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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十九章:ダンジョン探索旅情編 ~旅先で色々と~

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1352:後半戦開始

 食事を終えてそのまま再度入ダン手続き。まだ落ち着かない胃袋はエレベーターの中でゆっくりしてもらうことにする。


「十五層から先は地図はあまり正確ではないんでしたっけ」

「さっき受付で再度確認したが、十七層までしか地図は更新されていないらしい。十七層というと高山マップにあたるようだ。小西ダンジョンと同じような構図なら上るか下るかの差で済むから何とかなりそうかな。問題はその先だ。出来るだけ雪原マップで迷いたくはない。上手く探索者を見つけられたらそっちへ向かわせてもらうんだけどな」

「そうですねえ。そこは運の絡むところでしょうから何とも言い難いですが、人型しかでないところを考えたら大岩を探すのはそれほど手間ではないかもしれませんねえ」

「うまくドローンで見つかる範囲に入ってくれればそれで一安心なんだけどな」


 しかし、十八層から二十一層の地図が更新されてないのはどういう理屈なんだろう。エレベーターを降りてスレッドをチェックしてみて、胃袋を休めるついでに何処の階層にどういうマークがあってそっちへ行けば階段にたどり着く、みたいな情報がないか探してみることにするか。


 エレベーターを降りてちょっと一休み。壁を背にしてスマホで過去スレのチェック。すると、十八層から二十一層にかけての階段を見つけるポイントの情報があった。スマホの画面をそのままにして、まずは層を跨いで現地まで確認しに行くことが必要だな。


「よし、この先も何とかなりそうだ。情報は集めたので多分二十一層までは行けると思う。その先まで行こうという気にはなれないので、何としても二十一層でガンテツを呼び出す予定だ。そろそろガンテツも俺が来てることは確認してると思うので、二十一層でテントを張って中に呼び出そう」

「そもそも何層まで出来てるかもわかりませんしね、ここ。流石に五十数層まで出来ている可能性は低いですし、そこまで出来ているなら私たちの助けも必要なさそうですしね」


 保管庫の中身も刻一刻と冷凍された熊の手が徐々に解凍されつつあることを考えると、今日中に渡してしまいたいところではある。


「まあ、情報は掴んだ。後は進むのみだ。さあ、後半戦でどこまで潜れるか一つ二十一層までたどり着いてみよう」

「ガンテツさんのダンジョンで二十一層まで進んでいれば、他の新しいダンジョンでも二十一層までたどり着いたことにはなるんでしょうかね。どうなんですかね」

「そこの共用性は……実際に使ってみないとわからないだろうな。もし完全にこっちのコピー品だった場合は使える可能性が上がるが、それぞれ独自でエレベーターを改造してた場合はその限りじゃないな」


 エレベーターの共用性という部分は考えから抜け落ちていたな。まあ、そう毎回来ることもないので気にする必要はない気がするな。だが、いずれは他のダンジョンにも呼ばれて何かしらの解決策を提示するためにまた移動させられることも考えると……いやいや、まさかそんなことはな。


「ところで、このマップについて問題が一つある。砂岩マップが飛ばされているんだ」

「どれどれ……そういえばそうですね。なんででしょう? 」

「これはガンテツに聞くことが一つ増えたな。何で飛ばしたか、という点について」


 ガンテツのことだから、七層と十四層でそれぞれマップを一つ分飛ばした分の帳尻合わせとか、ゴーレムがドロップする物が思いつかなくて飛ばした、とか色々言い訳は飛んできそうだが、それもまた楽しみにしておこう。


 十五層に下りて、森と川マップへ入る。他のダンジョンと同じくトレントが引き続き出てくるのと、色違いのちょっと強い、赤いトレントが出て来るらしい。赤いほうは強さのせいもあるのか、魔結晶に加えてトレントの実を必ず落とす。一部では美味しいモンスターとして認識されているらしい。


 そして、十五層にはボスは居ない。多分三十層にもボスは居ないだろう。ボスを置く必要があるのかどうかを悩んだ末に、居なくてもドロップ品を落として、それを拾って帰ってくれるならそれでいいと考えているのだろう。十五層に仮にボスが出るとして、出るならエルダートレントになるだろう。


 さすがにCランク以上なら誰でも入れるダンジョンとはいえ、いきなりエルダートレントと戦うのは荷が重いと感じているのかもしれない。色々考察されるが、ガンテツに会って聞けばわかる話だ。感想を言いつつも色々観察させてもらった結果を話させてもらおうかな。


