第十六話 釣りと料理は楽しいな
感想などありがとうございます。一部変更があるのですが、今まで会話の「、、、」を「…」に変更します。一部ご指摘がありましたので、変更していきます。これは前回のスキルと同様に変更していきます。
夏の暑さなどありますが、皆さまご健康にお過ごしください。
釣り糸を垂らして、しばらくして。
「スヴェルさんはさすがですね、もう、5匹目ですか」
「一人、おかしな人がいますけどね?」
そのおかしいのはアリーシャである。釣りという概念ではない。釣り竿で見える魚を引っかけて釣っているのだ。そのぶん、耐久の減りが速かったのだろう。20匹を超えたあたりで釣り竿が破損した。
「アレは釣りという概念に当てはめちゃダメな存在ですよ」
今は、普通の釣りを楽しんでいる。私は錬金キットを広げながらガラスを作っている。釣り竿は立てかけて放置している。うーん、釣れた魚を見る限りパーチンはヨーロピアンパーチだろうな。ロッチはローチのことで、マッスはマス、サルモンはまだ釣れてないけど確実にサーモンだろう。パーチンはおいしい魚らしいので、魚醤にはもったいない。ロッチは食用には適さないのだろう。マッスはフライに適しているようだ。サルモンはみんなの知る方法でもいいだろう。なら、ロッチで試してみようかな?一番釣れているし。お、竿が反応している。
「よっ、お、引きが強いなー」
「もしかして、この引きはサルモンでは?めったに釣れないので高値で売れますよ」
「ビギナーズラックだね」
そうなのだ、私は釣りをしたことがない。危ないから誰も連れて行ってくれないのだが。
「初めての釣りがゲームってのも悲しいけど、初めてだからうれしいね」
そういいつつ、竿を引いていく。
「サルモンが釣れたら、すしが食べたいね」
「いや、酢とお米がないと無理ですよ」
「作れないの?魚醤は作ろうとしてるんでしょ?」
「酢は作り方くらいは知っていますけど、材料が全く足りませんよ」
「できて、刺身だけか…いや、それでも十分すぎるか」
「刺身とはなんですか?」
「生で食べることさ、この場合はサルモンだけだろうな、海の魚ならいけるんだろうけど、湖の魚だからなー」
「ちゃんと、処理しないと大変ですけどね」
「カーマならできるよね?」
「お父さんから習ったからできるよ」
「生産職としてプレイしたら、最強だな」
「でも、私はいろいろ楽しみたいんです」
「どちらでも強いから何とも言えないわね」
よし、あと少しで釣れそうだな。大きいなー。
「あれは、サルモンですね」
「よーし、あと少しだー」
「端まで寄せれば取りに行きますよ」
竿を寄せて端にサルモンを寄せるとスヴェルさんがサルモンを取ってくれる。初釣果がサルモンだ!
「やったー、大物だー!」
|現在までの行動で【釣り】を取得しました。|
「あれ?【釣り】取得した。」
「それはサルモンを釣れれば取得できるでしょうね。他の魚は少し数を釣れば取得できますよ」
「お、なら、私たちも取得するかな」
皆が取得できるまで釣りをすることにした。
「あれ?なんで私取得できてないの?」
あれは釣りではないからだろう。みんなの心が一つになった。
みんなが【釣り】スキルを取得できるまで、私は魚醤を作ることにした。ガラス瓶をとりあえず作成することができたので、ロッチが大量にあるので、試しにロッチとマッスで作ることにした。うーん、ホントはもっと違う魚で作るんだろうけど、ないから贅沢言えないよね。でも、これで、調味料の幅が増えるな。できるまでにどれだけかかるか知らないけどね。生産キットを広げる。やっぱ、キャンプとかで使うような飯盒セットみたいな感じだなー。お、バーベキューセットもあるなー。とりあえず、頭を切り落として、水の中で軽く血抜きをしてと、軽く水気落としたら、瓶の中に塩と一緒に詰めるとで、密閉して放置してれば完成だったかな?本来なら1年くらい放置してたっけ?ま、中がぐずぐずになるまで放置するのが良いんだよね。あとはそれを濾せば完成だね。ま、待ちましょう。
「へー、これで、魚醤ができるのか―、家で作れるの?」
「いえ、匂いがすごいので、やめたほうが良いですよ」
「あー、それなら、やらないほうが良いかな?」
「そうですね、普通に買うか、醤油を買ったほうが良いですよ」
「そうするよ」
とりあえず、アイテムをしまう。みんなも【釣り】を獲得できたようなので、帰りの準備を始める。
「また、釣りに来たいですね、スキルレベルも上げたいですし」
「そうだねー、帰ったらいろいろ作れるかな?」
「装備の材料が少し手に入ったからあと少しで、布素材とかも手に入りそうだから、その時はよろしくね」
「あー、ずるい!私も作ってほしい」
「二人とも材料があれば作るんで、持ってきてください」
「「もちろん」」
帰りもMPが回復しているので、殲滅作業が始まった。
|職業レベルが上がりました。SPを2獲得しました。【人形】、【降霊】、【念動】、【水魔法】、【光魔法】、【闇魔法】、【魔法技能】がレベルアップしました。|
