流れるような動きで2匹目に向かう。


 リリスールさんは杖を構えながら周囲を警戒していると、2匹のリーフウルフがこちらに向かってきた。


「涼球アクア」


 すでに出現している基本ルースから水の渦が飛び出して、1匹のリーフウルフに向かって命中する。こちらに向かってくるもう1匹は迎え撃って剣で倒した。トリプルボアーを倒せたからか冷静でいられた。


 視線を前方に向けると、ライマインさんも残りの魔物を倒し終わって、こちらに向かって歩き出していた。


「アイちゃんの魔法と動きなら下位魔物程度なら平気そうだね。この調子なら、あたいの出番はないさ。魔石を拾ったら移動するよ」


 リリスールさんの指示で魔石を集め終わると、ライマインさんを先頭にまた歩き出す。先ほどの場所から離れないうちに、すぐにライマインさんが足を止めた。


 木々の間を見つめていて、たぶん魔物を見つけたみたい。


「またリーフウルフが数匹いるが、先ほどと同じに倒していく」


 私たちに声をかけたライマインさんが歩き出したので、距離を取ってから後に続いた。私にもリーフウルフが見えて、数を確認すると7匹もいた。


 3匹のリーフウルフがライマインさんに向かって、残りの4匹が私とリリスールさんのほうへ来ている。効率よく倒したいけれど、なるべく接近戦はさけたい。一度の魔法で多くのリーフウルフを倒すべく、魔法を唱える前に水の渦を多く想像する。


「涼球アクア」


 3つの渦が飛び出して独立した曲線を描きながらリーフウルフに向かって、的と考えていたリーフウルフへ命中した。同時に3匹を倒せた瞬間だった。


 残り1匹が近づくので剣を構えると、目の前をリリスールさんが横切った。軽い身のこなしでリーフウルフの攻撃を避けながら、杖を使って攻撃している。何度か杖による攻撃が当たると、リーフウルフが消滅した。


 ライマインさんもすべてのリーフウルフを倒して近くに寄ってきた。このくらいの魔物なら、プレシャスに手伝ってもらうほどではないみたい。


「いつもよりも魔物の数が多いのは上位魔物の影響だろうか」


「可能性はあるけれど下位魔物なら何匹いても平気だよ。あたいも一緒に倒すさ」


 ライマインさんの疑問にリリスールさんが答えた。確認する方法がないけれど、上位魔物からまだ遠いこの周辺にも影響が出ているみたい。それだけ驚異だと、メイティリスが心配だけれど無事を祈るしかなかった。


 メイティリスも気になるけれど、今は私自身が出来ることに集中した。


「リリスールさんの動きがすごくて、接近戦も得意に思えた。私もふたりに負けないように頑張るね」


「杖だと威力が弱いから、街周辺の下位魔物くらいだよ。あたいはアイちゃんの魔法におどろいたさ。同時に個別の3匹を倒すのはすごくて役に立っているよ」


 リリスールさんにほめられて、素直にうれしかった。


「制御がむずかしいけれど、上手く魔法が発動できてよかった」


 宝石魔法は想像して応用が利くけれど、複数魔物を同時に攻撃するには狙いを同時に複数定める必要がある。慣れるまでは数匹が限度に思えた。


「俺もアイの魔法を見たかった。個別に複数を同時に攻撃できるのなら、範囲攻撃の魔法は使えるのか」


 ライマインさんが聞いてくる。


「今までは1匹のみを対象にしていたけれど、次に魔物を見つけたら複数相手に攻撃できるかを試してみるね」


「アイちゃんはすごいよ。まだ時間はあるから森の奥に行くよ」


 リリスールさんの指示に対して、ライマインさんを先頭に歩き出す。森の中を進んでしばらく歩くと、視界が開ける場所に出た。小さな池の周辺でビッグポイズンフロッグを見つけた。


「ちょうど3匹だけのビッグポイズンフロッグがいるから、アイの範囲攻撃を試すにはよさそうだ」


 ライマインさんが目的とするビックポイズンフロッグを指さした。


 私は頷いてから、3匹が入る範囲の大きな水の渦を想像する。


「涼球アクア」


 基本ルースから出現した水の渦がビッグポイズンフロッグに向かいながら、大きな渦へと変化する。大きな渦は上空を飛びながら、ビッグポイズンフロッグの頭上から広範囲の地面へ衝突した。


 水が周囲に弾けてから水しぶきがなくなると、中心部にいたはずのビッグポイズンフロッグの姿はなかった。無事に成功したみたい。


「アイにはおどろかされる。初めて唱えて使えただけではなくて、複数の魔物を一度に倒せるとはギルドマスターが喜びそうだ」


 感心したようにライマインさんが話す。


「魔法になれてきたようだね。アイちゃんの成長が楽しみさ」


「アイ様の魔法には感心します」


 リリスールさんもプレシャスも喜んでくれた。


「上手くできてよかった。でも範囲攻撃は威力がすごすぎるから注意が必要ね。火属性の紅球ルビーを森で使ったら火事になりそう」


 森以外にもダンジョン内での火属性魔法の利用では、威力がすごければ酸欠の可能性が発生する。それでも範囲魔法は有効なので、火属性と水属性以外も機会があったら覚えたい。


 みんながほめてくれて笑顔も見せてくれた。今は魔物退治中だけれど純粋にうれしかった。

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