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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第二十八章:新ダンジョンラッシュ

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1327:六重化実戦

 だんだん寒くなってきた。そろそろエアコン点けっぱなしで室温をコントロールする季節になってきたということだろう。とりあえず室温二十度でエアコンの自動オンオフ設定にしておいて、家に帰ってくるころには暖まっている感じにしておこう。


 いつもの朝食を作って食事開始。今日もいつものメニューだ。信州土産のお焼きは昨日の夕飯に食べてしまった。あれは中々美味しかったな。もっと色々買い込んで今日の朝食でも食べられるようにしておくべきだったか。まあ食べてしまったものは仕方ない、今日は今日でいつものメニューを食べて一日の活力を胃袋に入れていこう。


 朝食が終わったら昼食づくりだ。今日の昼食は何か温かいものを胃に入れてしっかりと戦っていきたいところではある。シチューもカレーもごった煮も最近作った。だとすると……メニュー表をごそごそと触って、手に触れたメモにはシュクメルリの文字。よし、あまり胃に重たくならない程度にニンニクとチーズを入れたシュクメルリを作ろう。


 基本はホワイトシチューと同じように作り、そこにチーズとニンニクを足すなんちゃってシュクメルリだ。後は俺一人が食べる分なので彩りを気にしなくていい。さて、今日は何肉を使おうかな。本来なら鶏肉を炒めるのがシュクメルリのメイン食材だが、今日は鶏肉の在庫がないので他の肉で対応するとしよう。


 今日はカロリーを取りたい気分なのでオーク肉でも使って脂身多めのシュクメルリと行くか。肉と玉ねぎをあらかじめ炒めておいて、出た脂でニンニクと人参とレンジで蒸かしておいたジャガイモをササっと炒めると、煮込む手前まで牛乳とバターを入れて煮込んでホワイトシチューのルゥを入れる。


 しばらく待てばいい感じに味の付いたシチューが出来るので、そこにチーズを好きなだけ加えてチーズが良い感じに溶け切れば完成だ。色々やり方はあるだろうが時短簡単レシピではこのぐらいだろうとかんがえている。最終的に美味しければよいのだ。


 チーズが溶け込んだことを確認して味見。ニンニクの香りとチーズが良い感じに混ざり合った美味しさが口の中と鼻を通り抜けていく。これでいいな。後はサラダをつけておけば十分だろう。キャベツとトマトときゅうりのいつものサラダに謎ドレッシングをかける。謎ドレッシングの汎用性が意外と高いことに気づいてきた。


 後はご飯が炊けたら炊飯器ごと保管庫に入れて……これでよし。後はニュースを見て……天気は問題なし。さて、着替えていつものあれをやるか。


 柄、ヨシ!

 圧切、ヨシ!

 ヘルメット、ヨシ!

 スーツ、ヨシ!

 安全靴、ヨシ!

 手袋、ヨシ!

 籠手、ヨシ!

 飯の準備、ヨシ!

 嗜好品、ヨシ!

 車、ヨシ!

 保管庫の中身……ヨシ!

 その他いろいろ、ヨシ!



 早めに出勤して、午前中は七十一層を試しに回ってみよう。午前中だけならなんとか自力で回れるかもしれない。せっかく六重化が出来たっぽいのだ、威力や持久力がどれだけ変わったかを確認する意味でも、ちょっときつめのダンジョン探索と行こうじゃないか。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 いつもより一本早いバスで到着した小西ダンジョン。やはり潜るなら慣れたダンジョンのほうがいいよな。どうせ構造も似たようなものなのだし、ダンジョンの内容も出てくるモンスターも同じ。違うのは何階層まで出来ているかと広いか狭いかの差。ただの日帰り旅行だったが、やっぱり地元が良いと感じるのは何故だろうか。これも愛着というものなのかな。


「入ダンお願いしまーす」

「安村さん今日は早いですね。一人ですか? 」

「今日は一人ですね。合流予定もないです」

「解りました、ご安全に」


 いつもの受付嬢と短いやり取りを済ませ、リヤカーを引いてダンジョンへ。日課の茂君をサクッと刈り取った後、七十層へ倍速ポチ。そういえば松本ダンジョンにも茂君はいるのかな。清州ダンジョンに居るのだけは確認しているが、他のダンジョンにも同様に茂君が居るかどうかは調べたことがない。今度暇なときに調べておこう。


