透けてんじゃねえよおおお
グオオオオオオオ
「まだまだ元気ですよねそりゃ。」
結局神殿の中に入ったからといって何をしてもいいか分からないぞ自分。いやいやまさかこの竜に攻撃を仕掛けて削りきるなんでことはできませんけど?え?ほんとにやるの?
以前として禍竜はその憎悪を抑えることはなくキョーカに向かって走り出す。キョーカも慌てて大きく旋回、竜の礫がキョーカの右側に叩き込まれる。吹き飛ぶ地面と粉々になった岩々、キョーカは抉れた地面を見て改めて禍竜の強さに冷や汗をかくも、ここらで思い切って槍で一撃入れてみることにする。
「あああああ【切れ味強化(小)】槍を喰らえええ」
スカッ
はあ?
キョーカの槍は確かに禍竜の腕の付け根を的確に突いた。しかし、槍が触れた瞬間に竜の体をすり抜けてしまった。そこを逃すまいと竜はキョーカにゼロ距離の突進。距離を稼いでいないためにさほど威力は出なかったその体当たりでもキョーカの体力の半分が削れてしまった。
「嘘だろなんで槍がすり抜けんだよ!!!」
しかしなぜ体が透けたのか…
「あ、そういえば魔力の塊(推定)なんだったね君。そりゃすり抜ける部分もあるかも知んないよね。…ふざけんな!!!!!なんでちょうど攻撃した部分なんだよ!!!!!!!!!!」
減った体力を少しでも回復しようとポーションを飲む。辛うじて7割まで回復したこの現状でキョーカに出来ることはなにか。やっぱりこのまま走り回って増援を待つ?それともここからトンズラする?
いや違う。
今やるべきは…
「更なる攻撃だあああああああ」
グググっ、パキンっ
キョーカが攻撃したのは爪。爪は先程自分が凹ませた事を思い出したのでもう一度同じ位置に攻撃を入れてみた。そしたらなんとびっくり爪をおることが出来ました。…これを全部やるんですが、いけるんでしょうか。
禍竜は自身の爪が矮小な人間に切られたことを改めて認識すると、体のあらゆる部位から憎悪の煮えたぎる感情が沸き上がり、激昂状態に入った。移動と同時に地面をガリガリ削って進むその姿はまさに災害とでも言ったものか。キョーカは地面が削られていくのを遠くから見ることしか出来ないのか。答えは否である、キョーカは続けざまに禍竜の後ろ側へと全力で走り出した。キョーカを追いかけ旋回を始める禍竜と、負けじと竜の尻尾を目指すキョーカ。そう、キョーカは竜のしっぽ切りを狙っていたのだ。そして竜の尻尾の全容を見た時にとある違和感を発見した。
「あれは…」
何かの棒?




