表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。  作者: 棚から現ナマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/112

47 入学試験・最終試験②



「スー、ちょうちょ、早くステージに来るがよい」

グリファスはやる気満々だ。

長い年月を生きて来て、これほど興味を引いた相手はいない。

自ら対戦したいと思ったのだ。

しかし……。


(馬っ鹿じゃねーの。俺がご主人様の前で、野蛮なことをするとでも思っているのか? 俺は可愛らしい愛玩ペットであって従魔じゃねぇんだよ)

ツーン。

スーはソッポを向く。


「スーはティナの前でだけは荒っぽいことはしないからな、無理だと思うぞ」

ちょうちょは苦笑いしている。


「こらーっ。放しやがれ。テメェが最初に()られてぇのか!」

カーバンクルはクライブに抱っこさ(捕まえら)れ暴れている。

クライブは神獣の守護があるためなのか、カーバンクルが腕の中で暴れても涼しい顔のままだ。


スーの前からティナを連れ出さないかぎり、スーは可愛い子ぶりっ子のままで、グリファスとの模擬戦に応えることはないだろう。

ただティナを連れて行こうとすると、スーは付いて行くだろう。


「さて、どうしたものか……。ティナをどこかに……、そうだな救護室に連れて行ってもらうか。あそこは魔獣の入室禁止だからな。ティナは腹を(くだ)したそうだから、それでいいだろう。誰かいないか……」

グリファスはステージから周りを見回す。


クライブにティナを連れて行くように頼もうかと思ったが、現在救護室にはカーバンクルが殺すと公言しているエリオットがいる。カーバンクルを連れているクライブは駄目だな。

それならば、ハロルドとニックはどうだ?

二人へと視線を向けたのだが『試験監督なので、この場を動くことはできません』と、グリファスが口を開くよりも先に、先手を打たれてしまった。二人共にスーの戦い方を絶対に見たいのだろう。

さてどうしたものか。


(おい)

グリファスは考え込んでいる。


(おいっ、おいっていってるだろうが、このジジイ!)

考え込んだままのグリファスへ、スーが怒鳴る。


「ん、どうしたんだ?」

(どうしたんだじゃねぇーよ。威圧を引っ込めろ。なんで威圧を出してんだよ。周りを見ろ!)

スーの指摘に周りを見てみると、グリファスの威圧が盛大に出ている。今回は従魔どころか人族達も具合が悪くなっている。


「おお、済まない。ついつい小童(こわっぱ)達と遊べると思うと楽しみでな」

模擬戦を楽しみにしすぎて、威圧を押さえるのを忘れていたらしい。


トムとランダーはその場に(うずくま)り動けなくなっている。カイとタイリーは自分の従魔を介抱しようとしているが、自分達も具合が悪そうだ。

ハロルドとニックは、顔色は悪いが何とか踏ん張っている。他に数人いる係員達は、座り込んでしまったり、片膝を()いて動けなくなっている。

スーとちょうちょは威圧に慣れたのか、胆力(たんりょく)なのか、平気そうにしている。神獣の加護を持つクライブとクライブに抱っこされているカーバンクルは何ともなさそうだ。


「え、皆どうしたんだ?」

カーバンクルが周りをキョロキョロと見回して不思議そうにしている。


今回の威圧は強い。魔獣は元より人族にも影響が出ている。

魔力が無いからと感じないわけではない。

ティナも被害を受けているはずだ。


スーは慌ててご主人様を仰ぎ見る。

もしご主人様の体調が悪くなっていたら、ジジイぶち殺す。


「まあ、スーさんどうしたの? 甘えんぼさんね」

ティナにまとわりつくスーを、ティナは笑いながら撫でてくれた。


「ティナは何ともないのか?」

慌てるスーの頭から振り落とされまいと、必死でしがみついていたちょうちょが、平気そうなティナを見て、不思議そうに呟く。


「これは興味深いな……」

(自分のやらかしを知らんふりするなっ)

ご主人様が無事でよかった。スーはホッとすると同時に、とぼけたことを言っているグリファスを怒鳴りつける。


「ティナ嬢、カイとタイリーが体調を崩しているようだ、済まないが控室に行くのに手を貸してくれないか」

クライブが頼む。

グリファスが頼んでもよかったのだが、今は獣の姿に戻っている。人族の言葉で話しかればティナが驚いてしまうだろう。


本当だったらカイとタイリーは救護室に行くべきだろうが、従魔のトムとランダーも体調が悪いため、従魔が入れない救護室は使えない。そのため、従魔が使える控室で休息を取ることになるのだ。


「分かりました」

ティナは頷くと、カイとタイリーの元へと向かう。


(俺も―。俺もご主人様と一緒にいくー)

「そちは具合が悪くはないだろうが」

(ちっ)

ティナに付いて行こうとするスーをグリファスが止める。


「さあ、ティナもいなくなったぞ」

Cブロックから出て行くティナを見送り、グリファスはしてやったりと楽しそうだ。


(しょーがねーなぁ。しつこいジジイに痛い目見せてやるか)

「そうだな。世代交代っつぅものを教えてやろうぜ」

スーとちょうちょは、覚悟を決めたのか、神獣の待つステージへと向かうのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