 さて。暇つぶしに探索・オブ・ザ・イヤーの相場欄を見ると【雷魔法】の相場に上昇傾向がある。どうやら俺が高めの値段で買い求めていたのを参照されたのかもしれない。しかし、どうやってこの相場情報調べてるんだろうな。前に坂野ギルマスも言ってたが、ダンジョン庁内部に情報漏洩者がいるのかもしれないな。おかげで資金の用立ての見積もりが簡単なのは有り難いのだが。


 最近縁のあった【生活魔法】は五百万値上がり、【水魔法】は現状維持、【風魔法】は値下がり傾向、【土魔法】は低い所を維持。この辺も大きくは変動していない。五百万は充分大きい金額だと言われたらそれまでだが、スキルオーブの中では比較的数字変動が小さい部類に入る。【索敵】と【物理耐性】は相変わらずの高止まりだが、【魔法耐性】が徐々に上がりつつある、というのが相場観らしい。


 ここで【魔法耐性】が値上がりし始めるということは三十三層以降でダンジョンヴィーゼルの風魔法に苦戦するシーンが出てきたのか、それともケルピーに水魔法を撃たれているのか。流石にカニうま島近辺で苦戦することはないとは思うが、あのショットガンは初めて撃たれるとショックかもしれないし、それを機にして全員の防御力を上げておこうという気にでもなりつつあるのかもしれないな。


 続いて広告欄を見る。随分前の号と比べてみたが、やはり全体的に高級な装備の広告が打たれてきてるようになっている。それだけ探索者の収入具合も上昇傾向にあると言えるのだろう。金が溜まったら新しい装備を新調して更に奥へ、もしくは長く探索できるように持ち物の持ち替えなんかで出費が細々と出ることになるんだろう。


 とりあえずしばらくはスーツのままなので買い物の予定はない。籠手も買ったし装備はまだしばらく大丈夫だろう。この先の階層に行くなら話は別だろうが、今のところ新しくする予定はないのでこういう商品もあるのか、程度に流し見していく。


 この辺りもB+ランクが増えてきたらもっと高級品があふれてくるんだろうな。B+ランクにもなれば一日の収入も……えっと基本的な四人パーティーだとして……他のパーティーも居ると勘案して四百万ほどになるだろうか。それだけの収入を得られているなら装備も潤沢に交換できるだろう。


 さて、七十層に着いたのでいつも通り……ではなく、今日の午前中は七十一層へ行く。対グリフォンの試しプレイだ。六重化できたであろう【雷魔法】の、覚えた分の魔力保有量のあがり具合と火力アップを確認することが目的だ。早速車を出して七十一層へ。これでラジオが聞けたら最高なんだが、ラジオの周波数までには対応していないらしく、ザザザザッと音が入るだけだった。


 諦めてラジオを切ると、ほんの数分間の車の運転をして七十一層側の階段へ到着する。車を収納するとほほを軽くたたいて気合を入れ、七十一層の階段を下りる。


 七十一層に下りてすぐ真上にいるサメをビシッと雷龍で撃ち落とし、ドロップ品を回収。さあ、いつものここから開始だ。グリフォンに出会うまでに色々と考えながら進む。


 すると早速現れてくれたグリフォンとサメ。雷撃衝のイメージをさっさと作り出すとグリフォンに向けて投射。グリフォンは一発で黒い粒子に還っていく。よし、いけるな。心なしか、威力も上がっているように見える。六重化の分だけ少し火力も上がっているらしい。これで七十一層は俺一人でも潜れるようになったのではないか、という自信につながる一発だった。


 サメも雷龍できっちり落とし、ドロップを拾いに行く。ここは遠距離で戦うのが安全ではあるんだが、ドロップを拾いに行くのが少し面倒かな。まあ収入のためだし第一回目の戦闘には問題はなかった。このまま何回か戦闘を繰り返して無事に戦い切れるかどうか、午前中の時間を利用してグルグルと回っていこう。


 グリフォンを確殺できることは間違いないが、二時間ぶっ通しで戦い続けられるかどうかはまだ判断できない。とりあえず倒せたということで第一段階は突破できたと言えるだろう。


 しかし……ここは一人だとより寒く感じるな。六十九層も似たような物ではあるものの、やはり二人で潜って戦うほうが気が楽でいいし会話もできる。七十二層に潜るつもりはないとしても、七十一層でしっかりと稼いで行く方が無理がなくていいだろう。


