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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十八章:新ダンジョンラッシュ

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1335/1376

1335:午後探索、実りは多く

ダンジョンで潮干狩りを

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 入ダンしてエレベーターで七十層までたどり着いた。現在時刻は午前十一時、昼飯には少し早いが今から中途半端に潜るのもなんだかなあという時間である。これは途中でおやつを食べる前提で、早めに飯を食ってから探索を開始するとしよう。


 車で七十一層側へ移動してから車を収納、代わりに机と椅子と食事を出して、早速食事開始。まだホカホカのタンドリーグリフォン肉と炊いてそう時間の経っていないごはんとサラダ。中々に良い感じの食事だ。ここがカレー屋ならこれが前菜で、ナンとカレーがメインディッシュとして出て来るところだろうがここにネパール人は居ないので自分で用意するしかない。


 次回タンドリーシリーズを少量作ることがあったらカレーを……いや、逆だな。カレーを作る機会があったら手伸ばしナンをご用意しておいてどっちでも食べられるようにするほうが正解か。新しいレシピというかコースメニューをお出しするのが今後の目標か。一人でコースメニューを食べても仕方ないからな。芽生さんが一緒に来る時に色々と考えてみよう。


 さて、何はなくともタンドリーグリフォン。早速頂きます。ここは肌寒いから出しておく分だけ冷めてしまうしな。


 うむ、チキンほどの鶏皮油は存在しないが、肉質は柔らかく、胸肉に近い食感を与えてくれる。何より、内側からしっかりと漏れ出す旨味が強い。一噛みでこれは上等な肉だ、ということが分かる。美味い、美味いぞ。タンドリー肉シリーズの最上位にランクインさせても良いぐらいだ。今日はすべてのタンドリー肉のランクが一つ落ちるという決定的な日になった。


 サラダも胃に入れておこう。やはりタンドリー肉と謎ドレッシングサラダの相性はバッチリだ。しっかりスパイスの利いたタンドリーグリフォンとサラダの甘味の対比がまたいい。ご飯も一緒に口に含めると、ご飯の甘さが更に引き立てられる。


 タンドリーグリフォン肉はもうちょっと香ばしく焼いてカリッとしたところを作ったほうがよかったな、というのが次回への改善点か。やはりタンドリーチキンは炭火で焼いて、炭の香ばしさをつけるのがポイントなんだな。


 本格店舗の味わいまでは再現できないが、家で手軽に作って味わいを再現、というならここまで出来れば充分美味しいのだが、やはり本格的なものを求めてしまうのは人間の性。また今度、ダンジョン帰りにでもカレー食べに行くか。


 あっという間に食事は終わり、腹を落ち着かせる間クロスワードを二問解いて、その後で探索。今日も七十一層でしっかり稼ぐぞ、そして持久力がどこまで持つかを今日は計測していこう。このタイミングならちょうど正午あたりから探索が開始できる。


 いつもの帰りの時間を逆算して、六時間ほど体が持ってくれるかどうかはわからないが、何時間まで連続稼働が可能か、という点についても自分の限界を知っておくのは必要だ。ぶっ続けで戦い続けて魔力が先に尽きるか体力が先に尽きるか。どっちにしても回復が出来る以上、戦闘中にめまいや体力不足が来ない限りは大丈夫だろう。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 探索を開始したが今のところ順調そのもの。胃袋もすっかり落ち着いてきたが、軽く呼吸をするとまだタンドリーのあのスパイシーな香りが胃袋から戻ってくる。二度楽しめるなんて楽しい食事だったな。


 目の前のグリフォンを雷撃衝で倒すと、ドロップの肉が落ちる。またこれでタンドリーグリフォンをもう一度楽しめる。嬉しいことだ。今のうちに精々戦ってお肉をかき集めていくことにしよう。その内査定が開始されればこの肉もいくらか市場に流す必要が出て来る。


 名残惜しいがまたかき集めに来ればいいことだ。それに、七十三層以降ができたときも通り道として行き交う間にドロップは貯まる。自分たちで食べる分は自分で用意することにしよう。


 今はきっちり稼いでドロップ品を貯めこんで、まとめてドバっと出して芽生さんの懐も潤うようにしてあげなければな。これは俺が一人で溜めたから俺の分、という細かい区分けはしていない。みんなまとめて二人で潜る時に提出するってことでいいだろう。