やっぱり、リンクでアーツは使えるけど、実際覚えてもリンクのレベル優先になるようだ。しかし、【人形】や【降霊】はアンちゃんの強さに関係なく、次に作る人形などに影響していくようだ。アンちゃんが強くなるわけではないからねー。そこら辺の知識は図書館にないかな?古代文明についても勉強してみれば、【逸失知識】で新たなレシピとか思いつきそうだな。
「みんな、ありがとうございました」
「いえいえ、ほとんど、何もしてないからねー」
「おいしいごはんよろしく」
「前衛職はまだいいよ、私何もしてないから」
「私に至っては車いす押すだけですよ?」
「いえいえ、それがないと私の移動だけで、時間がかかりすぎますから」
「とりあえず、パン屋に行く?」
「いえ、あそこは戦場になっているので、普通に生産施設に行きましょう」
「え?もしかして、掲示板で騒ぎになってたのまだ続いてるの?」
「今日の午前中でまだ、行列でした」
「なら、生産施設に行こう」
「その前に市場で材料を追加しましょう」
「ラビーの肉と、ゴアの肉、あと魚使って何か作ってよ」
「んー、そうですね、魚は刺身にしても物足りないですから、今回は諦めてもらって別の物作ることにしますからね」
「えー、サルモンあるのに?」
「いえ、なにか、時短みたいなアーツがあれば、すぐに魚醤できるのでレベル上げしながらになると思いますけど」
「【調理】ならば、5レベルで反応促進スキルがあるらしいですよ」
「え?なら先に肉料理とパーチ使った料理を作って、そのあと5レベルになってたら作りますね」
市場で料理用の油を大量購入したおかげで、少しエーテルさんのところで稼いだお金が寂しくなった。でも、これを元手に更に大量生産だ!金稼ぎだ!というか、ピザの代金が来るから心配しなくていいかな?パン屋の近くを見た時に行列はだいぶ短くなっていたが、まだまだ減っていないようだ。材料を購入して生産施設に行く。
「よし、まずはラビーからだね」
「何作るの?」
「うーん、簡単だし、材料もあるから唐揚げにしようかな?」
とりあえず、ラビーの肉をどん!これらを一口サイズに切る。それらをボールに入れて、塩とレモンでもんでいく。オニオンをすりおろしてさらにもんでいく。ちなみにレモンはレモーだったり、オニオンはオニオーンといった風に微妙に名前が違うが、現地の人に対しては正式名で言えばいいけど、私たちにはどっちでもいいだろう。少し寝かせてる間に、ゴアの下処理もしておこう。なんと、ないと思っていたんですが、探索中にバジルっぽいのとローズマリーっぽいのがありました。なんか、スヴェルさんもただの草だと思っていたようで、気にしていませんでした。たしかに、香辛料は少しあるようですけど、こういったハーブはほとんどなかったな。知られていないからなのかな?とりあえず、【鑑定】を取るか図書館とかで知識を吸収しないとわからなそうだな。ま、いいや、ゴアの肉をバジルっぽい葉と一緒に茹でます。灰汁が出てくるので、取っていく。ある程度取れて来たら、ゴアの肉を取り出す。軽く油を引いたフライパンで焼いていく。塩を振りかけて焼いていき、ローズマリーっぽいのと一緒に焼いて香りをつけていく。よーし、ゴアのステーキ完成だね。これを五人分作ってと。
|【調理】のレベルが上がりました。アーツ:時間促進を覚えました。|
|ゴアの豪華なステーキ 品質 80 B|
|ゴアの臭みが抜けて更にひと手間加えたステーキ|
|効果:STR 10%増加(30分)|
「ん?んん!?」
不知火さんが変な声を上げているが、無視して次にラビーの肉を処理していく。よーし、良い感じだな。次に、唐揚げ粉は難しいけど、小麦粉と【錬金】使って、乾燥粉砕したバジルっぽいものを混ぜる。やばい、森の近くとかハーブたくさんありそうで行きたいよー。料理の幅が広がるからな。とりあえず、ラビーの肉を混ぜた粉をまぶしてと、フライパンに浅く油を注ぐ。注いだ油を温めてから、大体温度が180度以上がベストなんだけど、今回は箸についてる粉で確認した。ラビーの肉を入れていき、半分以上が油になるように肉を並べる。そのまま、揚げていく。時間が経ったら裏返して、全体的に揚げられたら一度外に出す。その後、二度揚げを行いカリッと揚げていく。完成かな?
|【調理】のレベルが上がりました。|
|ラビーのカリッと唐揚げ 品質 70 B|
|カリッとした衣に包まれたラビーの唐揚げ|
|効果:STR 5%増加(30分)|
「完成したのか―…うん…見なかったことにしよう」
よーし、これもいい出来かな?とりあえず、最後は魚料理を作ろう。その前に、時間促進がどれくらい使えるか確認してみよう。
「よし、時間促進」
「お、覚えたのか」
「んー、これはかなり時間かかりますね」
なにか、魚醤になるまでにはまだまだかかるレベルだコレ。それか、【調理】が上がればまた違ってくるのかな?