 いや、まずは回数を重ねて雷撃衝をグリフォンに放ちつつ、午前中しっかり戦い続けられるかどうかを確認するのが先だ。よそ事は考えずに集中して戦っていこう。


 ◇◆◇◆◇◆◇


 一時間経った。どうやら順調に戦い続けることはできている。危ない場面は特になく、サメ二匹が同時に来たとしても雷龍を同時に二発撃てるようになっていることに気づいたのでグリフォンがいないときは完全に安全な活動が出来ることになった。この調子だ、どんどん行くぞ。


 一時間でキュアポーションも出たし、良い感じで探索が進んでいる。このままもう一時間半ほど引き続き戦い続けて調子を見よう。今のところ体調にも精神にも魔力的にも不具合は出ていない。この調子で今少し体が持ってくれれば上等だな。


 グリフォンに雷撃衝。サメとエイに雷龍。近接攻撃は基本的にしない方針で、離れているうちに確実に倒す。この戦法で間違いはないらしいので調子よく探索を続けられている。


 俺にはこれが今一番向いている戦闘方法なのだから、わざわざ面倒くさいことをしてペースを崩す様なことをするのは今日の目的じゃない。午後も、出来るなら回ってみてそのまま継続して戦っていけるかどうかを確認しよう。ちょっとでも不調を感じたらすぐに六十九層に戻って大人しくいつものフカヒレ集めだけに集中できるよう、できるだけ階段が見通せる場所をグルグルと時計回りに回る。


 しかし、慣れるとどうしてもここをこうしたらいいんじゃないか、という改善案を試したくなるのは悪い癖だな。まだ初日なのだから大人しく必勝法に従って戦っていけば問題はないのだ。焦る気持ちをグッと抑えて探索に集中する。


 良し、二本目のポーションも手に入れることが出来た。これは中々に美味しい午前の部。これは午後も継続してやってみて、七十一層で活動できるかのテストをしておくべきだな。そうとなれば、時間まで普通のペースで戦ってみよう。何か新しく得られるものがあるとは思えないが、自分の限界にチャレンジするという意味では必要だろう。


 雷魔法も六重化したことで、次には七重化が待っているが、きっとそこにもまた新しい越えなければいけない壁みたいなものがあって、それをクリアしないことには七重化することは不可能だと考えておいたほうがいい。


 しばらくは楽をさせてもらえそうだ。今までのダンジョン作成時間から察するに、今年中にダンジョンの新しい階層が出来上がる可能性は低い。ゆっくりここで探索しつつ、グリフォンの肉と爪の査定開始が始まるほうが先になるかな。


 爪と肉にいくらの価値が付くかは知らないが、先行者利益としてここも美味しく頂いておくことにするか。爪も肉も充分な量がストックされているし、それでもポーション一本か二本分ぐらいの利益しか出ないだろうけどないよりはマシだ。


 グリフォン肉はワイバーン肉より高くなることは既定路線だろうし、爪も上の階層のドロップ品である亀の甲羅やワニ革よりはそれなりに高く買ってくれそうなものだといいな。しかし、この爪何に使うんだろう。ダンジョニウムの研磨や切削用の工具として利用したりするんだろうか。


 確かにダンジョニウム合金よりも硬い素材であることは間違いないし、肉に関しても美味しさは担保されているようなものだ。その為に多めに材料を提供した分もある。それにしてもそろそろスキルオーブが他の階層で出てくれてもいいような時期には来ている。


 ここのエイから【生活魔法】はドロップしたが、同じだけ戦っているサメと、それほど数は居ないもののグリフォンともそこそこ戦い続けている。スキルオーブが出るなら今ぐらいのタイミングで出そうなものだが、タイミングが良ければ必ず出る、と決まっている訳ではないのもダンジョンの仕組みの一つだ。ここは大人しく出るまで待とう。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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そう言えば電話回線は通ったけどネット回線はどうだったかな?詳しくないからなんとも言えないけど、ネットができるならradikoといったアプリを通して聴くといった手段がとれる。ラグはあるけど殆ど誤差な範囲…
> 仕方ない」 妥協のルーティーンメニュー > 重たくならない程度」 基本追いチーズのおじさん > オーク肉」 消費期限の怪しいオーク肉 > 好きなだけ加えて」 リミッターを外すおじさん > …
わざと公式じゃない形で小出しに漏らせてるンじゃないかな?と思っています。
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