 今更細かい金額でパーティー内の和を乱したくない、というのが一番だ。俺は今更細かい金額で云々いうつもりはないので芽生さんに利益が出るようにうまく配分するようにしよう。


 と言ってもインゴットの時同様、二人で潜ってる時にまとめて出せる分だけ出す、といういつもの方法でしかないのだが、芽生さん的にも細かいことはOKらしく、以前と同様適当に分割されてればそれでヨシ、という回答を得られているので、基本的には問題ないらしい。査定開始が待ち遠しいな。


 フカヒレも査定に出せるようになってしばらく経つ。そろそろ査定のお知らせが来てもいいころだろう。流石に今日明日でなるはやでよろしく、というわけにもいかない。グリフォン肉の美味しさや希少さが世に広まればこの肉にいくらの価値が付くのか、ということになる。


 フカヒレであれだけの値段が付いたのだから、実際の世界でも取れるフカヒレと違ってグリフォンの肉にはそれなりの金になる匂いがする。それにグリフォンの爪もそうだ。ダンジョニウム合金製の刀を受け止めるだけの強度、いろんな方面で使われるだろうことが予想される。どっちもいい商売にはなりそうだ。


 ただ、それほど供給が見込めないのが現状の問題点だが、それがかえって希少価値をつけさせて次次回価格改定では値上げをするような形になるかもしれない。それも相まって楽しみではある。


 今のところはただひたすらに回数を重ねてドロップを一つでも多く持って帰れるようにしよう。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 六時間、耐えきった。どうやら七十一層なら六時間、魔力切れを起こすこともなく戦い続けることができるらしい。流石に途中で水分を補給したが、カロリー切れを起こすこともなかった。グリフォン肉、それなりにカロリーが高いみたいだな。


 もしかしたら身体強化を維持する効果とかがついてたりするのかもしれない。今度実験してみることにしよう。もしかしたら効率よく体のエネルギーを使うような成分とか物質が含まれているのかも。ワイバーン肉はお肌が少し若返った気がするという話だし、こっちのグリフォン肉にも似たような効果があるのかもな。


 階段上にいるサメを撃破して問題なく七十層に戻ると、いつもの手順で七層まで倍速。すると、転移してくるダンジョンマスターが一人。


「ひさしぶりじゃのう」


 セノだった。


「よう、今日は伝言でも頼まれたか? 」


「一応リーンから連絡ということになっておる」


 やはりメッセンジャーの役目を請け負ったらしい。まずはここへ来た駄賃としてちゅ〇るを与えておく。


「リーンがワシの真似をして言っておった。ぶじダンジョンをたてられたゆえ、そっちでもわかっていることじゃろうがあらためてかんしゃする、ここはなかなかたのしめるかもしれぬな、だそうじゃ」


「ダンジョンを立てると自分では動けなくなるらしいからな。今はセノに頼むか、ミルコに通信して連絡を取るしかないってところなんだろうか」


「そういうことじゃの。ワシももうすぐダンジョンつくりおわるのでな。第一工事はもうすぐ終了じゃ」


 第一工事ってことは、ダンジョンを立て次第第二工事に移るということなんだろうか。そうなるとメッセンジャーが更に少なくなるな。次はネアレスあたりが俺のところに来る番になるのかな。


「そんなわけでしばらくのおわかれじゃな。もういっぽんもらってもええかのう」

「じゃあ手持ちの全部持っていけ。セノ以外に引き取り手もいないし、問題ない」


 保管庫からちゅ〇るを大量に出し、セノに渡す。


「これが手切れ金という奴かのう? 」


「まあ、もしかしたら俺がふらりとダンジョンに出向くこともあるかもしれないしな。その時のためにも一応の量は保管庫に入れておくとするよ」

「よろしくたのむ。では、機会があればまたあおう」


 セノは両手いっぱいにちゅ〇るを抱え込むと転移していった。元気でやるんだぞ。


 セノと会話していることで七十層から七層への暇つぶしの時間も良い感じに過ぎ去り、七層に到着したのでいつも通りダッシュで茂君を刈り帰ってくる。日常とは言え流石にちょっと飽きてきたな。ウォッシュでかいた汗を落とすといつも通り一層へエレベーターで移動し、退ダン手続きをする。


 査定カウンターは空いていたのでそのままリヤカーと共に突っ込み、査定をお願いする。順番に査定物を渡し、今日のメインディッシュであるポーション五本を渡す。これだけで二億九千万ほどになっているので今日の収入は中々の金額になっているだろう。