 レッドトレントもトレントより流石に硬いが、雷切で切れないほどではないし、エルダートレントに比べればよほど戦いやすい。芽生さんも【水魔法】と【土魔法】を織り交ぜることで切断力の増したウォーターカッターで綺麗に切断しながら戦っている。どうやら強さ的には実際の二十九層や三十層と強さは同じぐらいらしいな。


 トレントはそのままの強さで出てきてくれているらしい。が、しばらく戦ってみて気づいたのだが、トレントの実は落ちるが他のトレントの素材は落ちてこない。三十体ほど倒してみての結果なので、おそらく確実に食品以外は落ちないように再調整されているんだろう。


「うむ、トレントの実がまた貯まっていくな。これは久しぶりにドライフルーツを作るのが帰ってからの仕事になるかな」

「在庫を把握してないからあれなのですが、ドライフルーツは今どのくらいあるんですか? 」


 最近使う機会もあったので、在庫が少なくなっていればマズイと思っているのだろう。


「まだ七千五百枚ぐらいある。だから在庫のほうは心配しなくていいぞ」

「どれだけ作ったんですかドライフルーツ」

「一時期は一万枚ほどあったな。芽生さんがテスト中か何かでダンジョンに来ない間に、一人で潜ってずっとトレントを倒して回ってたからかな。あの頃はまだB+ランクもなかったし、小西ダンジョンでBランクで潜ってるのも自分だけだったから好き放題トレントの実が取れた。懐かしいなあ」


 流石にこっちの十五層だと他の探索者もそれなりに居て、一方的にトレントを倒しながら進むということはできないらしい。他の探索者がいる分だけ取り分は減るが、手すきになって暇になって歩いているというほどではない。


 つまりいい感じに探索は出来ている、ということになる。荷物もトレントの実だけならバッグに詰め込んでいるという感じに見せかけることもできるのでリヤカーを引いてなくても違和感は小さいはずだ。でかいバッグのおかげで目隠しが出来ていることになるな。


 ここからはそれなりにちゃんとした探索で稼げると考えると、二十一層まで下りていくのも今までの復習兼違うモンスターへの対処という視点から真新しいものを見つけられるのかもしれない。


 ただ、ここの雪原マップにはスノーオウルが居ないんだよな。そういう意味では羽根の入手経路が無くなったと見るべきで、新しいダンジョンが出来たからと言って素直に喜べない所でもある。小西ダンジョンはいつまでその形を残し続けてくれるのか。これは大きい課題だと言えるだろう。


「レッドトレントも強いとはいえ歯ごたえみたいなものはないですねえ」

「そりゃ、月面マップまで行ってる俺達に歯ごたえがあるようなモンスターが出てきたらCランクじゃなくてB+ランク相当の実力が必要になるだろうからな」

「それもそうですか。まあ気楽に稼いで帰れると思っていきましょう」


 十五層も中間に差し掛かり、ちゃんと川を発見することが出来たが、対岸はきっちり見えている。ここではただ歩くだけの場所なのでここで休憩するのも有りだという話らしい。実際一パーティーがトレント狩りの休憩をしている様子だった。


 彼らにとっては珍しいのか、スーツ姿で二人でリヤカーも引かずにただ歩いていくのは珍しい光景なんだろう。こちらを凝視しながら見送っていってくれている。


「流石にスレで話題になったりするんですかね」

「かもしれんな。後でスレッドを覗いてみよう。タイムリーに書き込みがされているかもしれない」


 川を渡り終えて、少し森に入り込んだところに階段があるらしい。ここでは森があることがとにかく重要だ。森がなければトレントも擬態することはできず、森から出てくることもないらしい。少し歩いて階段を無事発見したので下りる。十六層も同じマップ。レッドトレントが少し多めに出るらしい。


「レッドトレントだらけの地域があったら有り難いんだけどな。トレントのドライフルーツの材料はどれだけあっても困らないからな」

「そうですねえ。収入的にもレッドトレントのほうが少し魔結晶が大きい気がしますし、せっかくだし稼いで帰りたいところです」


 稼ぎに関しては完全に同意する。せっかく熊本まで来たんだ、往復交通費とこれから遊ぶ費用は既に確保されていると言っても、普段の収入からすればかなり少ない所を歩いていることにもなる。出来れば稼いで帰るのが出張というもの。ダンジョン庁には報告してないとはいえ、ダンジョンマスターの機嫌をある程度とっておくのもアフターケアというものだろう。


