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エピローグ

 駅に向かう悠生の背中が見えなくなるまで、私はその場に立っていた。


「…行っちゃったか。」


 やっぱり、悠生には勝てなかったなぁ。


 ため息が白くなって、冬の張りつめた空気の中に消えていった。


 少しだけ、がっかりしている自分に気づく。


 私、何かを期待していたのかしら…。


 …自分で決めたことなのに。


 そうね。一度、どろどろに溶けてみるのも――悪くなかったかもしれない。


 もしもあの時、悠生と…


 慌てて首を振る。


 今はもう、そんなことを考えたって仕方がない。


「行かなきゃ、ね…。」


 私はこの町を出る。


 あいつと過ごしたこの場所を、ずっと支えられるように。


 もう、隣には立たない。


 だけど――


 同じ時間の中を、生きていく。


 それでいい。


 …それがいい。


 私は一度だけゆっくり振り返った。


 薄暗い境内には、誰もいない。


 この静けさを、この孤独を、胸に刻んでおこう。


 空を見上げる。


 雲の切れ間から、ちらちらと白いものが落ちてきていた。


「……雪」


 私は少しだけ笑って、呟いた。


「今さら遅いのよ…」


 ううん、そうでもないか。


 聖夜をロマンチックに飾る演出は、あいつとあの子のためにはあっていい。


 そして私は――歩き出した。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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