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重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
初陣

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38/48

乱戦(1)

数少ない、ここまで読んでくださっている読者様へ。

長らくお待たせしました。

「これよりザクセン大佐の弔い合戦だ!!」

 アレン・クロウ・エルドリッヂ大尉率いるソード1部隊5機が、46部隊を殲滅すべく出撃した。

 作業用を含む機種がバラバラで寄せ集め感の強い46部隊の3Gに対し、軍用機として評価の高い「ランサーストラトス」で統一されたジフォス中隊の3G。隊長機であるアレンの機体はランサーストラトスの上位機種「エクリプスランサー」だ。

「敵は5機だ。脳波リンクして、各機タイマンで足止め優先。ソード2、3が到着するまで、1機も逃がすなよ!!」

 ACEと呼ばれるアレン大尉の指示でソード1部隊の5機が散開しながら、マシナリードーピングにより加速された思考で担当を即決する。アレンは隊長機と思しきアッシュハウンドに狙いを定めた。

 アッシュハウンドは後発の民間軍用機でありながら、補助AIによるサポートシステムに優れた機体だ。安価な機体そのもののスペックは決して高くないものの、アクセサリーによる汎用性の高さから反乱軍に人気の機体である。データにない正体不明の白い機体は気になるものの、隊長機を潰すことをアレンは優先した。

 ローガンは敵のエース機が自分を標的にしたことを一時的に安堵する。エース機が戦闘能力のないゲラルドを狙ったら、確実に落とされるところだからだ。

「誰でもいい!! ゲラルドを逃がせ!!」

 安堵したとはいえ、敵のエースを相手にゲラルド機を援護する余裕などローガンにはない。

 セーブルのハイホークXもロートル機だ。しかもハイホークXはクラフターの護衛もしなければならない。老朽化したサポートシステムでは、ゲラルドの援護まで手が回らないのは明白だ。

 ゼナのスノーバードはランサーストラトスよりも性能が勝ってはいるが、PPA(Photon Phase Array)による近接戦特化により援護は不向きだ。

「ちいっ!! 難儀なミッションだぜ!!」

 ゲラルドを気にしながらも、ローガンはアレンの攻撃を躱すことで精一杯だった。


「ダルマ野郎は俺が相手してやるよ! 援軍を待つ必要はねえ!!」

 血気盛んな若いダイバーであるマイクが、手足を失ったブルドッグⅡに襲い掛かる。Gサイクロトロン銃を乱射し、確実にブルドッグⅡのダメージを蓄積させていった。しかしゲラルドは構わず敵のランサーストラトスへと驀進していく。

「しゃらくせえ!! こちとらタフさと頑丈なのが売りなんでえ!!」

 頭部を吹き飛ばされ、被弾しながらもブルドックⅡは超高速で真っ直ぐ突っ込む。ゲラルドはGBUシステムによるGフィールド内のGを最大マイナスGに変えることにより、銃弾の威力を軽減させていた。1Gに固定されていないブルドックⅡのコックピット内の肉体は、マイナスGにより皮膚の毛細血管から血を噴き出している。

「生きてりゃ、勝ちだ!!」

 マイクのランサーストラトスは銃弾の壁で止めようとするも、致命傷は与え切れていない。しかしそれでも距離が近くなれば銃弾のダメージは加速していくはず・・・

「!!」

 ランサーストラトスのGサイクロトロン銃が爆発音とともに消え失せた。

 グングニルの狙撃だ。

 正面衝突をすればランサーストラトスには分が悪い。高速戦闘に特化された機体の装甲は、決して強くはないのだから。

 日和ったのはランサーストラトスの方だ。

 ぶつかる寸前に避けたマイクだったが、超高速のまま真っ直ぐに突っ切ったブルドッグⅡを結果的に逃がしてしまうこととなる。

「あばよ!! 死中に活をありってな!!」

 ブルドッグⅡは戦線を離脱することに成功したのだった。



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