14話:レクス君の採掘農業体験
グランドラ山採掘場
「こうか?」
レクスはかなり手加減して作った爆弾で発破し、頑丈な岩を砕いていく。
「おお! 凄いな! 俺らの発破じゃ全然砕けなくてな! 助かったぜ!」
採掘士のリーダーが喜びの声を上げた。
「問題なし。更にあと5m先まで掘削すれば、巨大鉱脈に繋がる可能性がある」
レクスが右腕をドリル状に変形させ、岩肌を削っていく。魔力波ロケーションによって測定する限り、あと数年は掘ってもなくならなさそうな量の鉱脈が観測できた。
「便利な魔術だな! おい、ロアも使えるようになれよ」
「無茶言うなよおやっさん……こんなのレクスしか出来ねえよ」
「それもそうか! がっはっは!」
そうしてレクスが掘り進むと――青白い石が露出しはじめていた。
「おいおい……これミスリルじゃねえか!」
「まじかよ……」
「肯定。鉱物としては有能な素材。魔力伝導率が最も高い素材の一つ」
「こりゃあ当分食うに困らない量がありそうだな。うっし、慎重に掘り進めるぞ! ありがとなレクス!」
リーダーの言葉にレクスが頷いた。
こうしてリンツ村はミスリルの一大生産地になるのだった。
☆☆☆
「アブラナとネギじゃと? そりゃあ、種はあるが……」
「感謝。これで汚染を浄化できる」
レクスはヨルヤから、とある植物と野菜の種を譲ってもらった。
「そんなもので闇汚染を浄化できるのか?」
「肯定。このままでは難しいので……少々改良はする」
「ふむ……まあ君のやる事なら間違いないだろうしの」
レクスは頭を下げて、ヨルヤの自宅から出るとその足で汚染され廃棄された畑へと急いだ。
そこには、アルトが立っていた。
「あ、レクス君。どうしたの?」
「……マスター、ここを使って農業を行いたいが、構わないか?」
「へ? でもここ汚染されているわよ」
「問題なし。まずは闇魔素を除去し畑を耕す」
そう言ってレクスは手を畑へと当てると、土壌からエーテルを吸い取っていく。そのエーテルは当然闇属性の魔素に汚染されているが、あらゆるエーテルを変換できるレクスには問題なかった。
それを土属性の魔力に変え、純粋な魔力波として畑の土壌へと返していく。威力を調整して土を中で撹拌させ、畑を耕していく。
十分後には、畑は種まきするのに十分なほどに耕され、さらに畝も出来ていた。
「……相変わらずなんでもありね」
「更にこれを植えていく」
レクスが手で種を植えていく。その動きは尋常ではない速度だ。
「あはは、レクス君、変な動き。手伝おうか?」
「問題無し。すぐに終わる」
五分後には、アルトの下にレクスが戻ってきた。
「これで問題なし。土壌の質はまだ悪いが、土の魔素を込めたアブラナとネギを植えた」
「アブラナとネギ?」
「肯定。この辺りの植生や気候、農作物から考慮してこのアブラナが最も土壌改善に貢献できると判断。更に種子から採れる油は有用。さらに、土壌汚染の影響を受けにくいネギを植え、こちらは食用に。闇汚染の心配はゼロだ」
「……どこからその知識を?」
「――古巣から少々」
レクスがそう言うと、顔を歪ませた。
それは――笑っているようにアルトには見えた。
*アブラナもネギもこの世界固有のものです
次話より、帝国軍にあれこれバレます。どうなるレクス君!?
ハイファン新作連載開始!
かつては敵同士だった最強の魔術師とエルフの王女がざまあしつつ国を再建する話です! こちらもよろしくお願いします。
↓URLは広告の下↓
平和になったので用済みだと処刑された最強の軍用魔術師、敗戦国のエルフ姫に英雄召喚されたので国家再建に手を貸すことに。祖国よ邪魔するのは良いがその魔術作ったの俺なので効かないし、こっちの魔力は無限だが?
良ければ読んでみてくださいね!




