第3話炎上配信。元恋人の誤算
「最初の命令は……オーク達を一網打尽にしろ!」
「はいっ!光魔法。シャインミラージュ!」
おおっ!配信をあまり観ない俺でも知ってる!エレミアの得意魔法、シャインミラージュ
杖から放たれた白い光が360度全方位に放たれオークは瞬時に消し飛んだ。
「瞬殺……はは、やっぱり格が違うなぁ」
やっぱり俺みたいな底辺冒険者と一緒にいるのはマズイのでは……?
「あ、あの、イリス様っ」
エレミアは俺の方を向くと、杖を両手で握りしめ何か言いたげにモジモジ。
「あ、あぁ。よく出来ました。凄いな、エレミアは」
ぱっと目を輝かせるエレミアは庇護欲もそそられる。
俺の言葉でそれだけ喜んでくれるの嬉しい……俺も満たされるなぁ
「次はどうしますか?イリス様!」
「えっと、次行こうか。ボス戦だね」
「はい!お任せ下さい!どのように始末致しますか?」
「始末て……じゃー、今のは魔力で吹き飛ばす技だったから、次は突き刺すタイプのやつで」
「勿論です!イリス様に傷一つ付けさせませんよ!」
500:底辺冒険者に扱き使われる純白のエレミアwww
501:経験値泥棒な上にエレミアちゃんと会話!羨ましすぎんだろ!
仰る通りでございます。俺としても、歯ごたえのない雑魚ばかりエレミアに倒させるの、申し訳ないなぁ。経験値得してるの俺だし。何かないかな……彼女が喜ぶこと
考えているその間にエレミアの鋭い光の剣がミノタウロスの体を貫いた。
俺が何度も何度も薄皮切り裂いてやっとの思いで倒したミノタウロスさんを一撃かぁ。ここで素直に褒めたら面白みないよな……
「ど、どうでしょうかイリス様?」
「つまらん」
「え……」
「すぐに倒してどうする?俺は魔物の断末魔が好きなんだ。メイドは俺を楽しませるのも役目だろ?」
「ご、ごめんなさいイリス様!以後気をつけます」
困ったような顔に俺の胸は昂ってしまう。我ながらヤバい癖である。
502:イリスウザ。清楚で無口なエレミアちゃん返せ
503:エレミア悦んじゃってんの最高なんだがwイリス様エグすぎ
504:叱った後に褒めるんだろコレ。ドS力ハンパねぇ
コメント欄の反応は予想通り。元々アヤの時も女を立てる配信をしていたし、俺の好みもそうだ。俺へのアンチは高く。エレミアへの人気は爆発的に。
従順なエレミアの良さが分からないとは、まだまだ青いな。なーんて
「イリス様!今度こそイリス様を楽しませて見せます!次のボスへ参りましょう!」
「えっ?!ちょっと待っ……俺その階未踏派だし瞬殺されるんだけど!」
「イリス様には、傷一つつけさせませんからっ」
俺はエレミアに手を引かれ次の階へと下がっていった。
これじゃあどっちが主人なんだか……
◇◇◇
ダンジョン外。王都シャルナークの酒場。
「あ、アヤやっほ〜。聞いたよ、イリスと別れたんだって?」
「やめてよ。あんなの経験値稼ぎのためにそういう設定にしてただけなんだから」
「もうアルベルトと付き合ってんでしょ?やるねぇ。イケメンでダンジョン最下層に最も近い冒険配信者をおとすなんて」
「ふふん。男なんて顔よ顔。今じゃイリスと付き合ってた日々は人生の汚点。ま、アイツのチャンネルほぼ私の人気で成り立ってたから、今頃潰れてるわよ」
「え?アヤ知らないの?イリス君、今すっごい話題なんだよ?」
「は……?」
「見て。"SM健全配信。純白のエレミアコラボ"!エレミアちゃんめっちゃ強いのにイリス君にメロメロだし、イリス君はアメとムチ上手すぎて、これは全女子惚れちゃうよね〜」
505:中層階大ボスワイバーン高速回転打ち上げ花火w
506:ワイバーン(解せぬ)
507:頭撫で撫でktkr!
508:イリス様視点助かる!!撫でられて嬉しそうなエレミア天使か?!スクショの手が止まらんっ
止まらないコメント。増え続ける視聴者数。アヤを青ざめさせるには充分すぎる情報だった。
「嘘でしょ……クソ雑魚底辺だったイリスが、人気配信者エレミアとコラボ?!しかもなんで中層階の大ボス部屋にいるのよ?!」
爪を噛み締めるアヤ。
「なんかイリス君の鞭配信見てからメイドになりたいって押しかけて来たらしいよ」
「は?む、鞭、配信?」
「ほらこれ――」
ドSな性癖が巻き起こす、新たなる波乱とは――




