表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドS配信事故を起こしたら、人気配信者と元カノと女神M女が釣れたので、一緒にダンジョンの覇者になることにした  作者: あきかたりれお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/14

第11話ドSスキルの暴走

鋭いレイピアの切っ先が、俺の喉元に突きつけられる。馬鹿は会話しても縛っても治らないらしい。


「そっちがその気なら……痛い目見ても文句はないよな?」


鞭を引き抜き、地面に叩きつける。


554:セーフティエリアの床にヒビ入ったんだがwww


555:アルベルト終了のお知らせ


「なんとおぞましい武器だ。退治してくれる!」


アルベルトは億さない。レイピアを構え、突き技。俺は鞭を下から振り上げ、レイピアとぶつかる。


バキンッ


鈍い音とと共に弾かれたのは俺の鞭の方。想定外だ。


「イリス様のドS鞭が押された?!」


「アルベルト様は宝剣、レイピアの使い手ですので」


解説に割り込んできたのはアルベルトと共に倒れていた獣人族。いつの間にか意識を取り戻していたらしいが、縛られたまま二人の戦闘を傍観している。


「スキルは【騎士】。しなやかな切っ先から放たれる攻撃の範囲は極狭ですが、その分威力は凝縮され、何者をも貫く剣となります。加えて宝剣レイピア。キルシュタイン家に伝わる"騎士王が使っていた"高価な武器ですので、そこいらの剣じゃお話になりません」


「そうさ……何者をも貫く、僕の正義の剣の前に平伏すが良い!ファイヤープロムナード!」


アルベルトがレイピアを突き出す。俺の鞭にぶつかった瞬間、赤い光を放って大爆発を起こした。


俺は数メートル吹き飛ばされ、岩壁に叩きつけられた。


「ぐっ」


追い打ちをかけるようレイピアの切っ先が襲う。鞭をしならせ切っ先を逸らす。

だが再び鈍い音と共に鞭が弾かれ、ガラ空きの体にレイピア、三連突き。


「しまっ……」


体を捻る。間に合わない。レイピアが肩を貫いた。


いってぇえっ!クソッコイツ強いっ!


「イリス様!!」


「アヤを怖がらせる悪魔め!我が宝剣にて眠らせてやる!ファイヤープロムナード!」


突き技が早すぎる。斜め下から抉るように突き出されたレイピア。鞭で弾いたとて無駄。赤い閃光と共に殺しきれなかった衝撃が全身を襲う。

岩壁に叩きつけられ、倒れ込む。


「フン。他愛もない。こんな雑魚に捕らわれ、アヤもさぞ辛かっただろう。ドブネズミはドブに沈んでおけばいいものを」


ガッ


アルベルトのブーツが俺の頭を踏みつけにする。


「ぅぐっ」


キン、キン――


なんだ?!頭が痛いっ!割れるッ……俺は、踏まれてる……?


――この俺が、雑魚に踏みにじられている?


締め付けられるような頭の痛み。歯ぎしりをしながら鞭を握りしめる。


「まだ動くか?全く芋虫のように無様なものだ。この美しき僕の宝剣を前に、地面に額を擦り付け、平伏すがいい!!」


アルベルトがレイピアを振り上げる。赤い閃光。踏みつけにされた頭。見下す視線。

頭の中に自らの声が響く。


『平伏す?誰が?俺が?……いや、お前だろ。組み敷け。俺の前に。そして従え。無様に縋りつけ――!』


お、俺の声?……頭が痛いっ……い、いや、体中、が、痛い!力が、溢れ、てくるっ!


「イリス様を足蹴に……許さない」


「待ってエレミア。イリスの様子が変よ……」


「ゔぐっ……ッぁ、ぐっ」


アルベルトの声も聞こえないほど耳鳴りが酷い。体よりも頭が痛む。


胸を中心に血流を伝って鞭を持つ掌に力が集まって――


「っ!」


バチンッ


鈍い音と共に、うねる鞭がアルベルトの足を弾いた。


「ふん、しぶといヤツめ。もう一度僕の宝剣の餌食にしてやる」


「平伏せ、俺の前に。逆らうこと、は、許さない」


頭痛は消え失せ俺という人格は頭の奥底へ。

顔をあげると、アルベルトの瞳が怯えを見せる。


「っな、なんだ、その目はっ」


「組み敷く。許さない。従わせる……」


大きく足を踏み出し、鞭を硬く握る。湧き上がってきた力が鞭に収束し、右腕が震えた。


「雷迎」


鞭に渦巻く黒い雷。一帯の石つぶてが巻き上がる。


今ならなんでも思い通りになる。


万能感に見舞われ、笑みが止まらない。


「ちょ、ちょっと待て!こんな中層階止まりの男に、こんな力……ありえない?!」


先程まで堂々と立ち向かってきていたアルベルトだが、すっかり青ざめている。


体も震え見るからに戦意喪失だ。その姿を見て、俺は喉から出る笑い声を抑えられなくなっていた。


556:イリス暴走モード?結構やばくね?


557:アルベルト様逃げてー!!


鞭を薙ぎ払う。今度はレイピアが弾かれ丸腰に。怯えるアルベルト目掛け、振り下ろす。


ガォンッ


鞭でアルベルトの体を地面に叩きつける。クレーターができるほどアルベルトの体がめり込み、一撃にて沈める。


「ガハッ……ッ」


吐血し、白目を向いたアルベルトの頭に足を乗せる。


これだ。これが俺のしたかったこと。やはり俺は組み敷く方が性に合っている。楽しい。楽しい。


「さっきまでの威勢はどうした?もっと喚いてくれ。じゃないと、分からせがいがないだろう?」


「ま、まぃっ、た……も、やめ……」


「ッ!ダメよイリス!それ以上はっ」


アヤの声は聞こえない。頭の中はもう一人の俺の声ばかり響いていた。


組み敷く、従わせる、支配する、殺す


鞭をアルベルトの首めがけ振り下ろす。


生まれて初めての、破壊衝動。


ガチンッ


俺の鞭を弾いたのは、エレミアの真っ白な魔剣。


「……エレミ、ア」


正気に戻ると共に、両頬を包まれた。


「駄目ですよイリス様。感情に任せて鞭をふるうなんて、ドSの名折れ。私の大好きなイリス様のドSは、理性と美に溢れた芸術品なんですから」


「………………何言ってるんだ?」


正気に戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