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進み続ける①

「ガハッ、、、」

「即死は、避けたのか?」

「な、、、んで」

しゃべる翠の口からは血が出ていた。


ー死なせない

うにゃが能力を使って心臓の位置を少しだけずらした。


「す、、い、、?」

翡呂が翠を握っている手が震えている。

「て、、あて、、しな?」


(なんで最後の最後までそんなに人の事を)


「大丈夫、、大丈夫、兄ちゃんついとるでな」

「は、、や、、く」

翡呂も涙が溢れていた。

自分の怪我の痛みを忘れてしまうくらい混乱していた。


(血が止まらへん、、無理や、、、)


「泣か、、、ないで、翡、、呂」

その言葉に翡呂は笑みを作る。

「泣いてへんよ。兄ちゃん強いからな」


ー翠!少しだけ!生きてて!

ーもう無理だよ。疲れたよ

ーダメ!


ー生きるの!!!!!!


(ったくどいつもこいつも)

翠は笑みを作った。

溢れる血液が自分のだと思うと不思議な気分だ。


(別にもう終わっていい)

だけど、そしたら翡呂も一緒に来ちゃいそうな気がした。


(もう少しだけ、頑張るか)

だけど、意識は薄れかける。


「気をしっかり持ちや」

翡呂の声が頭に響く。


「翠!」

蓮矢が駆け寄ってくる。


キィィィン

蓮矢は頭を押さえた。


「なんだ???」

手の甲を見る。その痣は光っている。


ーあたしを呼んで!!!!


「どうやって」


ー手の甲に、意識を集中させて、私の名前を呼んで!


「わかった」


蓮矢は手の甲に意識を集中させた。


「来い、うにゃ」


手の甲の痣から文様が出てきた。

その中から一つ目の猫が現れた。


「やった!成功した!」

うにゃは嬉しそうにしている。


そして、急いで翠の方へ向かった。

銃弾が当たっている傷に手を当てた。


「え、、、」

翡呂は驚きの声を漏らした。

傷がふさがったのだ。

「”変幻自在”の能力だよ。だけど、あくまで、”再現”に過ぎない。だから、止血にしかならない」

うにゃはそう言って翡呂の肩を手を当てた。

翡呂の肩の傷は止血はされた。

「俺のもいけんのや、、」

「能力の条件は、本体とつながっている事。翠を離さないでね。そしたら、貴方”は”生きてける」

「訂正しーや。」

翡呂はうにゃをみる。


「生きるんや。俺もこいつも」


翡呂は自分に言い聞かせるように言った。


「お遊びはそこまででいいか?」

狼雅が立ち上がった。


そして、誠に銃を向ける。

「お前、結局生きてたし殺さなきゃな」


「翠。俺が悪かった俺がためらったから、切り捨てる覚悟できた」

(遅すぎただろうか、、、)

その後悔が誠をさらに奮い立たせる。

「御嶽 狼雅。お前を逮捕する」


「ほう、父親になんていう口の利き方だ!」

その言葉に少しだけ誠は後ろに下がりそうになる。

背中に何か触れた。

「大丈夫だ。誠、俺がいる」

その言葉に誠は少しだけ安心した。


「くそ親父。俺の翠をこんな目に合わせやがって」

蓮矢はキレていた。

誠も、翡呂も。


「廻、、、」

狼雅が奥の方を見ていった。


廻は、翡呂を眺める。そして肩に触れた。

「なんや?」

傷が綺麗に閉じた。


『きず、なおした』


「さすがや!西武はん。これ翠にも!」

廻は首を横に振った。


そして文字を書いた。


『きずふさぐかんたん。ちもどらない』


「意味がないってことか、、?」

翡呂が悲しそうに言う。

廻は頷いた。


そして、廻が二人の前に立ちはだかる。

「珍しいな。お前が俺の味方するなんて」

その言葉に廻は不思議そうな顔をする。


「どうやら違うらしいな」


「なんのつもりだ。廻さん」

蓮矢が廻に聞く。

廻は後ろの扉を指さす。

「帰れってことですか?」

誠がそう言うと、廻は頷いた。


「じゃあ、俺の敵ですね」

誠が廻の横を通り過ぎて狼雅の方へ向かおうとしたが、廻に止められた。

そのまま投げられた


そして、宙に舞った。


「いっつ、、、」

誠は受け身を取った。


「大丈夫か。誠」

蓮矢が、誠の方を見る。

「大丈夫だ」

誠はすぐに立ち上がった。


「俺も一緒にいくぞ!」

蓮矢は、鱗を腕に召喚した。

「便利だなそれ」


廻は蓮矢に手を差し出すようなポーズをした。

「えっなに、、?」

「蓮矢はん!見るな!」

そこから蝶のようなものが飛び出してきた。


「キレ―」

蓮矢は、目の前の景色に気を取られた。


「蓮矢!蓮矢!」

誠の声が聞こえない。


「誠はんは霊力ないから、効かないってことか?」

「その通りです。正確には多少は効いていますよ。妖怪は具現化できるんで」


翡呂も、誠が死んだと思った時、廻にこれをやってにもらったからわかる。


「ぐ、、うっ、、」

翠が少しだけ、呻き声を上げた。

「翠、、、」

心配しかできない無力感で翡呂はいっぱいだった。


「なぁ、うにゃ?だっけ」

「はい。うにゃです」


「翠、、助かる?」

強がっていてもやはり心配だった。

うにゃは黙り込む。

「、、、、」


すごく言いずらそうに、もう一度口を開く。

「わからな、、、いです」


「そっか」

翡呂は翠を撫でる。


ドコォォォン

その瞬間目の前を蓮矢が通り抜けた。


「蓮矢!」

誠が叫んでいる。

廻は誠にも蹴りを入れた。


「ゲホッゴホッ」

誠は少し飛んだところでうずくまった。


蓮矢は目を開けて立ち上がろうとした。


その時、

「廻、もういいぞ」

狼雅が止めた。

そして、誠の首を掴んで持ち上げた。

「うぐっ、、」

誠は抵抗するが離されなかった。


「何してんねん!」

翡呂が立ち上がるが、貧血でふらついた。

それを廻がキャッチした。

「ありがと。西武はん」


「蓮矢。これでお前が後継者になることが決定したな」

狼雅が蓮矢を見ていう。


「誠を離せ」

「御嶽当主になる条件。大切な人を殺す。さて、誰を選ぶ?」

狼雅はニヤついた顔で蓮矢を見る。

蓮矢は、歯を食いしばった。


ー狼ちゃんは先代を殺したの。


蓮矢は息を吐いた。そして、覚悟を決めたように前を向いた。

「誰も殺さねーよ」

「そうか」

狼雅はそう答えた。

「じゃあ、俺が殺す手伝いをしよう」


「そうだな」

狼雅は少し考えるようにして、誠を離した。


「ハァ、、、ハァ、、、」

誠は首を抑えながら座り込んだ。


「誠も翠も可愛がってきたしな」

もうすでに決まっているのだろうが、ためているような態度をする。

「誰のつもりだ?」


「蒼葉 光と行こうか」

蓮矢は固まった。


その瞬間突風が巻き起こった。

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