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小川の風
晴れてよかった
サイクリング日和
写真で見た小川まで
君とこいでゆこう
おそろいのリュックしょって
サンドイッチを忘れずに
急な上り坂
いくつも越えてきた
木のトンネルを抜けると
見覚えのある風景
自転車を投げ捨てて
転がるように下りていこう
小川の水は透き通り
太陽映して光ってる
底から浮かんでくる泡は
何かが生きてる証拠だね
今 何時だろう
砂利の上もうまく
歩けるようになった頃
広げたシートの上
君はいつしか眠ってる
僕は何をすればいい
小川の風の涼しさに
素肌ゆだねて見上げれば
木の葉もそっと身をまかせ
グレイの影を揺らしてる
まぶしい空に
薄くのびた雲は
水色の夢を横切った
ひこうき雲の残骸
瞳を閉じても見える
きっともう焼きついたよ