第十章 被災地復興問題
毎年の様に襲い来る天災によって日本各地に被災地が発生しております。
毎年ペースで発生し続ける被災地に対して、国庫から復旧費はともかく、復興費を捻出し続けることは不可能と言わざるを得ないでしょう。
現状、余程の巨大被災でもない限り、最終的には復旧から現地自治体へ復興費が移管され、国庫からの予算も打ち切られるはずです。
しかし、この様な状態で全国の被災地が復興を果たせるのでしょうか?
被災を受けた地域が都や府並の大都市ならば、まだ自力で復旧の後、復興も果たせましょう。
しかし市町村、集落レベルともなって来ると、些か事情は異なって参ります。
一度、被災した土地は、復旧の段階で現地住民達に対し、自らの住居ないし「住居跡地」を前に『残るべきか、去るべきか』の決断を迫るはずです。
人口の流失です。
どちらが正しいとも、悪いとも言えません。これは不可抗力なのです。
当然、残った者には復興へ向けた苦難の道程が待っていましょう。
人口も減少が見込まれ、復旧の段階ではボランティア等が応援に来てくれる事もあるでしょうが、復興ともなれば、もはや現地住民のみと考える事が基本だと申し上げます。
この時点で「集落」などの人口力に劣る、自力によって再興力が失われた土地は、廃墟化する可能性があります。
希望的観測として、流出していた住民の帰還も見込めますが、失われた住居を再建する為には個人資産としては決して少なくない費用が必要な事に加え、全国で建築工の需要や、素材の需要も高まっております。コロナ禍もまだまだ経済に暗い影響を落しており、条件は厳しいのではないかと考えます。
ただし土地の自治体が公営住居を建て、そこに移住するという形でならば、まだ流出した住民が戻って来れる可能性は出て来るでしょう。
復興における自治体に対して、人口流出は、そのまま財源枯渇にも直結致します。
人出の問題だけでなく、自治体としての活動費用が回収できなくなり、自治体として、できる事の限界が自ずと狭まってしまうのです。
国や県などが支援してくれたとしても、それは一時の事であり、平時に戻れば老朽化した、それらを補修するのは現地自治体費用からだと突っぱねられてしまうでしょう。
ですから最終的に自治体独自での財源確保は、将来的に考えておかねばならないお話なのです。
その提案をしたいと思います。
まず第三章で触れました研究ですが、国庫から支援金を出してでも「お試し推奨されている」システムや、研究テーマがないか探して見て下さい。
そういうものに協力するだけでも、予算は入りますし、直接的に技術が関係なくとも、人脈が広がる事もございます。
ただ、何でもいいという話ではございません。研究内容と品質だけは他の方面からも、よくよくお話を聞いて導入検討されると良いでしょう。
また可能な限り、復興事業に関係しているものが好ましいでしょうね。
お金だけが目当てで、あとは好きにさせるのも結構ですが、それでは復興に対する搾取であり、研究に対する冒涜です。絶対に止めて下さい。
次に現地に踏み止まった民間企業の皆さんで出資し合い、新たに「複合企業組合(以後、組合)」を興して見て下さい。
この出資「可能限度」額は、例えば去年の収益を換金換算して、〇%として定めれば良いかと思います。
豪農の方であれば必然的に大口出資まで可能となり、零細農家の方であれば、どうしても最小限度額に留まります。
出資が絡みますから、出資%の大きさによって発言力が高まると思います。基本的には「共産事業組織」であり、皆の利益に供する会社、という立ち位置です。
例えば、今までは〇〇様のところで田植え機を借りていたところを、組合で田植え機を購入する事になり、組合に申請すれば田植え機が借りられるようになり、地域全体としては稼働率が二倍になった、という考え方です。
ただ、組合には出資が絡んでいますので、備品の使用順番には出資%の高い方ほど一番発言権が高くなる傾向はあるでしょう。
それでも零細農家様でも規定額ではなく、規定収益の%での出資を収めていただけるのでしたら、順番は遅くなりますが、農耕機械を使うこともできるようになります。
現地の企業であれば、大企業から零細企業まで何でも構いません。
この組合は、内容的には「町内会」的なものですが、町内会では投機対象にできませんので。
加えて、組合へは外部からの参入…つまり、地元への新規参入も同時に公募するものとします。
私は実のところ投機経済には疎いので具体的な準備手続きや、そもそもプランニングの有無について語れないのが苦しいところなのです…なので、ここからは完全に理想論のみになってしまいます。申し訳ありません。
この「組合」を投機窓口として全国区へ向けて『復興投資』を募ります。
海外へも投機窓口は開きますが、日本国と同盟国、または経済友好国と限定し、いわゆるレッドチームを排除した形での投機姿勢を敷くものとします。
さて、そうなると『投資して儲かるか儲からないのか』というシビアな話になって来る訳で、現地が復興しようがしまいが、国内外の投資家にとってもは「どうでもいい話」になってしまうと考えましょう。
これを説得しなければいけません。
復興地の生産力、その特色、流通力、情報発信力、消費性、商品の訴求対象層、訴求地域ないし都市がどこなのか、既存売買契約状態、四半期計画、収益に至るまでのロードマップ、ロードマップの実情との誤差、組合構成状態と内部・外部への取り組み活動などなど…。結果として質の良い情報とお金になりそうな良質な判断材料を、どれだけ積み上げられるかがシリアスに問われます。
これに納得してくれた投資家が初めて投資してくれるわけです。
同情は期待しない方がいいですね。あくまで、どんな利益が出せるかどうか、です。
そうして収穫した農作物を、直接、加工店へ持ち込む契約を結び、換金したとします。これは組合の利益となり、そこから投資家様達への配当金が抜かれ、残金が残ります。今までの経費をどう処理して来たかによりますが、諸経費を抜いた残りが組合としての純利であり、組合としての財産になります。
ただただ努力したり、まして労働するだけでは投資を呼び込む事はできません。
これには「才覚・才能」が必要です。
現地に、そんな商才を持った人材が踏み止まっているのならば僥倖と言えるでしょうが、いないとなれば組合で雇用される事を推奨致します。
彼らはプロですから、例え組合利益が少なくなろうとも、組合利益内で済ませられるのならば専門家を雇用するべきです。
そして、その方針に従うことです。妙なプライドや我流を持ち出して、投資家へ報告した内容とは違う、裏切りに近い逸脱行為を働いた場合、待っているのは復興どころか破滅しかありません。目的を見失わないことです。
この方法ならば国内のみならず海外からも投機を呼び込める可能性があり、かつ、投機事業が過熱し難い第一種産業界です。投機ショックのような悲惨な程の過熱には至らず、程々に制御できるのではないかと期待するものです。
また復興が完了し次第、残金状態を鑑みて投機対象からは外し、平時の生産状態へと戻せば良いかと考えます。
最悪、復興事業に失敗したとしても、倒産して消えるのは「組合」であり、個々の生産者様ではありません。
負債が生じていたとしても、出資%に応じた負債返済として個々に課すれば、零細農家様も危難を最低限に避ける事はできるのではないかと考えます。
あまりにも負債が巨額であった場合…何で、そんな事態に陥っていたのか究明する必要はあるかと思いますが…何割かは国庫が肩代わりをして救済し、復興の手助けしてあげてはと考える次第でございます。




