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忍者の末裔は忍ばない ~ダンジョン産のアイテムで一般人が化け物みたいに強くなったから、俺も本気を出して良いらしい~  作者: 木塚 麻弥
第3章 忍者と主君

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第42話 〈配信コメント欄〉

 

『立ち止まらない方が面白いんじゃね?』


 そんな発言をする蓮が走りながら50階層の中ボス部屋に向かっていた時、配信のコメント欄は大盛り上がりしていた。


〈止まらない方が面白い、ってwww〉

〈いや、確かにおもろいよ。見てる分には〉

〈でもそこA級ダンジョン50階層な〉

〈コイツ頭おかしいんちゃうか〉

〈いやいや。君らこそ何言ってんの〉

〈彼らはシノヴァーズだぞ〉

〈共に輝く新星たちに不可能はねーよ〉


『それじゃこのままレッツゴー!!』


〈レッツゴォォ!!〉

〈行っちゃぇぇぇぇ!〉

〈中ボスなんてぶっ飛ばせ!〉

〈ん、でも待って〉

〈ここの中ボスってたしか──〉


 配信ドローンが撮影する映像が、ボス部屋に場面が切り替わる。


 そこに現れる巨大な人影。

 巨人、ヘカトンケイル。


〈コイツ物理攻撃効かないじゃん〉

〈効かないわけじゃねーよ〉

〈そそ、ちょっと硬いだけ〉

〈レンなら何とかするっしょ〉

〈レン? なんで?〉

〈お前らもう忘れたんか〉



焦熱(しょうねつ)極星(きょくせい)・ノヴァ!』


 一瞬で中ボスが()()した。


〈あっ〉

〈あっwww〉

〈そっか、スイちゃんがいたんだ〉

〈レンとハヤテの配信のイメージだった〉

〈おい、我らがスイちゃんを忘れんな〉

〈さっきまでも活躍してただろ!〉

〈てか火力ヤバすぎwww〉

〈巨人さんが蒸発した……〉

〈アレは喰らいたくないな〉


 ザワつくコメント欄。

 しかしこれはまだ序章であった。 


『はい、次に行くよ!』

 

〈えっ〉

〈……は?〉

〈あの、中ボス倒したんだけど〉

〈もしかしてもう進むの?〉

〈『スイの魔法スゲー』とかもなし?〉

〈なんか当然だろって雰囲気だけど〉

〈スイちゃん褒めれよ!!〉

〈でも不満そうな顔してないな〉

〈か、顔?〉

〈仮面してんだから分かるわけねーだろ〉

〈たしかにwwwww〉

〈あ、ほんとにポータル起動しやがった〉


 蓮たちが60階層に移動した。

 

 画面が切り替わった時、蓮は既に歩き出していた。躊躇う様子もなく、彼は真っすぐ60階層の中ボスであるアーバンスパイダーに向かって行く。


〈今度はレンが戦うのか〉

〈リーダーの出番だ!〉

〈待ってました!!〉

〈最強ポーターの実力見せたって!〉

〈でも10階層分の強さ上乗せが……〉

〈マジでいけるんか? 60階層やぞ〉

〈流石に戦い長引きそう〉

〈あの糸って鋼鉄の硬さだよな〉

〈スコップで斬れるのか?〉


『颯、見てて。コイツの糸を切るにはコツがある』


 糸を容易く斬っていく蓮。


〈んな馬鹿なwwww〉

〈スパスパ斬りすぎぃぃぃ〉

〈もうなんなんコイツww〉

〈えと、それ鋼鉄の強度なんですよね〉

〈もはや錯覚に見えるわ〉

〈てか見ててもどうやって斬るか分からん説〉

〈そwれwなwww〉

〈ハヤテに斬り方を教える気ある?〉


 

 そのまま蓮は、ひとりでアーバンスパイダーを倒してしまった。


〈わ、わーお……〉

〈ソロで倒しきっちゃった〉

〈流石にヤバくね?〉

〈同じこと出来るA級いるかな?〉

〈S級でも少ないと思うぞ〉

〈まぁ深淵1層突破の時点で蓮はS級以上〉

〈そろそろS級の上の等級がいるな〉

〈SSとか?〉

〈ダンジョンも拡張されたし、別指標だな〉

〈うん。強さの細分化も必要〉

〈ダンジョン管理局がなんか考えるだろ〉


『よし、次!』


 再び蓮がポータルを操作し始める。


〈おいおいコイツ死ぬぞ〉

〈さすがに70階層へのスキップはヤバい〉

〈次はツインヘッドレックスだったかな〉

〈ふたつの頭が炎と電撃放ってくる〉

〈防御面もヤバいぞ〉

〈それは対魔鱗のことやね〉

〈対魔って言うのに斬撃も効きにくい〉

〈こいつら、打撃系おらんくね?〉

〈ハンマー持ちはそもそも少ない〉

〈70階層で足止め喰らうA級多い理由だ〉


 流石に次で止まるはず。

 視聴者たちの多くはそう思っていた。


 しかし、シノヴァーズは止まらない。



『せいっ!!』


 奏多が放った一撃でツインヘッドレックスが地に沈む。


〈カナタつえぇぇぇぇぇ!?〉

〈え、この子って武闘派?〉

〈てっきりアサシン系かと…〉

〈みんなそう思ってたよ〉


 暗殺者アサシンという戦闘職ジョブがある。それは素早さと近距離攻撃力に補正が付くもので、蓮も奏多もそれを選択している。


 ただ近距離攻撃力に補正が付くと言っても、それを専門とする拳闘士ファイターには遠く及ばない。細身の奏多の攻撃でツインヘッドレックスが倒されたという事実を、視聴者たちは信じられずにいた。


〈やっばぁーい〉

〈流石にこの展開は予想外すぎ〉

〈草も生えんとはこのことか〉

〈もう驚きすぎて疲れたよ〉

〈こんなんで疲れるな!〉

〈たぶんコイツ、本気で最後まで行くぞ〉


 視聴者の中には思考を放棄する人も増え始めた。


〈武器は何を使ってんのかな?〉

〈首とかに装飾品は見えるけど〉

〈手にはなんにもないよな〉

〈素手っぽくね?〉

〈マジ、かよ〉

超硬岩ちょーかたいわ砕いたレンと同じだ〉

〈あぁ……。そんなこともあったな〉

〈カナタもやっぱりレン級なのか!〉



『よし、次に進もう!』

 

〈ですよねぇ。行くよねぇ〉

〈もういい。好きにしな〉

〈次が元ボスか〉

〈流石に善戦してくれると信じたい〉

〈ん? どっちが?〉

〈決まってんだろ、元ボスだよ!〉

〈wwwwwwwww〉

〈視聴者がボス応援すんのレアだな〉

〈もはやバグが歩いてるレベルww〉

〈バグが80階層までスキップするぞぉ〉

〈バグ扱いヤメレwww〉


 蓮はポータルを起動し、80階層へ転移した。

 

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