昔話の人
【ポンモール セビロ】
魔法教科書に必ず載っている名前。
300年以上前に、世界に魔法を広めた人物。彼の資料は少なく謎が多い。悪魔に取り込まれ、100歳で命を亡くしたと伝われている。
「ふぇふぇ、生きとるからビックリしたじゃろ?」
「ぽん爺さん!何歳なの?」
春香が尋ねた。
「ふぇ?んー…いくつなんじゃろな?わからん。」
「わからないって!」
「本当なんですか?昔話の人ですよ?」
ゆきとコーリーも、まだ信じられなかった。
「コホン!あー、本物だぞ。本物のポンモール セビロだ。」
ジェイスが真面目な顔で言った。
「ビックリするのも無理はないよ。ぽん爺は不死の魔法を使ってるんだよ。」
空はカレーを食べ終わっていた。
「不死の魔法!?聞いたこともないですよ!」
コーリーも真剣モードだ。
「禁じの魔法じゃよ…、知っとるわけがないのぅ。ふぇふぇふぇ。」
「えーとな、お前らの学校で習ってる魔法ってのは分かりやすく言うと、表の魔法。禁じの魔法てのは裏の魔法だ。」
ゆき、春香、コーリー、3人とも、ポカーンとしていた。
「学校では習わせないんだよ!悪魔やら精霊とか、とにかくヤバイ奴らの力借りるんでな。」
「じゃあ!そんな凄いぽん爺さんがいるなら、餓者軍なんて、すぐ倒せるんじゃないですか?」
ゆきが、ジェイスに言った。
春香もコーリーもジェイスを見つめた。
空は目をつぶり、ぽん爺は、カレーを食べ始めた。
「なるほどな、ゆき いい質問だ!答えを言おう、現時点では倒せない、餓者軍が強いからだ。」
3人は黙ってしまった。
沈黙の中、ゆきが声を振り絞る。
「そ、そんなに強い餓者軍を相手にしてるムーンブルク軍に、私なんかが呼ばれた事が理解出来ません…。」
「そうね、ジェイスこの子達をどうする気なの?」
空が口を挟む。
「ふはは、俺の目に狂いはねえよ。ゆきは、瞬しゅんとアパ火山に行ってもらう。」
「アパ火山…、また凄いとこ行かすのね。春香ちゃんとコーリー君は?」
「ここで、ぽん爺に面倒見てもらう。」
「ワシ!ゆきちゃんがいいんじゃあ!」
コーン!
ぽん爺のおでこにスプーンが弾ける。
「あでででで!酷いのう!空!」
「煩悩で喋るんじゃないよ!このエロジジイ!」
クワッ
「はい…すみましぇん…。」
「ふはは!まぁそんな感じだ!分かったか?お前ら。」
「全然分かりません!」
全力で3人はツッコんだ。
「みんな安心してね、ジェイスは屑だけど意味の無い事はしないよ。さあ!食べちゃってね!」
空はニコッと微笑んだ。