プロローグ 秘密共有物語
初めまして。
本作は、ひょんなことから学園のマドンナの秘密を知ってしまった主人公と、その秘密を知られたヒロインが織りなす青春ラブコメです。
秘密を共有した二人が少しずつ距離を縮め、お互いの世界を知りながら成長していく物語を書いていけたらと思います。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
人は誰しも、知られたくない秘密がある。
黒歴史、裏の顔、もう一人の僕……
名前は違えど、根本的なところで似通ったもので。
いわゆる “パンドラボックス”。
(触れられたら即死)なものばかり。
では質問です。
そんな秘密を、もしも知られてしまったら?
クラスの男子。
ましてやただのオタクに知られたとなれば。
あなただったらどうしますか?
「あは、はははは……。」
空虚な笑いがこみ上げる。
「聞いて、いましたよね?」
少女が口を開いた。
亜麻色の艶髪を揺らがせて、
その目には翡翠を灯している。
「な、なんのことで?」
「誤魔化さないでくださいっ!
さっきのことですよっ!!」
怖いくらいに瞳孔が開いている。
狼狽した表情で、
縋るように僕を見た。
「い、いえ。僕はなにも……。」
「……。」
「ちょ、イタいっ!」
腕を握る力はまるで万力の様。
人間が出せる力を優に超えていた。
「……うそ、つきましたね。」
瞳が潤み始めた。
上目づかいでこう見つめられて、
何とも言えない罪悪感がこみ上げてくる。
「だからお願いです、小鳥遊さん。」
小さな体を震わせて、
ポロポロと言葉を零した
「ここであったこと、誰にも言わないって約束してください……。
でないと今から―――」
いつ決壊してもおかしくない位、
彼女の心は限界だった。
「あなたの前で飛び降ります。」
「……へっ?」
背筋が凍り付く音がした。
肌を抜ける、春の柔風。
始まりの予感を告げる桜の花びら。
陽気な空気とは裏腹に、
心の中は陰鬱に満ちていた。
これは。
ひょんなことから秘密を知った少年と
知られた本人である少女、
通称 ”聖女様” との、
秘密共有物語
(シークレット・ストーリー)である。
念願のラブコメ連載始めました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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