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女神様に溺愛されたアイは宝石魔法を覚えて、モフモフな使い魔と一緒に異世界スローライフを送る  作者: 色石ひかる
第5石_エメラルド

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第32話_副ギルドマスター

 大柄な坊主頭の男性が私の前で立ち止まって、じっと私を見つめる。


「ほんとうに子供だな。だがコーテリアが認めたのなら自分も歓迎しよう。一人前のハンターになれるのを期待している」


 握手を求められてきたので、おもわず手を出した。大きな頑丈そうな手で何年もハンターをしている手と感じながら、握手を終わりにする。


「私がアイよ。それであなたは誰なの?」


 マイリンさんたちが驚いていないからハンターギルド関係者だと思うけれど、名前くらいは知っておきたかった。


「そうだったな。自分はサンサヌで、このギルドで副ギルドマスターをしている。荒くれ者も多いがみんな気のよい連中だから、いつでも気軽に来てくれ」


「これから頑張るからよろしくね」


「アイの活躍を楽しみにしている。自分は使い魔に詳しくないが、たしかに理性的な使い魔に感じる。コーテリアが興味を示すわけだ」


 サンサヌさんが興味ありげな視線で、プレシャスへ顔をむける。プレシャスが私へ視線を向けたので、私が頷くとカウンターの上にプレシャスが移動した。


「わたしがプレシャスで、アイ様のお世話をしています。アイ様は異国出身のために変わった魔法を使いますが、異国では一般的な魔法なので馴染んでいただければと思います」


 プレシャスがていねいに挨拶した。


「しっかりした使い魔だ。ハンターとして活躍してくれれば、どのような魔法でも構わない。アイはこの街に来て日が浅いのか」


「まだ来たばかりだから、この街にも馴染めるようにしているところよ」


「それならちょうどよい催し物がある。もう少しするとこの街で祭りがあるが、ハンターギルドでは子供向けの武闘大会がある。せっかくだから、アイも参加したらどうだ。同年代との訓練にちょうどよいはずだ」


 この世界にもお祭りがあるのはうれしい知らせだった。武闘大会というと格式が高そうに聞こえるけれど、子供向けの遊びみたいね。


「お祭りは楽しみたいから参加しても平気よ。でも私はハンターだから、普通の子供と一緒に参加しても大丈夫なの?」


「構わない。人数が多いほうが盛り上がるから、自分が申し込んでおく」


「アイは見た目と違って、強い魔法を持っているから少し心配だ」


 ライマインさんだった。私の攻撃魔法を実際に見ているライマインさんだから、魔物を倒す強さだと武闘大会で浮いてしまいそう。


「ローブを使うから、多少強い魔法でも大丈夫だ。自分的にはアイの戦い方を近くで見たい気持ちもある」


「全身に羽織る、あのローブよね。とても攻撃を防げるとは思えないけれど、何か特別な魔法でもかかっているの?」


 魔法に耐えられるので普通のローブではないと思うけれど、どのように異なるのかが分からなかった。


「魔石を利用した広い意味での魔道具と思えば平気だ。自分の武器や魔法の威力を知るために使用する魔道具から応用したローブで、受けたダメージをローブが肩代わりしてくれる」


 サンサヌさんが教えてくれた。


「本人が怪我しないから、子供向けの武闘大会が開けるのね」


 無限にダメージを吸収できないと思うけれど、子供が殴る程度の力なら充分に吸収できるみたいね。蓄積量は分からないから、武闘大会では魔法の威力を弱めにして様子を見たほうがよさそう。


「その通りだ。ダメージの蓄積量で色が変わる仕組みになっているから、どの程度の威力かも分かりやすい。ハンターギルドの訓練場にも同じ仕組みで作った魔道具があるから、アイも新しい武器や魔法を覚えたら試してみてくれ」


「あとで試してみる」


「自分はこれでいなくなるが、ハンターギルドで困ったことがあればマイリンに聞いてほしい。武闘大会の詳細もマイリンに伝えておく」


 話し終わると、サンサヌさんは奥の扉へと消えていった。


「見た目は怖いけれど副ギルドマスターは気さくな人物さ。普段通りに接すれば、アイちゃんなら問題ないよ」


 リリスールさんだった。たしかにサンサヌさんは悪い人にはみえなかった。私を子供としてではなくて、ハンターとして扱ってくれたのもうれしい。


 話が途切れたところで、当初予定していた神殿へと向かった。


 迷うことなく神殿の前に到着すると、神殿は2階建ての石造りでひときわ目立っていた。私服姿の人や白色と青色で統一された制服姿の人がいる。そういえば神官長のタラーキンさんも同じ服装だったと思い出す。


「私服が街の人みたいで、制服姿の人は神殿関係者のようね」


「そうだと思います。今回もわたしは念のために口を閉ざしますので、おかしな発言はくれぐれも控えてください」


「なるべく気をつける」


 神殿の中に入ると、神殿内には外の光が注ぎ込んでいて、色が踊っている雰囲気に思えた。私服の人は同じ扉に向かっていくので、お祈りの場所かもしれない。数人は反対方向へ歩いている。


 リリスールさんからの紹介状を誰に渡そうか見渡していると、知っている人物が私のほうへ近寄ってきた。相手はタラーキンさんだった。

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