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ゆきと春香  作者: のこころ
48/63

モコモコしてる




「凄い!名前なんか強そう!」

春香は、興味津々だった。


「ふぇふぇふぇ、さっそく契約してみるかえ?」


「うん!またルドンナさん呼ぶの?」


コーリーは、ルドンナを思い出しドキドキした。


「いや、ルドンナちゃんは召喚魔法の精霊じゃ。」


「じゃあ!違う精霊なのね!イケメンな精霊がいい!」


コーリーはコケた。


「精霊じゃないのじゃ、今回呼ぶのは悪魔じゃよ。」


「え!?悪魔!」

ゆき、春香、コーリーは沈黙してしまう。


「精霊も悪魔も基本変わらん、全ては契約内容じゃな。」


「で、でも…。」

ゆきは春香の手を握った。


「じゃあ、やめるかの?ふぇふぇふぇ。」


春香はゆきの手をキュッと握り返した。

「ううん!悪魔を呼んで、ぽん爺さん。」


「春香…」

ゆきは、春香を心配そうに見た。


「ふぇふぇふぇ、では呼ぶぞえ。」


ぽん爺は、ボソボソっと何かを呟いた。

すると、杖が光り始めた。

ぽん爺の目の前の地面に、7色に光る魔法陣が浮き出てきた。

息を飲む3人。


「いでよ!シニカ エロファル!」

ぽん爺が叫ぶと、辺りが夜になったように暗くなっていく。


「真っ暗だよ!ゆき!」

春香のテンションが上がる。


ゆきとコーリーは、ドキドキしながら見ていた。



◇◇◇◇



3日前 深夜━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━━━━━━━

━━━━━━━━━

━━━



「どうした?ジェイス。」

ぽん爺は、ジェイスに基地の外へ呼び出されていた。


ジェイスは、岩に積もった雪を雑に払い、腰掛けて煙草に火をつけた。

「3人の育成についてだ。」


「ふむ、そろそろ言うじゃろ思っておったぞ。何を教えればいいのじゃ?」

ぽん爺も岩の雪を払い、腰掛けた。


「ゆきには、特に無い。もう道を自ら見つけている。」


「ふむ。」


「春香には、ドルテインを教えてほしい。」


「なんじゃと!?」

ビックリするぽん爺。


ジェイスは、真面目な顔でぽん爺を見つめた。


「ドルテインは、一度きりの契約魔法じゃ、駄目だったらどうするのじゃ?」


「んー…考えてない。」


「ったく!とんでもない男じゃの!」


「春香なら手に入れるさ、俺の勘を信じろ!ふはは!」


険しい顔で、ため息をつくぽん爺。

「コーリー君には、何を教える気じゃ?」


「召喚魔法 デス ハーモニー交響楽団。」


「!?」


ぽん爺の顔が一段と険しくなる。

「…ジェイス、コーリー君を殺す気か?」


「本人に決めてもらうつもりだ。」


「本気でブラームスと戦わせるんじゃな…」


「本気も何も、俺はアイツらを遊びでここに呼んでない、餓者軍に勝つために呼んだんだ。やってくれるか?ぽん爺。」


ぽん爺は目をつぶって暫く黙っていた。



月明かりで餓者の岩山は、幻想的な美しさだった。



◇◇◇◇



ぽん爺の魔法陣から、どす黒い何かのかたまりが出てきた。


「ほれっ!春香ちゃん、そいつに触るんじゃ。」

ぽん爺が杖を強く握り締めながら叫んだ。


「え!?この黒いのに?」

春香は、一気にテンションが下がった。


「ぽん爺さん!触って大丈夫なの?」

ゆきが心配そうに言う。


「契約者となる者が触れるのじゃ。春香ちゃん、(はよ)う!」


春香は、恐る恐る黒い塊に触れた。

(あ、モコモコしてる…動物の毛?)


春香と黒い塊は、突然湧いた黒い霧のようなもので包まれ、見えなくなった。


「春香っ!」

ゆきが駆け寄る。

が、黒い霧には近づけない。


「春香ちゃんは、今悪魔と契約を交わそうとしているのじゃ。信じて待つのじゃ…」


ゆきは、何となく春香がこのまま戻って来ないような気がしてならなかった。


「春香っ!待ってるからねっ!!」

涙目をギュッと閉じて、ゆきは祈った。


(春香さん、信じてます。)

コーリーも祈った。


(頑張れよ…春香ちゃん…)

ぽん爺は、黒い霧を険しく見つめた。





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