「さあ、さっさと歩き抜けて高山マップへ行こう。次のマップでは甘くてとがっててでかいイチゴが落ちるらしいぞ。見た目が楽しみだな」

「でかいってどのぐらいでかいんでしょうね。びっくりするぐらい大きいと面白いんですが」


 スレに張り付けられた画像を芽生さんに見せるか悩んだが、実際に落ちてきて感動する場面を台無しにしたくないので見せないことにした。次の階層への気力にもしたいしな。


 南北に細長いが、森部分が八割、川部分が二割で構成されているこのマップも、やはり川の部分は安全地帯らしく、ここで休むのがいいという話になっている。ケルピーが削除された分ワリを喰っているということだろう。そういえば、赤いスライムたちもここでは消されているモンスターに入ることになるんだろうか。


 とりあえず二層分移動するだけでは遭遇することはないとは思うが、もし遭遇したらバニラバーを試してみて何が落ちるかを確かめる作業が必要になるだろう。


 南側から北側へ、森の中に設置された小道沿いに進みながら戦闘を継続していく。道のど真ん中に立ってる木はほぼ百%トレントなので問題はない。リヤカーで道を歩きやすいように道沿いに進めば迷わないし階段までたどり着けるように設計されているのはこの階層のいい所だろう。迷わなくて済む、というのも大きい。


 が、しかし他の探索者も同じ道を通るということでもあるので、その分収入的には寂しいことになる。流石に索敵範囲内に探索者が居ないので好きに狩ることが出来ているが、これが朝一で突入してみんなで一斉に次の階層に行こうとする、なんてパターンに当てはまった時はただひたすら歩くだけの時間が繰り広げられることだろう。


 今のところその心配がなく適度にモンスターが出てきてくれているので時間帯の都合というのもあるんだろうな。良い時間にこの辺をうろついている、という気がするな。


「適度に運動が出来てそれなりの収入もある。目一杯の収入ではない所は不満点ですが、今ここを歩いてる分については問題がないですね。リヤカーがなくて好き放題動き回れるのも好ポイントです。やはりリヤカーは何処かに置き去りにしておくか、入り口で出入りに使う程度にとどめておくのが良いんでしょうね」


 芽生さん談。そういう意味では俺も重たい荷物や余計なものを普段から持ち歩いている訳ではないので、こっちのほうが本来の動きが出来ているという点でも不満は貯まりにくい。


 やはり人間自由に探索が出来るのが一番いい。背中の荷物の重さも気にせずに動けるのはとてもいい。このままここでうろついているのも悪くはないしトレントの実が手に入るので悪くはないのだろうが、ここはあくまで通り道。目的は二十一層なので最低限そこまではいく。それでも出てこないなら帰る。そういうことにしておこう。


 十六層も問題なく歩き抜け、中央の川に出たところでまた探索者を追い越していく。ご休憩ですか、お先失礼しますねと目線で合図を送りつつ、そのまま川を渡って反対側にある森の中にある大岩を目指す。


 前のダンジョン……というか既存のダンジョンでは階段がある大岩もそこそこコンパクトサイズで設置されていたが、スロープを作った関係上大岩はかなり大きい。その大きさと階段まで続く道のおかげで迷うことなく到着出来た。さあ、次は十七層十八層の高山マップだ。十七層までは地図があるので迷うことはないが、十八層以降はさっき仕入れたポイント情報に従って進むのが吉らしい。


 階段で一旦休憩して情報のあったスレッドの後のほうを見てみるが、偽情報である可能性は低そうだ。今はこれを信じて進むしかないな。ここからは完全に未知のモンスターと未知の道が広がる高山マップと雪原マップ。それさえ乗り越えれば目標である二十一層。やっとガンテツに一言物申すだけのところまで来たと言い切れる。


 さて、次の階層も張り切っていこう。出来れば短い時間で乗り越えて、そのまま急いでガンテツにプレゼンをして帰って眠りたい。そして明日からは芽生さんおすすめの観光スポットを巡るようにするんだ。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
> 高山」 上に人を乗せて無理矢理人型ジャンルに入ろうとするワイバーン > 雪原」 イエティもしくはビックフットが出てくるやつ > ポイントの情報」 ダンジョンで攻略Wikiを見るおじさん > …
赤いトレントかあ 通常の3倍速いってことは流石にないか
( ◠‿◠ )
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