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僕はベッドの上で動かずにいた。
窓側からは太陽のあったかい日差しが東の方からカーテンの隙間をくぐり抜けるように差し込んでいる。
僕は寝ているのではない、ただ動けないのだった。
じっと固まった僕の身体は夜でもないのに"かなしばり"にでも合っているのかとも思う。
しかし、僕は特に驚くことはなかった。
今日は、休日だ。
身体が動かないことはいつものことである。
僕はただ唯一動かすことが出来た目を閉じた。
目を開けると窓のカーテンは開いていて、窓枠で切り取られた真っ黒な景色が映し出されていた。
ベッドの周りを見ると、なぜだか沢山の丸まった紙くずが落ちていた。
「はぁ、また散らかってるよ。」
僕はその紙くずをベッド横の小さなテーブルに全部乗せて、またベッドに横になってその紙くずの一つをテーブルから取った。
くしゃくしゃに丸くなった紙を広げるとよく分からないメダルが1枚入っていた。
「なんのメダルだろ?」
僕はその紙くずだけゴミ箱に捨ててまた、次の紙くずをテーブルから一つ取った。
広げると誰が噛んだか分からないガムが入っていた。
「きもちわるいなぁ。」
僕はまた広げた紙を丸めてゴミ箱に捨てた。
「しかし、なんとなく紙を広げてみたけど中になにか入ってるとはな。」
僕は隠された宝物をなんなく見つけることができた優越感を感じて一人で笑った。
僕はまた、メダルのような何かしらの物が他にもないかと他の紙くずも全て広げたが特に何もなかった。
「なにもないかぁ。この1枚のメダルだけか。」
右手にメダルを持ち、じっと見つめた。
しかし、どこのメダルかも分からないそのメダルはただのゴミであった。
「いらないなぁ。」
僕はベットからゴミ箱にメダルを投げた。
しかし、今まで紙くずを全て外すことなく入れていたのに、メダルだけゴミ箱を外してころころと床を転がってしまった。
僕はベッドから立ち上がってメダルを拾いゴミ箱へと捨てた。
「あれ、なんか書いてるな。」
ゴミ箱を覗いた僕はさっき捨てた紙くずの一つになにか文字が書かれているのを見つけた。
僕はその紙くずをゴミ箱から拾い出し、その文字を見た。
その文字は誰かのメールアドレスだった。
「誰のメールアドレスだろう?」
僕はアドレスに"rika"と書かれた"リカ"という名前であろう人の存在に疑問を持った。




