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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第三十一章:年度末に向けて

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1402/1407

1402:七十二層巡り旅 3 成果のほどは

 そのままグルグルと、階段からクレーター一つ分離れた場所を回り続ける。一周三時間ほどかかるはずなので、ちょっと移動を早くして二時間から二時間半ぐらいで巡れるように速度を調整する。足の速さはそのまま探索の効率に影響するので、ちょっとしたランニング姿勢で七十二層を回る。


 早く走ればその分だけモンスターと出会う回数も増えるし、一周してくる間に湧きなおしてないほどここのリポップは遅くない。俺が多少速く走ったところでこの階層は充分なモンスター密度を提供してくれているので美味しく頂くことができる。


 七十二層も今は一人で好き放題狩れるから良いものの、グリフォン肉とグリフォン爪を目的にして探索を始める層もその内出始めるだろうし、結衣さん達も、最近見ない高橋さん達もこの階層には達することはできているので、もうちょっとしたら七十二層も一人で巡るようなことも少なくなるかもしれないな。


 エイとサメとグリフォンの組み合わせがいくつかあるうち、グリフォン二匹のパターンだけは足をゆっくりにして確実に仕留め、それ以外は走りながら倒していく。これでより効率的に探索ができる。金が貯まれば……税金を一杯納められる?


 税金を一杯納めることで俺個人にはそれほど問題はないだろうし、稼いだ以上に税金で取られる、ということはないはずなので安心して探索を進められる。これ以上税金として取られる割合が上がることはないらしいので、後は稼いだ分の三割から四割ぐらいが手取り収入だと考えていいらしい。


 何より、キュアポーションのランク5を流通させることで人生の助けになる人が一人でも多く存在するのなら今の自分の行動には意味がある。そう、何の役にも立たずにそこに経済活動が存在するならば、探索することに意味はあるのだ。


 それに、グリフォン肉やフカヒレは美味しい。美味しさを求めてその肉やヒレを求める層がいるならば、そこにリーチしていきたい。今のところここまで潜って取ってこれる探索者が少ない以上、ここから出荷される食品にはさぞ高値が付くんだろう。


 そんな肉をお手軽に唐揚げにして食べていたのが先日の出来事だが、よく考えれば月給が吹き飛ぶ価格の唐揚げというのも中々凄いインパクトだな。もっとよく味わっておけば……いや、今から取ってまた作ればいいか。立場的には生産者なんだから欲しければ自分で取りに来ればいいのだ。


 グリフォン肉は色々作ってみたいし作ってもらいたいネタもある。中華屋の爺さんに渡して本職の唐揚げを味わうもよし、棒棒鶏にしてもらうもよし、そしてスパイシーな香辛料を振りかけてタンドリーチキンなんかにしてしまうのもよしだ。


 鶏肉料理で思いつくものを一通り作って満足したら売る専に回せばヨシ。緊急で食べたくなった時のために溜めこんでおく分はあるにしても、一パック十万円の食物を寝かせておくスペースはあるが、そこまでケチる理由もない。


 出せる時に出しておかないと、値下がりした後で査定にかけるのは……しばらくはないだろうがそのうち下がっていくことが想像できるので今のうちに売れる分は売っておきたいな。


 売れる分は売っておきたいという割には……保管庫にはまだまだ大量の食品、肉類がストックされている。これもそのうちなくなったら取りにいく必要があるだろう。自分で食う分は自分で補充しないとな。特にケルピー肉は出番も結構多いし、現地へ取りに行っている探索者も多いはず。出来るだけ大事に食っていくとするか。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 良い感じの時間になってきたのでそろそろあがろうと思う。今日は帰りに茂君も刈りたいしな。明日は帰りに茂君を刈る分だけ七十六層で時間を取るので今日は往復きっちりと刈っておきたい。


 よし、帰るぞ。今日もそれなりに稼ぐことはできた。結衣さん達に付き添っていた際の収入はその分減ったが、その後で挽回できたのでいつも通りぐらいの収入にはなった事だろう。


 七十一層へ上がり、真っ直ぐ七十層の階段へ向かう。道中のモンスターは全部狩る。一人なので自然と足早になり、次のモンスターを探しつつ真っ直ぐ階段へランニングの姿勢。今日は結構走ったな。しっかり体を動かした分、きっと夕食も美味しく食べられるに違いない。


