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第四話

時に勇者とは勉学にも励まなければならない。


「レオン、問題は解けましたか?」

「まぁ……一応…」

「どれどれ?」


1.コルチェスト王国一の軍人リーズが残した名言『( )と( )だけが( )なり』の( )に当てはまる語を書きなさい。


A.(忠誠)と(死の覚悟)だけが(兵士の持つべきもの)なり


ダイチA.(愛)と(勇気)だけが(友達)なり


2.ユーフラミンスの実には何が詰まっている?


A.猛毒


ダイチA.夢と希望


3.サミュエリック・モーガン著の『夏の風物詩』に書かれている燃え盛る夏を表すものを答えなさい。


A.一夏の恋


ダイチA.熱闘甲○園


4.魔王の神殿『オスタロワクス神殿』は別名何と呼ばれている?


A.シーラのカルパッチョ


ダイチA.オタク神殿


5.リーズが死に際に妻に残した言葉を書きなさい。


A.来世でも僕を踏んづけてください


ダイチA.実は僕、アン○ンマンに憧れていたのさ




「五問とも不正解ですか。そこに正座しなさい」

「待てレオン! 全解答ふざけたことは謝る! だけど最後の2問は明らかに分かるわけないだろ!?」

「何故ですか? 両方共有名じゃないですか」

「知るかよ!? 4はどこが繋がってるのか分かんねぇし5は完全に変態の言葉だろ! つかリーズって1でかっこいい言葉残して何で最後が変態発言なんだよ!?」


珍しくダイチが体を大きく動かし全身で抗議する。

あの後街から城へと戻ってきた俺達はマナの希望もあり勉強をすることに。

まだこの国の歴史や仕組み、食べ物のことについてあまり知らないマナ達は現在進行形で勉強中なのだ。

俺はそんなマナ達の勉強の教師役。

ダイチが俺を名指ししたということもあるが、教えてもらうなら知っている人がということでその時ダイチ繋がりで既に知り合っていた俺がいいと他の3人も希望もしたため、俺が教えている。


ダイチのこの問題は割とレベルを下げて出したのだが……。

どうやらダイチにはこれでも難しすぎたらしい。バカだから。

大事なのでもう一度言おう。ダイチはバカだから。


「くっ……! レオンがここぞとばかりに俺をバカ扱いしているっ!」

「何で人の考えが分かるんですか。そういうことを習得する前に覚えること覚えてください」


騒ぐダイチに別の問題を解いていたリクトが顔を上げ一言。


「黙ってろバカ。確かに4.5はそこそこ難しいが1.2.3は分かるだろ。何だよ詰まってるもの夢と希望って。中2病かお前は」

「うぐっ……! 言われたことが正論で言い返せない…!」

「でも4番は結構うまいですね。略してオタク神殿ですか。バカだけど」

「リオまで!? フォローしておいてバカにするって何だよ! 最初のはフェイクか!?」

「本当にうるさいわよダイチ。大体4番って旅の途中で聞いたじゃない。ダイチ美味しそうだって言ってたし」

「え、マジ!?」


あぁ、やっぱこいつバカだ。

顔と剣の扱いだけはいいんだけどな。

しばらくの間ダイチが落ち込み、椅子の上で三角座りをして黙りこくる。

当然部屋全体が静かになり、3人のペンを走らせる音だけが響くようになる。

問題を見て、ペン回しをしながら思いついたようにペンを走らせーー。

そんな3人は俺から見て相当頭がいい。

覚えがいいというか吸収が早いというか。

普通なら何年もかけて覚える量をたった数週間で頭に詰め込んでいるのだから。

実を言うとダイチも頭が悪いわけではない。

覚えはそこそこだし、もっと積み重ねばそれなりに定着すると思う。

ただ頭が悪くなくてもバカだけど。


「ではダイチ。土下座か、正座で頭を床に着けるかどちらか選んでください」

「どっちも同じじゃん!? つかさっきまで正座だったよな!? いや、しないけど!」

「ダイチさん、ここ教えてください」

「わかりました。じゃあダイチはとりあえず正座して待っててください」

「無視!? そしてとりあえずで正座かよ!?」


ダイチの止まらないツッコミにリクトが思わず吹き出し、それにつられて俺やリオ、マナまでもが笑い、一気に部屋が笑いに包まれた。


「ほんと、ダイチって期待を裏切らないよな」

「ボケもツッコミも対応できるからね」

「見てて飽きないもの」

「そういうところは嫌いじゃないですけどね」


ちょっとからかいすぎたかもしれないな。

仕方がないので正座はやめにし、マナの質問に答えてから休憩に入ることにした。





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