「今回は無理かな?」
「そうですねー、さすがに、そのままだと、生臭さがありますしねー」
「というか、ビネガーが高かったからなー」
「とりあえず、色々できるようになると思うので、また次回ですね」
よし、なら、今度は魚料理を作ろう。材料が少し足りないのがなー、仕方ないけどね。とりあえず、オリーブオイルを浅めの鍋に入れて、ニンニク(ガリク)を弱火で煮ていく。うん、いい色になったら少し水を足して、その中にトマト(トマン)、処理したバーチやサルモンを煮込んでいく。で、塩で味を調えてると。最後に乾燥粉砕したバジルっぽいのをふりまけば完成!
|【調理】のレベルが上がりました。|
|アクアパッツァもどき 品質 60 C|
|湖から取れた魚を使用したアクアパッツァもどき|
|効果:INT 3%増加(1時間)|
「もしかして、お肉がSTRで魚がINT関係が上がるのかな?」
「今のところそうみたいだね…」
「皆さん疲れた感じでどうしたんですか?」
「いや、こうも、バシバシバフ料理作られたら心臓に悪いわ!」
「えー、でも手間をかければみんなこれくらいできそうですよ?」
「いやいや、無理でしょ」
「でも、ピザはバフができてたみたいですし、レシピ真似すればできると思いますよ」
「あー、でも、リアル器用がないと無理そうだね」
「それには、同意ですね」
「ま、できたんで、食べましょう!」
皆が思い思いの物を食べ始める。
「これ、反則だろ…普通のご飯が物足りなくなりそうだ」
「これは、貴族の料理以上においしいですね」
「貴族ならもっとおいしい料理食べてそうですけど」
「私が護衛した侯爵の料理は豪華でしたけど、こちらのほうがおいしいですよ」
「まさか、そこがたまたまだったんですよ」
「そうですかね?でも、これなら料理人として雇ってもらえますね」
そんな会話をしながら、みんなも食べていく。皿がすぐに空になった。
「ふいー、食べた食べた。満腹度も回復したし、最高だね」
「そうですね、携帯食料は味がないから辛いですしねー」
満腹度は食べた量に関与するので、料理一つ一つには満腹度がどれだけ回復するか記載がない。ただし、携帯食料は10個で0から100まで回復するので、携帯食料が10だというのは分かっている。
「これは、依頼を出してでも料理を大量に作ってほしいな、特に食べやすい唐揚げだね」
「うーん、作りやすいですけど、それこそ、レシピ渡して作ってほしいですね」
「でも、【錬金】ないとだめでしょ?」
「あー、乾燥粉砕があるからね」
「そうだった」
しかも、バジルとかのハーブがあるっていう情報も住人からは得られなかったのでどうだろう?ゲーマーってほとんど、料理しない人が多いって聞くからなー。1次組の料理部隊に期待ですね。レシピがあればある程度は同じレベルに作れることは証明されてるしね。
「よし、今後は同じ葉っぱがあれば持って帰ってくることにしよう!」
「あ、できればお願いしたいですね、ほかのハーブも別の場所にありそうなんですけどね」
「それは、わからないから次回外に出るときだね」
「昼は学校があるので、外に出るのは基本休日になりそうですね、夜は生産します」
「そうだね、じゃ、今日はこれで冒険終了かな?」
「そうですね、皆さんありがとうございました」
「いえいえ、また必要とあらば呼んでくださいね、私は基本ギルドにいるので」
「私たちはコールしてくれ」
「はーい」
皆それぞれに解散していく。私は一度ログアウトしよう。
カーマ(人間) 職業:人形師 Lv6
装備スキル(20)
【人形】7
【降霊】2
【念動】12
同時操作 引力
【水魔法】(15) 7
アクアボール アクアアロー アクアヒール
【光魔法】(20) 7
ライトボール ライトアロー ライトヒール
【闇魔法】7
ダークボール ダークアロー ナイトビジョン
【無魔法】(20)
【魔法技能】(30) 21
精密操作 魔法付与 同時操作 MP消費軽減
【鍛冶】3
【裁縫】3
【木工】5
均一作成
【錬金】18
乾燥 粉砕 温度操作
【調理】8
反応促進
【逸失知識】3
【採掘】1
【採取】1
【伐採】1
【STR強化】4
【INT強化】20
【DEX強化】3
控えスキル
【聖魔法】(20)
【神聖魔法】(20)
【釣り】1
HP:128 MP:300(-150) STR:24 VIT:20 INT:40+100 MIN:20+100 AGI:20+10 DEX:23
称号
理に抗う者
老錬金術師の直弟子
天使を降臨させし者