 しばらく待って査定結果が出る。今日のお賃金、三億六千八百八十万九千二百円。逆算すると、魔結晶だけでも一億ちょいの収入になっている計算になる。ちりつもってやつだな。これもあと半年チョイの稼ぎまでと考えるとちょっと惜しいが、稼いだかどうかと言われればもう先に充分稼がせてもらった。


 支払いカウンターで振り込みをした後いつものぬるま湯をもらって一服。バスの時間まではまだ少しあるのでここで考え事をしよう。グイっと飲み干すと、紙コップをゴミ箱へ。


 後はダンジョンがどういう方向性で日本政府や海外各国と歩調を合わせていくのか、それとも決裂して一部地域からダンジョンが消えることになるのか。そういう方向性で世の中を見ていくのも悪くない。海外情報も集める……ここはしばらく情報を色々と集める時期に来たのかもしれないな。


 新居の購入の問題もあるし、しばらく毎日通うのは止めて金稼ぎよりもより良い探索環境を目指すべく、ということだな。俺ももう小西ダンジョンから離れることはないのだろうと覚悟を決める時がようやくきたということか。


 ……正直、もう一年ぐらい早く決断しても良かったような気がするがダンジョンが踏破されて小西ダンジョンが消滅する可能性もあったことを考えたら、今の段階でようやく腰を落ち着けるようになった、と考えればいいか。


 しかし、いきなり新居というわけじゃなくてもいいんだ。まずは近所に拠点を設けて、そこから出勤することによる違和感なんかを考えて出撃する。そういう形で良いんじゃないだろうか。


 っと、考え事をしてる間にバスの時間がもうすぐだ、乗り遅れたら面倒だし、この時間の外は寒い。行きも帰りも自転車で、というのは勘弁ねがいたいところだ。バスが到着すると同時にバス停の帰りの列に並ぶ。


 きっちりバスに乗ると、また考えごとの続きを始める。この先どうしていくか。とりあえず、帰ったら夕食を食べながら不動産を色々と見回ってみよう。まずは物件があるかどうか。物件があれば内見をして、俺が生きていける条件かどうかを調べる。車は……一台分は置き場が欲しいな。地方だし、車の置き場の無い物件はあり得ないからその心配はなさそうか。


 バスの中でもスマホで不動産探し。やはりダンジョン周辺で空き物件はそうそうないか。しばらく色々とチェックするようにして、いい物件の話を見つけたら飛びつくようにしてみよう。場所が場所だけに一日二日で埋まる可能性だってある。


 不動産で儲けるつもりはないがこの先しばらくは小西ダンジョン周辺の地価は上がる可能性のほうが高い。居住地としても商業地としても、確実な集客が見込めるダンジョンという存在がある以上それだけの需要はあると考えられる。


 よほど運がいいか、よほど辺鄙な所か。たとえば私道を通らないと通行できない土地とか、そういうわけ有り物件でもない限りは空いて無さそうな雰囲気すらある。あらかた良さそうな土地は既にアパートやマンションになっているだろうし、一歩二歩どころではなく出遅れた感じだ。今更ながら情けなくも思う。


 どうすればいい、いや違うな。自分がどうしたいか、だな。ダンジョンに通うための一通りの物は保管庫に入っている。後は寝床と布団さえ移動させてしまえば、ほとんどのものが揃っているかを確認して、物件があればいい、という感じで探してみよう。


 しかし、家を借りるなり買うなりというのは初体験だな。どんな手続きや書類が必要なのかも軽く調べていかないといけないな。家に帰ったら……いや、調べる前に夕食だな。手軽にラーメンでも作って食べよう。今日は胃袋にそんなに欲求が来ていないので生卵を落としたインスタントラーメンでも食べて、料理時間をその分調べものに費やそう。


作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
いっそのこと、次のお願いでダンジョン内に私有地と家を貰えないか、聞いてみれば良いのでは?
 ぶっちゃけ、不動産屋にどこどこのどの辺りの土地を買いたいから、売りに出されたらすぐ押さえてくれって依頼した方が確保は簡単そう。
> ホカホカのタンドリーグリフォン肉」 をグリフォンの目の前でむしゃつくサイコパスおじさん > ネパール人」 食事中に両手を叩いてネパール人を呼びつけるおじさん > いや、逆だな」 タンドリーグリ…
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