ハーフオークは投擲?を覚えた
俺はブロックを持ちやすい位置に並べながら華煉さんの準備が整うのを待っている。
フッフッフ、ここで活躍すればきっと・・・・ないな。
妄想だけで満足しておこう。
調子に乗ったら遠くから拝むこともできなくなる未来がありありと頭に浮かぶわ。
「ブタ、桜さんの準備が出来たよ。」
「え?」
「お兄ちゃん、何驚いているの。桜ちゃんの準備は終わっているよ。あんなとことで待たせちゃダメだよ。」
美香ちゃんの注意を受けて、視線を向けると華煉がオークの後方の影に身を潜めているのが確認できた。
あんなに近くにいるのにオークが気が付かないんだな。
武器は持っているけど、三匹で集まって円になりまわりを全く警戒していない。
奇襲してくださいと言っているようなものだ。
よほど自分達の力に自身があるのだろう。
俺もハーフオークになって力が強くなったがオークがそれ以上なら分からなくもない。
ただ、華煉さんの実力を知ったらあのオークみたいには出来ない。
「ブタ共、これでも喰らえ!」
華煉さんの奇襲を援護するためにもオークの気をこっちに引く必要がある。
積み上げられたパレットの影から飛び出すと大声を上げながらブロック塀を大きく振りかぶってオークに投げつける。
体育の授業でピッチャーをやった経験が生きたのかオークの右肩に直撃して吹き飛ばした。
「おおぉ、お兄ちゃんやるねぇ!」
「おお、俺もちょっとビックリしたよ。」
「「ブヒブヒヒィ!!!」」
残りの二匹が顔を真っ赤にさせて叫び声を上げながらドスドスと足音を立てながら迫って来る。
ただハーフオークの俺とさしてサイズの変わらない生き物がゆっくり走ってきてもさして脅威には感じないので慌てることなくニ投目のブロックを持って投球動作に入いる。
今度は頭部に命中させるべくよく狙ってから投げる。
「ギャブ!」
先頭のオークの顔面にヒットしてオークが崩れ落ちた。
「ヨシ!」
『スキル:ブロック投擲を獲得しました。』
久しぶりに謎の声が頭に響く。
投擲ではなくてブロック投擲とはなんぞ?
謎スキルに関しては後で確認しておこう。
「ハ!」
華煉さんが背後からオークを切りつけて倒した後、俺が最初にブロックをぶつけて腕を骨折せてたと思われるオークの喉へ刀を突き刺してとどめをさした。
「ブロックをまるで野球の球みたいに投げるなんてカタヤマさんは力が強いのですね。これなら美香ちゃんをお任せしても大丈夫ですね。」
華煉さんの中で保護対象から戦力と俺のポジションが格上げされたようだ。
ただ、俺がブロックを片手でブロックを投げつけてオークを倒すという以前なら野球界の怪物扱いされてもおかしくないことをしたのに華煉さんは全く驚いていない。
俺くらいのヤツは珍しくないってことなのだろう。
唯一自身があった怪力でもアピールできないとはハーフオークに生まれ変わっても俺は良いとこ無し。
「さすがお兄ちゃん!やったね!」
「ああ、ありがとう。」
「??どういたしまして。」
美香ちゃんが無邪気に褒めてくれてちょっと沈み気味だったの気持ちが持ち直した。
なのでお礼を言ったら美香ちゃんは不思議そうな顔をしている。
もともt大した人間じゃなかったのだから小説のようにファンタジーな世界に変わったからといって小説のように物事がうまくいくわけではないのだ。
今は美香ちゃんのためにも真由子さんを見つけることだけを考えよう。