 七十層の手前のサメを最後に処理して七十層に上がる。そして車を出して七十層のエレベーターの前まで行き、結衣さん達のリヤカーがまだあるのを確認。遅くまで頑張るな、いいことだが無理をしない程度で帰ってきてくれると助かる。


 ノートに今日の日付と出たスキルオーブを記帳すると、前のドロップである七十一層のエイの【生活魔法】も念のため記帳しておく。スキルオーブ狙いでこの階層に来ているならば誰かの役に立つかもしれないからな。


 うーん、【熱変動耐性】についてはどうしようかな。念のため日付と落とした相手だけ記しておいて、何が落ちたかは書かないでおこう。結衣さん達が入手しようと努力するにせよ、書いておくだけでもモンスターの種類を限定して戦うことは出来るようになるはずだ。


 一気に五個分のスキルオーブドロップ記録を書き連ねることになったが、これを見るのもまだ三パーティーしかいない。共有ノートとしての仕事を果たしてもらうためにもここはけちったり隠したりせず堂々と書いておくほうが良いだろうな。


 しかし、他のパーティーの書き込みがないところを見ると、結衣さん達もこのマップではあまりスキルオーブのお世話になっていないのかもしれないな。ここはドロップが渋い、ということだけ覚えておこう。


 ノートに一通り情報を書き込んだ後、更にボス撃破の報告だけは入れておく。結衣さん達には伝えたけど高橋さん達には伝えてない、というのは不公平だし、無理してボス倒しても俺が先に倒していたので報酬はなし、ということになってくたびれもうけになる可能性だってあるんだ、そうならないように書きこんでおくのは大事だろう。


 一通りの情報記入を終えた後、リヤカーをエレベーターに押し込んで、倍速でエレベーターを七層までポチ。動き始めたところでエレベーター内で荷物整理。今日はポーションがよく落ちたので収入も多いはず。念のために事前計算してみるが、充分に稼ぎにはなっているはずだ。査定には期待しておこう。


 結衣さん達に付き添っていた間の収入こそ少なかれ、普段通りの金額……四億ちょっとぐらいあればいいかな、と思うところだ。そして、今日は一人とは言えいくらかグリフォンの爪と肉が手に入ったのでこれも査定に出してしまおう。


 溜めこんでおいて後でまとめて出す分はメモ帳に書いてあるので芽生さんと等分する数は確実にわかっている。今日は今日手に入れた分をしっかりリヤカーに積み込んでおく。これでちゃんと最下層で活動していたんだぞという証にもなる。後はいつもの目隠しテントを積み込んでおけば荷物整理は完了だ。


 七層に着くまでまだ時間があるし、クロスワードの続きでもやるか。一問解いて時間を確認。そろそろ到着するな。しかしこのエレベーター、酸素とかは何処かから供給されているんだろうか。


 あまり長時間エレベーターに閉じこめられる経験がないからわからないが、一時間ぐらいそのままでも問題はなかったので、酸素の供給が行われているか窒息する前に到着する仕組みになっているんだろう。今は倍速なのでそこまで長い時間エレベーターに籠ることもないので心配ないな。


 しかし、異次元を航行しているエレベーターなのだからエレベーターの箱の外側に酸素で満たされている可能性は低い。やはり倍速モードで航行するのは必要な措置だったのかもしれない。これ、探索者のすし詰めで同じ実験を息苦しくなったりする場合はやはり、酸素供給は行われていないということになるんだろう。


 だが、各階層にはちゃんと酸素は供給されているので、もし同じ次元の何処かを移動しているという形になるならばエレベーターに酸素が通っていても不思議はないか。まあ、異世界の技術だし重箱の隅をつついてみないほうがかえって都合がいいことで済まされるかもしれない。考えないことにしておくか。


 七層に到着し、目隠しテントを建ててリヤカーをセッティング。そしてダッシュで茂君を刈りに向かう。刈り取った茂君の羽根を……よし、誰も見てない。範囲収納でシュッとしまうと戻り道をダッシュ。肩で軽く息をしながらリヤカーまで戻ってくる。これで三十分短縮、走った分早く家に帰ることができるはず。


 リヤカーを取り出してテントを畳むと、七層から一層へエレベーターで移動。到着次第退ダン手続きへ。いつもの受付嬢の顔を見て、いつもの時間を教えて探索者証を返してもらう。


