第25話 ならば、戦争だ!①
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嫉妬の大醜犬(D)を倒しました。
経験値を獲得しました。
嫉妬のダンジョン(D)が攻略されました。
報酬:35986円獲得しました。
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「問題なくダンジョンを攻略できたな」
「そうだね!」
雅の新衣装のお披露目があったあと、俺たちはダンジョンを順調に攻略し、ダンジョンのボスまで問題なく撃破した。
昨日半分くらい攻略が終わっていたので、今日は結構早い段階でダンジョンの攻略が終わってしまった。
まあ、早い段階といってもすでに外部時間では午後三時を過ぎている。
もう一つダンジョンを攻略するのは無理だろう。
「君たちとダンジョンに潜っていると、DランクダンジョンをFランクダンジョンみたいに錯覚してしまいそうになるよ」
「そうか?」
「普通だよね?」
雅が俺たちのことを呆れたような目で見てくるが、正直、あまり自覚のないこっちとしてはそんな目で見られても結構困る。
「ミヤビさんの気持ちはわかります。サグルさんと朱莉はこのパーティしか知らないからわからないかもしれませんが、普通はこんなにハイスピードで攻略できないんですよ?」
普通のパーティは一戦ごとに十分から三十分の時間がかかるが、俺たちは基本的に一撃で勝敗が決するので、五分以上戦闘に時間がかかることはない。
それに、俺たちは称号の効果でダンジョンのマップが表示されているので、迷うこともないが、普通のパーティは自分の歩いた場所しかアプリのマップに表示されないそうなので、俺たちほど簡単にダンジョンが攻略できないそうだ。
でも、それは普通のパーティの方が悪いと思う。
『十全十美』の称号を取るのはそこまで難しくない。
普通にチュートリアル的な感じで取れるんじゃないだろうか?
だが、みんな早く次のダンジョンに行き過ぎて称号が獲得できていないんだと思う。
人が多すぎるFランクダンジョンはまだしも、EランクダンジョンであればDランクに潜れる探索者が十個連続で踏破するのはそこまで難しくないはずだ。
Dランクダンジョンの下の階層の方がEランクダンジョンの深い階層よりずっと稼げるから早くDランクダンジョンに潜りたくなる気持ちはわかるが、もっと安全マージンを取るべきだと思う。
ヘルプ先生の推奨レベルは実際に探索者が次のランクに挑戦するレベルよりずっと高いんだし。
「まあ、悪いことでもないんだしいいじゃんか」
「……それもそうか」
「それで、このあとどうする? もう一個ダンジョンの途中まで進む?」
もう三時を過ぎているから、今から五時間かけて攻略するっていうことは多分できない。
今日は祝日だが、月曜日だ。
明日は京子も朱莉も学校だし、雅だって明日は大学に行かないといけないと言っていた。
もしダンジョンに潜るとしても、時間を決めて途中で脱出しないといけない。
先にどれだけ潜るか決めておかないとズルズルと長時間潜り続けてしまう恐れもある。
「それなんだが、防具を作り直させてくれないか? 魔導装備技師にクラスチェンジしたから、今までよりもいいものが作れそうなんだ」
「あー。なるほど」
今日のうちに雅のジョブが見習い魔導装備技師から魔導装備技師にクラスチェンジしてしまった。
こんなに早くクラスチェンジできたのは生産系のジョブだし、Dランクダンジョンに潜っていたからだろう。
魔導装備技師は鍛冶師、防具職人、錬金術師の上位ジョブだから、まだランクはⅡだが、鍛冶師とかのランクⅩよりいいものが作れるみたいだ。
だから、俺たちの装備を一新しようということなんだろう。
「俺は大丈夫だぞ? 京子と朱莉は?」
「私も大丈夫です」
「私も大丈夫! 新しい装備楽しみだな!」
「じゃあ、僕の工房へと向かおうか」
俺たちはダンジョンを脱出して雅の工房へと向かった。
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「なんだ、これ?」
「ひどい……」
「誰がこんなこと……」
「……」
俺たちが雅の工房へと行くと、そこは誰かに荒らされたようにぐちゃぐちゃになっていた。
本棚は倒され、テーブルは壊されており、ティーカップは粉々になって床に散乱していた。
京子と朱莉は床に散らばった本やティーカップの破片なんかをできるだけ丁寧に拾い集めていく。
どれも雅のお気に入りの品だったはずだ。
雅は相当ショックを受けているだろう。
「……どうやら、僕のいないうちに誰かが工房を荒らしていったみたいだね」
雅は床に散乱したものを避けながらスーッと奥へと進んでいく。
その顔からは表情が抜け落ちていた。
「み、雅。大丈夫か?」
「これが大丈夫に見えるかい?」
「「「ひっ!」」」
雅は感情の浮かばない空虚な目で俺の方を見上げてくる。
その顔、軽くホラーなんですけど。
相当怒っているみたいだ。
本気で怒った時ってむしろ表情が消えるよね。
表情筋に向かう力すら怒りに消費されるというか。
この部屋は雅の趣味を詰め込んだ場所だったからな。
本棚やテーブル、小物の一つ一つまで雅の手作りだといっていた。
それをこんなふうにされたのだ。
その怒りは相当なものだろう。
「ど、どこにいくんだ?」
「ここには防犯カメラが設置してあるからね。それを確認しにいくんだ。犯人は××××を△△△△して〇〇〇〇にしてやる」
「……俺も一緒に確認するよ」
「私たちはこっちの片付けをしておきます」
「うん。サグルっち。そっちはお願い」
「……」
あ、京子と朱莉のやつ。逃げやがった。
でも、この状況の雅を放っておくわけにもいかない。
流石にパーティから犯罪者を出すのはまずいからな。
俺は恐る恐る雅の後を追った。