「お疲れ様でした。今日は……中々の実入りみたいですね」

「今日もガッツリ稼いできましたからね。お疲れ様でした」

「はい、また来てくださいね」


 探索者証を受け取り、査定カウンターで五分並んだあと査定へ。フレイムサラマンダーの革は査定に出せないが今日拾った分の爪と肉は査定に出した。在庫の爪は前回大量に納品したので、爪の残りと肉の半分ぐらいは明日だな。その後更にもう一回でなんとか終わらせることが出来そうだ。


 更に査定に五分ほどかかり、本日のお賃金が出てきた。四億三千十四万六百円。うむ、充分な稼ぎだ。七十二層で結衣さん達に出会わなかったらもう一億五千万ぐらいは行けたかもしれないな……いや、グリフォンからポーションを拾っているので実際はそのぐらいになっているか。これも査定が楽しみな一品だ。


 実質六億。そう考えれば充分すぎる収入だ。今日もしっかり稼いだということで振り込みを依頼して熱いお湯をもらって一息。さて、今日も充分稼いだし体力にはまだまだ余裕がある。これでいつもの布団で寝れば明日もしっかり働けるな。


 バスの時間を待ってバスが来たら乗り込み、今日一日の疲れを軽く取るために足をマッサージ。今日もしっかりランニングしたしな。もしかしたら下手な陸上選手よりも頑張って走った気分すらある。普通の長距離陸上選手ってどのくらい走ってるんだろう。


 電車で最寄り駅まで着いた後、コンビニには寄らずに自宅まで戻る。さて、夕食は何にしようかな。昼はうなぎだったから、同じものは避けたい。まだうなぎ弁当が一つ残っているがこれはまた後日だな。そうなると……粕漬弁当というのがあるな、これにするか。


 鮭ではないが何かしらの魚の粕漬と炊き込みご飯がメインのお弁当だ。出汁巻きと揚げ物も一緒に詰め込まれている。楓の葉っぱ型でしっかりに詰められた麩もアクセントになっていて彩り豊か。ミニトマト、牛そぼろ、漬物、エビフライと食べる所は色々ある。これは目にもいいな。


 早速炊き込みごはんから食べていく。ベチャッとしていないご飯が美味しい。もち米で炊いたのかな?と思うような粒の立ち具合だ。噛み応えもあって口の中を喜ばせてくれる。メインの粕漬は……うむ、ご飯に合うように程よいところまで味がしっかりついている。ご飯と同時に口に入れても喧嘩し合わないのが更に良い。


 隙間を埋めるようにとりあえずで用意されたようなエビフライをサクッと口の中で咀嚼しつつ、それぞれの食べ物を口に入れていく。色付けされたお麩もしっかりと煮こんだ汁を存分に吸って美味しい。うむ、この弁当も美味しかったリストに入れておこう。


 どうやら解説を見るに季節の弁当らしいので次回は中身が違う可能性はあるが、その時はまた新しい味、ということで受け入れるようにしよう。季節ごとならばまた来年は全然違う弁当になる可能性があるがそれもまた楽しみだな。


 魚を肴にご飯をワシワシと食べていく。それ以外にも出汁巻きや箸休めを間に挟みつつ、弁当一つ平らげた。もうちょっと胃袋に入るかな。弁当もう一つ、というほどの腹の余裕はないので何かコンビニで買ってくるか。


 コンビニでついでにミルコ用のおやつも買い足しておき、明日のお供えも万全だ。出来るだけ同じような食品が並ばないようにはしているし、あまり刺激の強いものも避けている。激辛ポテトチップスとかそういうのを気軽に渡して後で苦情が来ることも考えてだ。決して子ども扱いしている訳ではない。


 とりあえず今回は酒のつまみ系をメインに攻める。ホタテの貝柱やピーナッツ入りの乾きもの、干しイカなどを入れてみた。今のところ酒のつまみで苦情が来たことはないのでこの辺は大丈夫だろう。自分の胃袋向けには肉まんとおにぎりを一つ。ざっとこんなもんだな。


 さて、家に帰ったら風呂を沸かしてゆっくり疲れを癒して布団へダイブだ。後のことは明後日以降に考えることにしよう。明日は第二回搬出作業と七十六層の探索が待っている。それなりに忙しいだろうな。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
もうマンション買うとか小さい事しないで、マンション建てたらいいと思う。
三パーティーだけですとスキルオーブのドロップ報告でどこでドロップ粘るか選べますよねー 生活魔法もあると便利枠なのは間違いないですし
( ◠‿◠ )
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